クリスマス オルガンコンサート

Kitara恒例のクリスマス オルガンコンサートを聴くのは久しぶりである。今年はホルンの名手バボラークが出演して例年のオルガンと合唱のプログラムに彩りを添える楽しみなプログラム。

2014年12月14日(日) 17:00開演 札幌コンサートホール Kitara大ホール

ホルン/ ラデク・バボラーク
オルガン/ アレシュ・バールタ
指揮/大木秀一   合唱/ 北海道札幌旭丘高等学校合唱部

ラデク・バボラーク(Radek Baborak)は1976年、チェコ生まれ。ミュンヘン国際コンクール優勝。これまでチェコ・フィル、ミュンヘン・フィル、バンベルク響、ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者を歴任。ベルリン・フィル首席奏者を辞任して、チェコ・シンフォニエッタを創設して、より自由な演奏活動を行なっている。水戸室内管など日本での活動も相変わらずで、近年は指揮者としての活躍も目覚ましく、昨年のPMFの室内楽でも指揮活動が目立った。

アレシュ・バールタ(Alesh Barta)は1960年、チェコ生まれ。ブルノ音楽院、プラハ芸術アカデミーで学ぶ。82年、ブルックナー国際オルガンコンクール優勝。83年、リスト国際オルガンコンクール第2位。84年、「プラハの春」国際音楽オルガンコンクールで圧倒的第1位を獲得して、海外での活躍の舞台を広げた。リサイタル活動の他にチェコ・フィル等のオーケストラとも共演。95年からプラハ放送響の専属ソリストに就任。

〈PROGRAM〉
★ホルンとオルガン
  J.S.バッハ:コラール「われらが神はかたき砦」BWV720
         アリア「汝、わがそばにあらば」BWV508
         コラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV645
  ブラウン:無伴奏ホルンのための12の前奏曲より 第7番、第8番、第11番 [ホルンソロ]
  リスト:バッハの名による前奏曲とフーガ S.260 [オルガン ソロ]
  ブルックナー(ボク編):交響曲第7番 ホ長調 作品107より 第2楽章アダージョ
  ボク:ホルンとオルガンのためのマニフィカト(新作委嘱)
  サン=サーンス:ホルンとオルガンのためのアンダンテ ヘ長調
  ボク:夢見るクリスマス・キャロル
 ★合唱とオルガン
  クリスマス・キャロル/森友紀編:もろびとこぞりて、信長貴富編:オー・ホーリー・ナイト
  フランク:天使の糧
  カッチーニ/江上孝則編:アヴェ・マリア
  ラター:エンジェルズ・キャロル

バッハのオルガン曲には“コラール”と銘打った小品が沢山ある。最も有名なコラールの1曲が「目覚めよ、と呼ぶ声あり」で演奏される機会も多くて、メロディも耳に馴染んでいる。ホルンとオルガンの共演は勿論はじめてだった。
ブラウン(1922-2014)の名も曲も初めて耳にする。彼はドイツ生まれだが、イスラエル育ちで、バボラークとの繋がりが深い作曲家であったと言う。バボラークの特殊才能を生かしての作品なのだろう。
リストがオルガン曲として残した有名な曲。今までかなりオルガン曲の生演奏を聴いてきたが、運指の速さが想像できないほど凄かった。目では見れなかったが、正に超絶技巧を要する曲で印象に残った。教会音楽というより演奏会用音楽なのではないだろうか。
ブルックナーは苦手な作曲家の一人。彼の交響曲で第4番と第7番だけは比較的に親しみ易い曲。カラヤン指揮ベルリン・フィルのCDで偶に聴くが、めったに聴かない。今日に備えて「第7番第2楽章」だけきいてみたが、このアダージョが聴いていてとても心地良かった。マーラーの「第5番」のアダージョと同じように親しめて新鮮な感じがした。今回は20分ほどの楽章が編曲されて10分ほどの曲になって演奏されたが、原曲の良さは余り感じ取れなかった。それでもブルックナーを聴き直す切っ掛けになるかも知れない演奏曲になったので良かった。バールタはブルックナーとリストが得意なようである。

バボラークの演奏は何度耳にしても素晴らしい。ホルンからどうやってあのような綺麗な音が生まれるのか不思議なほどである。

前半最後のブックナーの編曲を手がけたミロシュ・ボク(1968- )はチェコの作曲家で、指揮者・ピアニストとしても活躍していると言う。バボラークが結成した〈チェコ・ホルン・コーラス〉のためにブルックナーの声楽作品を編曲したり、バボラークのためにも編曲や作曲活動を行っているとの事。今回の演奏会で披露される委嘱新作「マニフィカト」もバボラークならではの試みだと思う。
サン=サーンス(1835-1921)は作曲家としてだけでなく、教会オルガニストを務め、ピアノの名手でもあり文学や数学にも秀でる才能の持ち主として知られた。この作品は1835年頃に書かれたらしいが、譜面が1980年代に再発見されたと言う。まだ演奏も録音の機会も珍しい曲。
昔から親しまれているクリスマス・キャロルは全8曲からなるオーケストラ作品であるが、ボクがホルンとオルガンのために編曲した。

前半が終わって18時。休憩20分。後半の「ホルンとオルガン」のプログラムが30分弱。「合唱とオルガン」のプログラムが始まったのが18時50分。

今年はクリスマスコンサートの飾りが大ホールには無かったが、合唱が始まると同時に照明器具を使ってステ―ジ横の壁にステンドグラスが描かれ教会内の雰囲気が広がった。日本で最も優秀な高校合唱部の一つとして実績のある北海道旭丘高等学校合唱部が出演。
クリスマス時期に歌われる名曲の中から5曲を披露した。フランク作曲の讃美歌がソプラノのソロと合唱で歌われた。ソリストの透明感のある美声は素晴らしかった。合唱曲も静かにクリスマスを祝う雰囲気が醸し出されてホールに優しく広がった。さすが全国で注目される合唱部の面目躍如の歌声。今回は1・2年生だけの出演ということだっだが、音楽専門の顧問の指導力もあって、見事で高度な合唱を聴かせてもらった。
アンコール・ピースは「きよしこの夜」。照明の演出で夜空に満天の星が輝く中で、空まで届きそうな優しい歌声が響き渡った。とても清々しい気分になった。
合唱部員全員が退場するまで拍手を続ける観客の姿に満足の様子と合唱部員への称賛の気持ちが読み取れた。

大ホールのホアイエでは出演者のCDを買ってサイン会に並ぶ人々の列が延々と続いていた。
17時開演で大ホールを埋めるのは難しい。前半で席を立つ人や、合唱が始まる前に帰った人は素晴らしいクリスマスの歌の響きを聴き逃して勿体ない気がした。クリスマスのコンサートは土日開催では15時開演の方が客が多く入ると思う。

*バボラーク&バールタ デュオ・リサイタルが12月8日に水戸芸術館コンサートホールで開かれ、Kitaraとほぼ同様のコンサートがあった。12月16日には東京芸術劇場でパイプオルガンコンサートがあり二人が共演する予定。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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