札響第572回定期演奏会(2014年9月)

2014年9月27日(土) 14:00開演 札幌コンサートホール Kitara大ホール

指揮/ 児玉 宏
ピアノ/ 田部 京子

児玉宏(Hiroshi Kodama)は1952年生まれ。桐朋学園大学卒業。齋藤秀雄、小沢征爾に師事。75年渡欧、東独ベルリン国立歌劇場音楽監督オトマール・スイトナーの下で研鑚を積む。デュッセルドルフ・ライン・ドイツ歌劇場第一オペラ専属指揮者(89-96年)、バイエルン州立コーブルク歌劇場音楽総監督(96-01)などを歴任。日本では新国立歌劇場に02年《サロメ》で初登場し、次いで《ナクソス島のアリアドネ》も指揮した。オペラ公演の他、東京都響、東京フィル、神奈川フィル等と共演。札響とは07年に北海道二期会オペラ《フィガロの結婚》で共演。08年より大阪交響楽団音楽監督・首席指揮者。就任当初からアッテルベリの交響曲などの珍しい作品をプログラムに組み込んで、オーケストラ界に新風を吹き込んで評判となっている。
11年11月の札響名曲シリーズにオール・モーツァルト・プログラムでKitaraに登場した時に彼の指揮を初めて観た。今回が札響定期初登場。ミュンヘン在住。

田部京子は1月のKitara小ホールでのリサイタルに続いて、今年2回目のKitara出演。前回の札響との共演は10年《夏の特別演奏会》で「グリーグのピアノ協奏曲」を演奏。札響定期には13年ぶりの出演。室蘭市出身。日本を代表する実力派ピアニスト。

〈プログラム〉
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
 ブルックナー:交響曲第6番 イ長調

モーツァルトのピアノ協奏曲23番のCDはR.ゼルキン、ラローチャ、アシュケナージ、内田が録音したものを所有している。今日の演奏会の前に彼らのCDを連続して聴いてみた。さほど集中して聴いたわけではなかったが、大きな違いには気付かなかった。それでも内田とアシュケナージは何となく気に入った。
作曲家が30歳の時の作品であるが、既に円熟してまるで後期の作品のようである。この協奏曲ではクラリネットが用いられ、オーボエが使われていないのが特徴である。CDでは気が付かなかったが、打楽器は使われず、フルート1、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2と弦5部で、比較的に小編成のオーケストラ。

3楽章構成。美しい旋律に満ち溢れた第1楽章。第2楽章は緩徐楽章で抒情的な美しい旋律を持つ。嬰へ短調でメランコリックなメロディも表れる。明るくて軽やかな第3楽章。軽快な主題が繰り返され、変化に富んだ雰囲気の中に華麗なフィナーレ。
田部のピアノと弦、木管が織りなす音色が美しく鮮やかにホールに響きわたった。第1楽章での田部のカデンツァも良かった。

ソリストのアンコール曲は「シューベルト(吉松隆・田部京子編曲):アヴェ・マリア」。

ブルックナー(1824-96)の名を知り、一応全9曲の交響曲のCD1枚づつが棚にある。第4番、第7番は何度か耳にしようとするが、他は聴くことが稀である。コンサートで聴いて、以前よりその曲の迫力が伝わってくるが、1曲が約1時間の曲ばかりで長くて、ブルックナーを気軽に聴く習慣がついていない。カラヤン&ベルリン・フィルのCDが4番、7番。インバル&フランクフルト放送響が4枚、ヴァント&北ドイツ放送響が2枚、残り1枚はフルトヴェングラー&ベルリン・フィル。

朝比奈隆がブルックナーを得意として晩年に2度シカゴ響と共演したことは良く知られている。尾高&札響もこの五年でブルックナーを定期で3回は取り上げている。09年に第4番と第5番。昨年5月の第7番で少しブルックナーの良さが解りかけてきた。金管の迫力が味わえるようになってきた。今日は一応ヴァントによる演奏を予め聴いて出かけた。
児玉がブルックナーを得意としている様子が迫力ある指揮ぶりから伝わってきた。CDを漫然と聴いているより、生演奏を観ていると集中力が出て曲が親しみ易くなる。比較的に明るく力強い音楽。楽章ごとに特徴があって、第3楽章のスケルツォでは弦のピッツィカートのリズムにホルンが応答するところが興味をひいた。最終楽章での弦楽器と木管楽器による歌謡的なテーマと金管楽器の豪快なテーマの展開が印象的であった。

札響の演奏歴は1975年の初演以来、今回は約40年ぶりで2回目という。演奏終了後、聴衆からもブラボーの声が上がった。オーケストラ団員の指揮者への拍手がしばらく続く場面は珍しい光景であった。客演指揮者への感謝の気持ちの大きさの表れであった。
マーラーの交響曲も聴く回数が増えることで聴きやすくなったが、ブルックナーの曲も聴き慣れることが先ず第一であることを改めて実感した。
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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