山形交響楽団 第240回定期演奏会 

「日本プロオーケストラファンクラブ協議会」(JOFC)の第8回総会が今年度は山形で開催された。札響くらぶの一員として2泊3日の旅に参加。総会に先立ち、山形訪問の機会を利用して、前日に上杉藩の城下町であった米沢を観光した。歴史の面影が街のあちこちに感じられた。仙台空港から山形に向かう電車の車窓から望む山々の景色が晩秋を迎える森林の色どりに映えて美しかった。山頂に雪を頂いた蔵王も一段と光彩を放っていた。

《第8回JOFC 山形大会2014 総会》は11月23日12:30pm 山形テルサ2階リハーサル室で約80名の参加者と大会スタッフ20名ほどの協力で開会。(札幌からは15名ほどの参加)。 各団体活動報告が行われた後、参加者は各グーループ別トークとゲネプロ見学に二分。私は山形響のゲネプロ鑑賞(13:30pmから30分間 本日の演目の2曲の一部の演奏練習。)ホジャイノフも参加してくれて良かった。指揮者の細かい指示が楽員に出るたびに彼が指揮者の楽譜を覗き込む姿も可愛らしく、好感が持てた。

2014年11月23日(日) 16:00開演  山形テルサホール

指揮/ 飯森 範親      ピアノ/ ニコライ・ホジャイノフ
  
飯森範親(Norichika IImori)は1963年生まれ。桐朋学園大学卒業後、ベルリンとミュンヘンで研鑚を積む。94年より東京響の専属指揮者。モスクワ放響特別客演指揮者、ザ・カレッジ・オペラハウス管常任指揮者(現名誉指揮者)、ヴュルテンベルク・フィル音楽監督(現首席客演指揮者)、広島響正指揮者などを歴任。04年より山形響の常任指揮者に、07年より音楽監督に就任。海外ではフランクフルト放響、ケルン放響、チェコ・フィル、プラハ響、モスクワ放響など世界的なオーケストラとの共演も多い。
現在は山形交響楽団音楽監督、東京交響楽団正指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者、日本センチュリー交響楽団首席客演指揮者などを務めている。
今日の山形響を作り上げた彼の功績は計り知れないほどで、国内外での目を見張る活動でいろいろな賞を受賞している。彼のコンサートをKitaraで聴いたのは08年、日フィルの北海道定期札幌演奏会の1回しかないのが残念。山響、東響、日本センチュリー等の定期公演の合間を縫って幅広い音楽活動を展開している。北海道でも札響の地方公演の指揮も気軽に担っているようである。

ニコライ・ホジャイノフ(Nikolay Khozyainov)は1992年、ロシア生まれの将来を嘱望されたピアニスト。今年2月8日の札響名曲シリーズに登場して「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番」を弾いた。類いまれなテクニックで展開した個性的な演奏には心を奪われた。アンコールに応えて弾いた「リスト:モーツァルトの〈フィガロの結婚〉の主題による幻想曲」の感動が頭の隅に残っている。
日本でのオーケストラとの共演やリサイタルは毎年あって、8月には東京で読売響との共演、リサイタルでは「シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集」が演奏曲目に入っていたようでレパートリーの広い本当に驚くべきピアニスト。日本では追っかけのファンもいると言う。

山形交響楽団は1972年1月創設。東北地方初のプロ・オーケストラ。初代音楽監督は村川千秋。92年、楽団創立20周年を祝って、モーツアルトの連続演奏会を開催。飯森&山響 モーツァルトシンフォニーサイクル『アマデウスへの旅』が来年2月の第24回が最終回で「交響曲全曲演奏定期演奏会」の完結年となる。
飯森範親の指導の下で、急激な成長を遂げてオーケストラのレベルが飛躍的に向上したと評判の楽団。テルサホールは木のぬくもりのあるホールであるが、客席が800弱なので定期演奏会は月2回開催である。楽団は山形以外に庄内、酒田、鶴岡でも定期公演を行っている。

〈プログラム〉
 ベルリオーズ:序曲「リア王」 作品4
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
 ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 作品98
  
