ウイ―ンの森 Buhneバーデン市劇場 歌劇「トスカ」

 オーストリアのバーデン市劇場は来日17年になるというが、Kitaraの公演は2008年の「リゴレット」で始まり、2010年「ラ・ボエーム」、2011年「カルメン」に次いで今年の「トスカ」で4回目となる。

 札幌にはオペラ専用の劇場はない。札幌での海外の歌劇場の公演は主として旧北海道厚生年金会館で上演されていた。

 Kitara Mozart Yearとして2006年にプラハ室内歌劇場が「魔笛」を上演してからKitaraでも開催可能なオペラの上演が始まった。オペラ上演に必要な緞帳がないため幕間の舞台の切り替えに工夫がなされたが、2008年の上演では舞台装置の転換を見るのに抵抗感はなく、かえって興味深かった。

 今夜のプッチーニの「トスカ」は大いに楽しめた。トスカ役のソプラノは<歌に生き、恋に生き>る女性を見事に演じた。カヴァラドッシ役のテノールは甘い歌声で包容力のある男性を演じて、二人の息はピッタリ合っていたと思う。
 スカルピア役のバリトンは権力に上り詰めた男の悪役を重みのある迫力あふれる演技で、今日のオペラを一段と魅力あるものにした。彼は20代前半のロシアの学生らしいが、何とも将来を嘱望される歌手である。

 昨年はドミンゴやパヴァロッティが全盛期であった頃のオペラ映画「カルメン」・「トスカ」・「リゴレット」・「オテロ」を鑑賞する機会があった。今年はMETビューイングでグノーの「ファウスト」やマスネの「マノン」を楽しんだ。カウフマンやネトレプコの歌唱力や演技力に圧倒された。実際にニューヨークのメトロポリタン歌劇場に足を運べない人が多くいるので、余り馴染みのない演目の鑑賞の仕方としてビューイングは特に効果的である。

 生の音楽がCDより遥かに良い音楽を楽しむ機会を与えてくれると同じように、目の前で鑑賞するオペラが映画やビューイングより感動を与えてくれることは言うに及ばない。

 ヨーロッパの音楽院では演劇や舞踊も同時に学ぶ学生が多いようであるが、海外のオペラ歌手の優れた表現力はこの点に秘密があるのではないかと思ったりする。

 札幌に一日も早くオペラ専用の劇場ができて、オペラがもっと身近なものになることを望みたい。





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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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