札幌国際芸術祭2014

札幌初の国際的なアートフェスティバルである「札幌国際芸術祭2014」は「都市と自然」をテーマに7月19日から9月28日まで開催されている。
札幌駅前通り地下歩行空間や札幌大通地下ギャラリー500m美術館における企画展示は7月下旬に一応鑑賞を済ませていた。有料の鑑賞チケットが必要な美術館の前売券は7月中旬に購入していた。

8月1日に北海道立近代美術館に出かけたが、最も印象的な展示作品はインドの作家によるものであった。高さ5mに及ぶ作品(2008年製作)は、インドで使われる鍋や皿などを組み合わせたもので、スケールが途轍もなく大きくて凄い迫力があった。
日本人5人、外国人3人の作品が展示されていたが、雪の結晶で有名な中谷宇吉郎の火花放電の写真展示は意外性があった。

このところ札幌は好天が続いている。今朝も目覚めると温かい日の光が差し込んでいて、札幌芸術の森美術館へ出かける気分になった。PMF音楽祭では真駒内駅と芸術の森まで臨時バスが多く出るので時間を気にしないで出かけていた。平日のバス時刻表を前夜インターネットで調べていたら、運行本数が意外に多くて便利なことが判った。

平日で来館者が少ないことを予想していたが、小学生の団体見学と行き違った。見学がかち合うことはなくて、ゆっくり鑑賞できたが、急に暗い空間に入ったり、狭い通路を歩いたりとか、混雑したら大変という展示場所もあった。
アイヌの彫刻家、砂澤ビッキの2つの作品が入館者を迎えてくれた。他は現代の日本人芸術家6人、外国人アーティスト3人の出品作。興味深い展示作品が多くて予想以上に面白かった。特に印象に残ったのは3種類のクモが作り出した巣の展示。真っ暗な部屋でライトに照らされて輝く緻密な構造物が不思議な空間作り上げていた。クモの巣が美しい素材になるとは思いもよらなかった。

札幌芸術の森に有島武郎旧邸が復元されたのが昭和61年(1986年)。有島武郎は大正2年(1913年)に北12条西3丁目に自邸を新築した。昭和28年(1953年)に北28条の大学村に移築され、昭和35年から北海道大学の「有島寮」として利用された。その年に私は友人とその場所を訪れたことがある。芸術の森に復元されてから、PMFの会場になる前に有島武郎旧邸の中に入った。その後も二度は訪れたことがあると思うが、今回は旧邸内で国際芸術祭に関わる作品展示もあったので久しぶりに訪れてみた。

札幌市時計台のボランティアをしていて、札幌農学校の19期生として館内に有島武郎の写真もあるので、今回は今までより関心も深まって時間をかけて有島旧邸を見学した。熱心なボランティアから初めて耳にすることもあった。有島が農学校に入学した理由の一つが明確になった。新渡戸稲造を慕って入学したことは知っていたが、親戚同士とは知らなかったのである。以前に訪れてから10年以上も経っていたが、写真に収めた外壁の赤褐色ペイントは前の印象と違っていた。(大正時代にこのような色に塗られていたことがあって途中で復元作業が行われたらしい。)
IMG_1299 (300x225)

芸術の森を訪れたのを機に野外美術館にも入ってみた。昨年、十数年ぶりに入ってみた野外美術館で新しい作品群を目にしたが、全部を観て廻る時間がなかった。季節や時間帯によって彫刻の表情も違うが、開館当初から比べると作品も随分増えた。作品が自然にさらされて倒れたり、さびたりしている。砂澤ビッキの「四つの風」が2本倒れているのに少々衝撃を受けた。今年はついに1本になってしまっていた。彫刻家の意志で土に還るのを待つようである。
ノルウェーの彫刻家、ヴィーゲランの5点の作品はいつ観ても素晴らしい。今回も74ある彫刻のうち半分くらい観ただけだが、違った季節にまた訪れたいと思った。
国際芸術祭に際してのプログラムに参加して、臨時に設置された数十メートルの長さの踏み板の上を先端を目がけて歩いてみた。高所恐怖症の人は挑戦出来ないかもしれない。年齢を訊かれて、“今迄の参加者の中で最高齢でしょう”と言われて、記念に写真に納まった。
  IMG_1301 (225x300)  IMG_1302 (300x225)
写真右は野外美術館のシンボルレリーフで1986年の開館の折に制作された作品。この作品は館内に入らなくても芸術の森を訪れる人々の目に入るところにある。逆光で写真の出来映えが良くないが、前面が池になっている。

地下鉄・バスを乗り継いで要領よく利用すると、気軽に芸術の森に来れるのを実感した。四季折々の変化に富む自然を楽しみながら、芸術作品に接し都市での芸術鑑賞とは違う角度からいろいろな幅広い文化を享受できる空間でもある。
札幌国際芸術祭も今回で終わるだけでなく今後の開催が期待されるタイトルになっている。

後期高齢者になってもあちこちに足を運んでいるが、自分の気持ち次第でもっと遠くへ踏み出す意欲を感じ取れた。今までしばしば通っていた場所も含めて、億劫にならないで新たな行動範囲を更に広げていこうかなと考えるきっかけになった。

  
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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