PMF2014 ピクニックコンサート 

Picnic Concert
〈レナード・バーンスタイン・メモリアル・コンサート〉

PMFピクニックコンサートには以前はよく通った。自家用車を持たない事にした5年前から地下鉄とバスで芸術の森に来るのが、天候や年齢の関係もあって少し大義になっていた。今日は3年ぶりのピクニックコンサート。好天にも恵まれて、妻と共に10時過ぎには家を出て会場に向かった。
昨年はPMFプログラムに9回参加したが、会場はすべてKitara。今年は10回のプログラムのうち、Kitaraが8回、芸術の森が2回となった。開会式&記念コンサートは椅子席を利用したが、以前から野外コンサートは芝生席で鑑賞するのが常であった。芝生に座ったり、寝転んだりして半日を過ごす醍醐味はピクニックコンサートならではの楽しみ方なのである。

2014年8月3日(日) 12:00noon-18:30p.m. 札幌芸術の森野外ステージ 
                  (レナード・バーンスタイン・メモリアル・ステージ)

PMFアカデミーのトランペット奏者によるファンファーレで開幕。

〈曲目〉
 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
 レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲
 ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
〈出演〉
 尾高忠明(指揮)、 札幌交響楽団

薄緑のTシャツを着た札響メンバーが、歌劇の序曲を威勢よく演奏。レズニチェクという作曲家の名も曲も知らなかった。初めて聴く曲であったが結構面白かった。
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 ≪PMFアメリカのトークコンサート〉
〈曲目〉
 ブラームス:セレナード第2番 イ長調 作品16
 ストラヴィンスキー:プルチネルラ組曲
〈出演〉
 ダニエル・マツカワ(指揮)、 PMFアメリカ、 PMFオーケストラ・メンバー

PMFアメリカのコンサートが少なかったこともあって、1時間のプログラム。マツカワの日本語でのトークで始まった。「毎年、PMFアメリカはピクニックコンサートを楽しみにしている。世界中でつらいことがあるが、音楽が一番大切なものと思う。PMFでは世界中の音楽家が仲良くやっている。逃避しないで音楽を楽しんでください。」と話があって、曲が演奏された。

ストラヴィンスキー(1882-1971)のバレエ組曲「火の鳥」、「春の祭典」、「ペトルーシュカ」の3部作が有名。この3大バレエ音楽とは違って、バロック調の音楽作品になっているのが「プルチネルラ」。18世紀のバロック音楽に基づいていても、ストラヴィンスキーならではのオリジナリティが発揮され、変化に富んだリズミカルな曲。
この曲を聴いたアカデミー生から一人一人のPMFアメリカの教授に歓声が沸き起こっていた。
タイトルの「プルチネルラ」はナポリの4人の瓜二つの道化師。音楽は序曲と全8場から成る。数年前にこの曲を聴いてCDを買ったので覚えていた。
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〈曲目〉
 モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
 レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲
〈出演〉
 ダニエル・マツカワ(指揮)、 PMF弦楽アンサンブル

モーツァルトが16歳の時にザルツブルクで作った3曲のディヴェルティメントの1つ。ディヴェルティメントは普通は管楽器と弦楽器を組み合わせた編成で演奏され、多楽章構成。 3曲は3楽章構成で、楽器編成もヴァイオリン、ヴィオラとコントラバス。

レスピーギ(1879-1936)はイタリアの作曲家。彼の代表作は交響詩「ローマ三部作」で演奏される機会の多い人気曲。《リュートのための古風な舞曲とアリア》は第1組曲(1917)、第2組曲(1923)、第3組曲(1932)から成る。
第3組曲は弦楽器だけの編成。レスピーギは16世紀と17世紀の頃のリュートのための音楽を現代に復活させた。弦楽合奏の特質が生かされて、「イタリアーナ」、「シチリアーナ」のような美しい旋律が入った曲。数回、この曲をKitaraで聴いたことがある。
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14:30pm.に始まった《ラフマニノフのヴォカリーズ》以降のプログラムは前日のガラ・コンサートと全く同じプログラム。

ホールに歌声が響くのとは違って、澄み切った青空と森の中に天羽の美しい天使のような声が消えていく感じは戸外で味わえる特別なもの。

14:40pm.からのブラス・アンサンブルは弦楽器の演奏と対照的な金管楽器の演奏とあって会場の雰囲気を変えた効果があった。小中高校生には特に気分転換になったのではないか。「リトル・ロシアン・サーカス」の組曲は前日の演奏時間の半分で15分間になった。組曲の数を時間の関係で減らしたのだろう。

25分間の休憩の後、15:20分から《東儀秀樹の笙と篳篥による演奏》。オーケストラをバックに日本の古代から伝わる楽器を使用して心に響く素晴らしい演奏を展開。東儀は昨日の演奏時に次のように述べていた。「現在の地球は病んでいる。でも地球の美しさは何時か戻ってくると確信している。」 その想いを曲にしたと言う:《地球よ優しくそこに浮かんでいてくれ(Dear Earth, Floating Gently Over There)》。シルクロードの旅を思い起こさせる実に美しい調べは天にも届きそうな感じがした。札幌芸術の森に拡がる音楽は空を伝わってはるか遠くの地球の何処かに優しく響き渡るのではと空想してみた。
“誰も寝てはならぬ”はトリノ・オリンピックのフィギュア・スケートで優勝した荒川静香選手が使った曲。“ヒチリキ”という邦楽器を使ってオーケストラと共に奏でる音は一層美しくどこまでも拡がっていった。1400年前から伝わる楽器を使っての曲に聴衆は大喜び。退場の際の東儀の投げキッスに一層大歓声が沸き起こった。

15:40pm.からナカリャコフの登場に会場は湧いた。一週間で3回も彼の演奏を聴いたことになるが何か幸せな気分。《「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲》はトランペットの名曲になっていているようだ。昨年はホルンのバボラーク、今年はトランペットのナカリャコフを充分に堪能した。

司会者は東儀とナカリャコフの二人のイケメンに接してその演奏と共に彼らの姿にウットリしている様子は昨日と同様。二人とも確かに格好の良い容姿を保っていることは確かである。

私はマツカワの精力的な指揮ぶりに驚嘆した。12時40分から連続で3つのプログラムを2時間、15時20分から2つのプログラムの指揮を30分間に亘って続けた。本番に備えての練習時間も含めると大変なエネルギーを費やしたことになる。芸術家として本望だろうが、その労に感謝したい。
「指揮者としては全ての楽器の音に気を配るが、ファゴット奏者としては自分の楽器だけに集中する。」と前日のKitaraで司会者のインタビューに答えていた。

PMF賛歌の合唱に備えて、天羽の合唱指導。指揮者の佐渡の紹介があると会場から歓迎の大拍手。
北海道大学混声合唱団と会場に集まった数千名がオーケストラを伴っての賛歌を歌い上げた。

《PMFオーケストラ演奏会(プログラムC)》 

いよいよPMF2014の最終公演が16:30pm.からスタートした。
〈曲目〉
 バーンスタイン:「キャンディ―ド」序曲
 チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 作品33
 ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 作品47
〈出演〉
 佐渡裕(指揮)、セルゲイ・アントノフ(チェロ)、PMFオーケストラ

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札幌コンサートホールの座席で聴くのと、野外で芝生席から聴くのとは全く趣きが違って、極めて興味深い鑑賞の仕方を楽しんだ。昨日はRA席からステージを見下ろせて楽器編成や奏者の表情を観察しながらの鑑賞であった。今日は芝生席の真ん中の中央あたりの違った空間で、いろんな角度から鑑賞してみて、音の拡がりが感じられた。

横になったり、薄雲の陰から光り差す空を見上げながら聴いたのは何とも言えない清々しい気分であった。曲の一時的な暗さなど吹き飛んで明るく聴こえさえした。

PMFアメリカの教授陣やナカリャコフがショスタコーヴィチの曲が始まるころには芝生席に腰を下ろして鑑賞している姿も目に入った。

過去のピクニックコンサートでは終了時間が7時ぐらいで暗闇の中を家路に着いたが、今日は6時半前に終った。高齢者が増えてきて終了時間にも配慮する状況なのだろうと思った。

今年のPMFも無事終了。3週間余りの音楽祭をたっぷり楽しめて良かった。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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