第9回「札響くらぶサロン」 Takemitsu Memorial Salon

「札響くらぶサロン」はアカデミー活動として2012年12月に第1回サロンを喫茶店「ウィ-ン」で開いた。札響創設当時からの名演奏と言われる定期演奏会を振り返り、当時の録音を聴いたり、札響OBのお話しを聴いて参加者が語り合ったりしてきた。
第5回サロンから会場を札幌市教育文化会館4階研修室に変更して、年間4回開催の予定になっている。私は第5回サロン(14年1月)から参加し始めて、第7回サロン(14年6月)については活動の様子を翌日のブログに書いた。札響アーカイブシリーズのナビゲーターとして今は亡き竹津さんの素晴らしいお話しと交流会の印象が今でも忘れられない。ブログを書いて2週間後に竹津さんの急逝を知った時の衝撃は大きかった。竹津さんが尽力したPMFの開催時期と重なって、札幌の音楽界にとっても彼の死は計り知れない損失であると思った。

9月の第8回サロンは北海道作曲家協会会長の八木幸三さんを新しいナビゲーターとして迎えた。彼は札幌の音楽界の指導者としても多方面で活躍している現役の中学校教諭。第8回「札響くらぶサロン」からサロンは“TAKEMITSU MEMORIAL SALON”と呼称することになり、八木さんの軽妙なトークで新しい企画がスタートした。

《第9回札響くらぶサロン》 
[日時] 2015年1月11日(日)5:30PM~8:45PM  [場所] 札幌市教育文化会館 401号室

〈第1部〉 「札響定期演奏会アーカイブ」
 ナビゲーターは八木幸三さん。札響定期シベリウスのチクルスは来月が最終回。今回のアーカイブはシベリウスの代表作「フィンランディア」の聴き比べ。
 
 フィンランドは東のロシアと西のスウェ‐デンという2つの大国から政治的にも大きな圧迫を受けていた。「フィンランディア」が作曲された1899年当時、フィンランドはロシアの支配下にあった。人々の愛国心を高めるための行事のために、シベリウスはフィンランドの歴史を表した6つの場面のための6つの曲を書いていた。第6曲として書かれた「フィンランドは目覚める」のための音楽が、後に手が加えられ独立して「フィンランディア」となった事が判った。

{新春お楽しみクイズ大会}形式で聴き比べをしたのが次の3曲である。
  ①2009年尾高忠明指揮札響定期の「フィンランディア」
  ②1966年渡邊暁雄指揮札響録音盤の「フィンランディア」
  ③オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィルの「フィンランドは目覚める」の原典版。
 順不同で3曲を聴いてどれが上記の曲であるかを問うクイズであった。正解者の中から1名が抽選で選ばれ、フィンランドのウォッカ“finlandia”が贈られた。
 かなり違う曲かと予想したが、80%は同じだと言うことで、集中して聴いていないとその違いが直ぐには判らないような曲であった。独立を願う国民の想いが表された曲調で熱狂的に支持されたが、帝政ロシアはフィンランド国内での演奏を禁止していた時期もあったと言う。そのような時代に国内では“SUOMI”(スオミ)という曲名(祖国を意味するフィンランドの国名)で演奏されていたと言う話はよく知られている。
 
 ※フィンランドではスウェーデン語が公用語として広く使われていた。言語学的にはスウェーデン語はヨーロッパの言語に属し、フィンランド語はアジアの言語に属すると言われている。日本と韓国の関係と同様にフィンランドとスウェーデンの関係は仲が悪いようである。(英国でもイングランドとスコットランド、イングランドとウェールズ、イングランドと北アイルランドは同じ国とは言えない関係にあるのは昔からよく知られている事である。)

〈第2部〉 ミニ・コンサート
 札響第1ヴァイオリン奏者の河邉俊和さんによるヴァイオリン独奏。
  ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第6番ホ長調
  パガニーニ:「24のカプリ―ス」より 第1番、第3番、第20番
  バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より 「シャコンヌ」
  バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より 「ガボット・アン・ロンドー」
  
河邉さんは神奈川県出身。東京音楽大学卒業。1993-95年、九州交響楽団コンサートマスター。97-99年、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉や東京ヴィヴァルディ合奏団の客員コンマス。東京ヴィヴァルディ合奏団などではソリストとしても度々コンチェルトを演奏。NHK FMリサイタルに出演。東京、福岡、札幌でリサイタル。2000-04.年札幌交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者、05年から札響第1ヴァイオリン奏者として現在に至る。
札響くらぶの催事に毎回のように顔を出し、楽員とファンクラブの交流に極めて協力的なアーティスト。札幌市内の各種活動も積極的に行っており、後進の指導にも携わっている。

トークを交えてミニ・コンサートというより、リサイタルのように思えるプログラムを披露してくれた。
ヘンデルのソナタは自ら編曲して無伴奏で演奏。ヘンデルのソナタは余り聴いたことが無かった。パガニーニの2曲は暗譜で演奏。慣れていないと大変な難曲と思うが、久しぶりで演奏したとの事。かなりの経験がないと、プロとは言えボランティアのような活動に感心した。驚いたことに、20分近くもかかる大曲「シャコンヌ」を暗譜で弾き切った。ブラヴォーの掛け声もかかるほどで拍手喝采で会場が湧きあがった。ソリストとしては当然だろうが楽員として誰でも出来ることではないと思った。もちろん、演奏内容も素晴らしくて感銘を受けた。壮麗で長大な短調の曲の後は明るくて軽やかな長調の3分余りの曲で締めた。
1時間以上の演奏にも疲れを見せず、自ら作曲した優しい曲をアンコールに披露。最後にラデッキー行進曲で演奏を終えた。401号室は録音室で音響も良いので演奏者自身も満足した様子で何よりだったが、参加者全員が期待以上のプログラムに大満足だったのは言うまでもない。

〈第3部〉 ゲストの皆さんと楽団員さんを交えての新年会(交流パーティ)
 ひとテーブル10人のテーブルをいくつか作っての交流会。ワイン、ビール、日本酒を飲みながら音楽の話題で1時間はあっという間に過ぎてパーティ終了。二次会参加者は会員経営のクラシック音楽を楽しめるバー“OLD CLASSIC”へ徒歩やタクシーで向かった。20名ほども集まって立ち飲みの人も出た中で深夜近くなったころ各々家路へと店を出た。同じ趣味の仲間の集いは何と楽しいことか!



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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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