札幌交響楽団第573回定期演奏会(2014年10月)

秋晴れが続く好天を利用して25日は札幌紅葉名所めぐりに出かける計画を立てた。そのため25日の昼公演を予め夜の公演に切り替えておいた。

2014年10月24日(金) 19時開演 札幌コンサートホール Kitara大ホール

尾高忠明は来年3月末で札幌交響楽団音楽監督を退任するが、マーラーの交響曲はこの数年は2番、3番、4番 5番を定期で指揮してきた。今回は一応の区切りとして9番を取り上げた。

〈プログラム〉
 マーラー:交響曲第9番

マーラー(1860-1911)はベートーヴェン以降、シューベルト、ドヴォルジャーク、ブルックナーらが第9番の交響曲で死去していることを凄く気にしていたと言われる。9番目に書かれた歌曲のような交響曲には番号をつけず「大地の歌」というタイトルをつけた。
「交響曲第9番」は1909年から翌年にかけて書かれた。彼の健康状態は悪化して、死期を予感していたようだ。ほかの交響曲でも「死」がテーマになって死を恐れて悩む様子が描かれている。この《第9番》は「静」に始まり「静」で終る。安らぎの世界に入っていく雰囲気が感じ取れる。

マーラーの曲で第1番「巨人」は今ではポピュラーな曲として親しんでいる。「第5番」も聴く機会が多くなっている。未完成の「第10番」まで一応CDは全曲持ってはいるが、親しんで聴くほどには至っていない曲が多い。

マーラーの交響曲は1時間に満たない曲は第1番と第4番だけ。一番長い曲は90分以上かかる第3番ではないかと思う。唯、指揮者によって演奏時間が違う。第9番の手元のCDでは〈ショルティ指揮シカゴ響は約85分〉、〈サロネン指揮フィルハーモニア管は約78分〉。今日の尾高指揮札響は約85分であった。

札響のこの曲の演奏歴は過去2回で第1回が1996年3月 指揮:若杉 弘、第2回が2003年5月 指揮:尾高忠明。尾高は札響音楽監督としての最後のシーズンに彼の思い入れのある大好きな「マーラーの第9番」を選曲したように思われる。

第1楽章はアンダンテ・コモドで静かに始まり、第2楽章もゆっくりとしたテンポ。第3楽章だけがアレグロ・アッサイで「きわめて反抗的に」と指定された激しいリズム。第4楽章はアダージョで非常にゆっくりと弦楽合奏が目立つ演奏。
4管編成ではあったが、マーラーの第6~第8の楽器編成に見られたチェレスタ、ピアノ、特殊な打楽器などの使用がなくて曲全体が落ち着いた内省的なものになった。チャイコフスキーの〈第6番 悲愴〉に似た曲の構成も感じられた。エンディングが消えゆく音で極めて静かに終り印象的であった。

演奏が終わって余韻に浸る時間が10秒くらいは続いた。これは今までにない状況であった。曲の世界に引き込まれて感動した聴衆の姿だと思った。

マエストロ尾高はいつもの重厚な落ち着いた印象とは違って、彼の思い入れが伝わってくる極めて情熱のこもった指揮ぶりであった。マーラー作曲当時の複雑な心境を表現する大曲の演奏は指揮者としても大変なのであろう。演奏終了後のオーケストラ団員の指揮者への賞賛は普段の演奏会での指揮者への賞賛とは少し違うものを感じた。

*2015-2016年定期演奏会プログラムが発表になった。
指揮にアシュケナージ(11月)、指揮とオーボエにハインツ・ホリガー(9月)、外国人ソリストにゲルハルト・オピッツ(12月)、イザベラ・ファウスト(1月)、日本人ソリストに小山実稚恵(10月)、河村尚子(11月)の名前を見て興奮した。特にイザベラ・ファウストは注目のヴァイオリニストなので、16年1月が今から楽しみである。
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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