及川浩治 ピアノ・リサイタル2012

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及川浩治ピアノ・リサイタルがKitara 小ホールで初めて開催されたのは1999年10月のことであった。1999年はショパン没後150年にあたり、「ショパンの旅」というタイトルのコンサート・ツアーが全国規模で開催された年である。ピアノ協奏曲第2番より第2楽章(ピアノ・ソロ)、ピアノソナタ第2番より第3楽章「葬送行進曲」を含めて、全部で17曲が演奏家自身の語りを入れながら演奏されるという画期的な試みの演奏会であった。
 
 2001年5月の大ホールでのリサイタルではベートーヴェンのソナタ「悲愴」「月光」「テンペスト」「熱情」を作曲家の生涯を語りながら感情を込めて演奏した。彼の演奏は作曲家と自分自身を重ね合わせながら、聴衆を惹きつけることとなった。

 その後、1999年のコンサート・ライヴの感動を記憶する及川浩治「ショパンの旅」のCDが発売された折に、彼のサインを貰ったのが10数年前のことである。

 PMF1998のピクニック・コンサートで、佐渡裕指揮札幌交響楽団と協演してベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番 「皇帝」を演奏していたピアニストが及川浩冶であることを後で知った。当時はコンサートのソリストのことは記憶していなかったのである。

 PMF2003ではチェン・ウェンビン指揮PMFオーケストラと協演してチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」も弾いているから、彼は当時すでに八面六臂の活躍をしていたことになる。
 
 彼は1995年にサントリーホールでデビューし、同じ年に佐渡裕指揮ラムルー管でパリ・デビューを飾っているので、1999年の全国ツアーは満を持しての企画だったのだと思う。

 及川浩治のコンサートを聴くのは今回で12回目になる。彼のコンサートはオール・ショパン・プログラム、オール・ベートーヴェン・プログラムが多い。他のピアニストと違って彼独特の世界を持ち、一貫した演奏姿勢を持ち続けている。

 今日の前半のプログラムは珍しくバッハ(編曲もの)、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「熱情」。
「熱情」は激しい感情を表現して、文字通り「情熱のソナタ」となって、彼自身の演奏を含めて今まで聴いたことがないほどの圧倒的な音量で心を揺さぶられた。ピアニスト自身も聴衆もベートーヴェンの心の叫びを感じているようだった。
 後半のプログラムはドビュッシーの「月の光」「金色の魚」ほか2曲。彼の演奏はドビュッシー特有の美しいメロディを上品で魅力的に表現し聴衆の心を豊かにした。ショパンの「ピアノ・ソナタ第3番」は抒情的な面と第4楽章の熱情的なフィナーレがいつもより印象に残る情熱的な演奏であった。

 体力的にも精神的にも疲れがピークに達したと思われたが、アンコールに応えて「ノクターン20番」。聴衆も万雷の拍手で互いに手を振って別れを惜しんだ。

 前回までの及川のコンサートと比べて聴衆は少なめだったが、子供を含めて若い世代の人が比較的に多くて、満足感あふれる日曜日の午後を過ごした人々の様子がホール全体に感じ取れた。

 
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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