ベルリオーズ(1803-69)は「幻想交響曲」や「イタリアのハロルド」などの作品が良く知られている。シェクスピアの戯曲「リア王」を題材にして、作曲家自身の若い頃の実体験を乗り越えて芸術作品にしたそうである。今まで聴いたことは無かったので新鮮な気持ちで聴けた。

ベートーヴェンの全5曲のピアノ協奏曲で「第5番 皇帝」が最も有名で演奏機会も多い。私自身は「第4番」を聴くようになってからは、絢爛豪華な「第5番」より同等かそれ以上に好みのコンチェルトになっている。
ピアノ独奏で始まるという前例のない第1楽章から、ピアノ主導で曲が華やかに紡がれていく。主題の連打も面白い。ホジャイノフのカデンツァの手の動きも1階のG列から終始見れて良かった。ベートーヴェンが手にした新しいエラールのピアノが壮大な曲を可能にしたと思われる。ホールに持ち込まれたYAMAHAのCFXの音も良く響き渡った。ピアノと弦楽器だけで演奏される短い緩徐楽章の後、リズミカルな主題で明るく美しいフィナーレ。
期待のピアニストが奏でる「第4番」はすっかり私を虜にした。

演奏が終わってブラボーの声が上がる中、ステージに何度か登場して、アンコールに応えて弾いた曲は最初はリストの編曲ものかと思った。耳にしたことが無いと思っていたら、「カルメン」のリズムが何度も繰り返された。鍵盤を動き回る運指の速さは正に超絶技巧。ホジャイノフの面目躍如。
会場を出る時に確認したアンコールの曲は「ブゾーニ:ソナチネ第6番」(ビゼーの「カルメン」に基づく室内幻想曲)と書かれていた。

ブラームスの4曲の交響曲は全て聴きごたえがある。トスカニーニやC・クライバーによる「第4番」の名演はCDでしばしば聴く。コンサートでも演目になる機会が多い。
飯森はブラームス最後の交響曲を力感みなぎる指揮ぶりで各楽章の色々な表情を描き出した。各奏者の心を掴んで思い通りの音をオーケストラから引き出しているように思えた。楽員だけではなく聴衆も惹きつけるエネルギッシュで魅力ある指揮ぶり。今回の山形大会に集った各地の音楽ファンへの歓迎のもてなしの心も伝わってくるような演奏ぶりに尚一層の充実感が湧きあがってきた。
演奏終了後の万雷の拍手は見慣れた光景であったが、ホールを出るとピアニストと指揮者へのインタビューが行われようとしていた。その場に居合わせてインタビューの様子を観れたのはとてもラッキーであった。CDの販売とサイン会があったが、大会参加者の懇親会が行われるホテルに向かうバスの時間に間に合わなくなる恐れもあるので別な機会に譲ることにしたのが少々心残りであった。

山形国際ホテルでの懇親会では第2ヴァイオリン首席の舘野・ヤンネさんと言葉を交わす機会を持てた。(2年前Kitaraで舘野泉との親子によるデュオ・コンサートを聴いたことがあった)。パーカッションの南さんとも同じテーブルで親しく話ができた。二次会の居酒屋で大会を支えた山響のファンとも真夜中近くまで話が弾んだ。こんな経験は初めてであった。

札響くらぶの仲間とも旅行を通して一層親近感が湧いた。表面的な付き合いに終らない宿泊を伴う旅行の良さを味わった。普通の海外旅行の場合と違って同じ趣味を持つ人々の繋がりをより大切にしたいと思った。

*JOFC(Japan Professional Orchestra Fan Club Conference)は2005年、札幌、仙台、山形の3つのファンクラブの代表が集まって全国組織設立の提案がされ、2006年に上記3クラブに群馬、広島が加わってのJOFC設立総会で発足。2007年に第1回大会が仙台で行われた。その後、名古屋、石川が加盟して現在は7団体。都響倶楽部がオブザーバー参加。他にいくつかのオーケストラのファンクラブも加盟を検討していると言う。年1回開催で各地持ち回りが原則。来年の第9回大会は群響ファンズが幹事で指揮/大友直人、ソリスト/諏訪内晶子による演奏会が10月か11月に予定されている。群馬は訪れたことはないし、群響も一度聴いてみたい。出演者も魅力的である。来年度の計画に入れておこうかと思う。
注:JOFCの正式英語名は公式のものではなく単なる類推による。



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR