第553回 札幌交響楽団定期演奏会


2011web05_img02.jpg

今回の札響定演の指揮者は広上淳一で、最近では2007年、2009年に次いでの客演となった。

 広上淳一は20代でキリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクールに優勝してからコンセルトへボウ管やロンドン響、バイエルン放送響などヨーロッパの一流オーケストラへの客演で絶賛されスウェーデンのノールショピング交響楽団の首席指揮者(1991~1995)に就任して同団を北欧の名門に育て上げたと評価が高い。北米を含め海外での活躍が目立った。
 国内では日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者(1991~2000)を務めたが、私の印象では国内より海外での活躍の場が多かったようである。2008年から京都市交響楽団の常任指揮者に就任している。

 私が彼のコンサートを初めて聴いたのは2004年9月の日本フィル札幌公演であった。毎年9月に日フィルの北海道公演が開催されていた時期であった。

 2009年12月の札響の定演の《テーマ》は≪ロシア≫であった。
ニコライ・ルガンスキーによるラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」とストラヴィンスキーの「火の鳥」全曲。広上の指揮台での動きが大きく、ダイナミックで色彩豊かな演奏に惹きつけられたことを覚えている。 彼がステージで言った「Kitaraは世界のコンサートホールで十の指に入る」という言葉は今でも強く印象に残っている。

 今回の定演の《テーマ》は≪イタリア≫でベルリオーズの「イタリアのハロルド」。ヴィオラ独奏つき交響曲でヴィオラ独奏は札響首席奏者の廣狩亮。もう一曲はR.シュトラウスの交響的幻想曲「イタリアより」。

 2007年の札響定期でべルリオーズの「幻想交響曲」を広上は演奏しており、ベルリオーズが好みの作曲家なのかもしれない。また、「イタリア」と言えばメンデルスゾーンの交響曲が思い浮かぶが、一般に聴き慣れない曲を定期の曲として選んだのかもしれない。

 「イタリアのハロルド」はヴィオラの独奏曲として知られ、世界一のヴィオラ奏者ユーリ・バシュメットのCDが手元にあるのでコンサートの前に久し振りで聴いてみた。バシュメットはKitaraが開館した1997年の9月に大ホールでコンサートを開いている。

 R.シュトラウスの「イタリアより」は題名も覚えてなかった曲だったが、プログラムで札響初演が1989年10月と知って家で調べてみたら23年前に聴いていたことになっていた。札響演奏歴を必要に応じて知らせてくれるのは私のようなクラシックフアンにとって嬉しいことである。

 本日の「イタリアのハロルド」では広上の指揮はメリハリが効いていてダイナミックで団員も聴衆も惹きつける魔力を持っていた。舞踊的要素を持つ第3楽章ではダンスしながら指揮をしている体の動きは妙技ともいえた。

 ヴィオラ独奏の廣狩は2009年の札響定演の「ドン・キホーテ」でソリストを務めたこともあり、New Kitaraホール・カルテットで経験も積み、堂々たる演奏を披露した。

 23年ぶりに聴いた「イタリアより」は R.シュトラウスの他の曲より難しくなく、明るくて親しみのある曲であり、第4楽章では「フニクリ・フニクラ」のメロディが何度も反復されたが、シュトラウスはナポリを訪れた時にナポリ民謡と勘違いして曲の中にその旋律を取り入れたらしいのです。

 馴染みの薄い曲の演奏会とあって、普段より定期会員席の空きが目立ったが、私にとっては期待以上に楽しめたコンサートになった。

 
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR