オルガン ウィンターコンサート

札幌雪まつり期間中にKitara Organ Winter Concert が恒例のオルガンコンサートとして例年開催されている。

2014年2月8日(日)15:00開演 札幌コンサートホールKitara大ホール
 
出演/ モニカ・メルツォ―ヴァ(第5代札幌コンサート専属オルガニスト)

Monica Melcovaは1974年スロヴァキア生まれ。94年スロヴァキアの音楽院を経て、99年ウィ-ン国立音楽大学で音楽修士号を取得。同年パリ高等音楽院でオリヴィエ・ラトリーに師事。国際コンクールで数々の賞を受賞。2002年札幌コンサートホールKitara専属オルガニストに就任。サントリーホールはじめ国内の主要なホールなどでの演奏活動を積極的に展開。帰国後03~11年は教会オルガニストを務め、06-11年は音楽院にて教鞭をとるなど幅広い活動を行っている。リサイタルの他にヨーロッパや日本でのマスタークラスも担当している。
彼女のオルガン演奏をKitaraで聴いたのは04年、07年、11年、13年に続いて今回が5回目である。13年のウィンターコンサートの模様をブログで書いた時に予想以上のアクセスがあったのは日本での知名度が高かったためと思われる。
 
〈プログラム〉
 ポワヴァン:オルガン曲集より
 J.S.バッハ:フーガ ト短調 BWV578 「小フーガ」
         シューブラ―・コラール集より「ただ神の摂理に任す者」BWV647
         トッカータとフーガ ヘ長調 BWV540
 モニカ・メルツォ―ヴァ:即興演奏
 フォーレ(パイパー編曲):パヴァ―ヌ 作品50
 ヴィエルヌ:幻想的小品集より 「ウェストミンスターの鐘」 作品54-6

ボワヴァン(1649年頃-1706)はその名を初めて聞くフランスのオルガニスト。彼が残したオルガン曲集から5曲が続けて演奏された。フルートやトランペットなどの音色をもつフランスのバロック様式の作品らしいが、バッハとは違う色彩の曲。

バッハ(1685-1750)の「小フーガ」は美しくて親しみ易い旋律を主題とした4声部のフーガ。繰り返して登場するので耳慣れている。ニ短調の「トッカータとフーガ」と同じくらい有名な曲。
シュ―ブラ―・コラール集はバッハの弟子のシューブラ―が出版したためにその名で呼ばれる。全6曲(BWV645~650)から成るコラール集の第4曲がオルガン曲に編曲された作品。マリー=クレール・アランのCDでも聴いて親しんでいるが、第1曲「目覚めよ、と呼ぶ声あり」が度々コンサートで演奏されて、聴く機会が最も多い。
ヘ長調の「トッカータとフーガ」はバッハのオルガン曲の中で最も成熟した作品のひとつとされる。

モニカ・メルツォーヴァは現在スペイン在住でバスク地方の音楽院で即興演奏を担当している。ヨーロッパや日本でのマスター・クラスも行っていて即興演奏も得意である。今回はNHK朝のテレビ小説のテーマ曲「中島みゆき:麦の唄」による即興演奏を披露した。客席を埋めた聴衆誰もが知る曲を主題にしての即興演奏は丁度テレビ小説の舞台が北海道ということもありタイミングも良く彼女の知日ぶりがうかがえた。

フォーレ(1845-1924)の「パヴァ―ヌ」はオリジナルはピアノ曲で、列になって踊るスペインの宮廷のゆったりとした舞踊曲。合唱付きの管弦楽版の方がよく知られている。オルガン曲に編曲した作品も美しい音色で素晴らしい。

ヴィエルヌ(1870-1937)の「幻想的小品集」は4つの組曲が入る作品51-54.。彼の小品集の作曲によって《コンサートのためのオルガン音楽》が普及したと言われる。Kitaraの歴代のオルガニストも彼の小品集を好んで演奏している。この作品は交響楽的な響きを持つフランス製の大型オルガンのために書かれ、ロンドンのオルガン制作者に献呈された。
「ウエストミンスターの鐘」は作品54の第6曲。1929年パリ・ノートルダム大聖堂でヴィエルヌによって初演された。
「ウエストミンスターの鐘」は日本では学校のチャイムのメロディとして知られている。授業の開始時と終了時に鳴る“キーンコーンカーンコーン”。どのくらいの聴衆がこのメロディに気付いたが知りたいものである。(尚、この曲は昨年8月にオクタヴィアン・ソニエがフェアウエル・コンサートで演奏した。)

メルツォ―ヴァは適切な箇所で日本語で挨拶したり、曲の説明を入れた。アンコール曲の説明は英語でなされた。
「スカルラッティ:ソナタ ヘ長調K.466」、「スロヴァキアのポピュラーソングによる即興演奏」。
聴衆の反応を見ながら、アンコール曲を演奏する配慮なども好感が持てた。

ステージに置いたスクリーンで常時オルガン演奏の模様が映されていたのは大変良かった。手鍵盤や足鍵盤を使う様が見て取れた。また、プログラムを見なくても、演奏前にスクリーンに演目が映し出されるのは効果的であった。「トッカータとフーガ」で足鍵盤だけを使っている場面が数分間も続いた場面は画像がハッキリ見えて良かった。(女性奏者は足鍵盤の演奏ではかなり力が必要とされることを痛感した。)

1時間の充実したコンサート。雪まつり期間中の開催で孫を連れた客や観光客も目立った。3階まで埋めた客で1600名ほどの客の入り。オルガンコンサートとしては大入りと言える。生憎の雨模様で中島公園内の「ゆきあかり街道」は楽しめなかったが、コンサート開催に向けての主催者Kitara事務局の取り組み方が良くて全体として近年のウインターコンサートとして素晴らしかったと思う。

演奏終了後の聴衆の満足度も大。 メルツォ―ヴァのCDを今まで購入していなかったので、今回は買うつもりでいた。サイン会に並んでいつものように感想を英語で述べてCDにサインをして貰った。(“CDを買わなくてもサインはもらえます”と言って、オルガニストとの交流をすすめる案内も良かった。)終了後の1階ホアイエは賑わっていてコンサートの余韻が漂っていた。
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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