PMF特別コンサートⅡ~withナカリャコフ~ 2014

25回アニバーサリープログラム
PMF Special Concert Ⅱ

2014年7月27日(日) 14:00開演  札幌コンサートホール Kitara 大ホール

〈出演〉
 ガエタノ・デスピノーザ(指揮)、 
 セルゲイ・ナカリャコフ(トランペット、フリューゲルホルン)
 PMFオーケストラ

Gaetano d'Espinosaはイタリア生まれ。03-08年まで、ドレスデン国立歌劇場のコンサートマスターを務めた。08年以降はファビオ・ルイジとの出会いが切っ掛けで指揮者に転向。PMF2010で芸術監督ルイジのもとミュージカルアシスタントとして参加。以降、ローマ・サンタ・チェチ―リア管などを指揮。現在ミラノ・ヴェルディ響首席客演指揮者。

セルゲイ・ナカリャコフ(Sergei Nakariakov)は1977年、ロシア生まれ。91年、ザルツブルク音楽祭でデビュー。15歳でCDデビュー。95年に初来日してから毎年のように来日。98年、NHK連続テレビ小説「天うらら」のテーマ曲を演奏して大きな話題を呼んだ。98年秋の日本ツアーでKitaraに登場して、トランペット・リサイタルを開いた。当時、日本のメディアは“トランペットの貴公子”として取り上げた。彼は「トランペット界のパガニーニ」と称され、ヴァイオリンやチェロのために書かれた協奏曲のアレンジを演奏し、世界有数のソロ・トランペット奏者として活躍。
02年にはフランクフルト放送交響楽団との共演でKitaraに再登場。05年にはNHK大河ドラマ「義経」の紀行テーマを演奏。
11年6月の札響の定期公演への出演は東日本大震災の影響でキャンセルとなったが、今回は12年ぶりのKitara登場。

〈プログラム〉
 武満 徹:弦楽のためのレクイエム
 ヴィットマン:トランペット協奏曲(セルゲイ・ナカリャコフ献呈/日本初演)
 モーツァルト:ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
 ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 作品60

武満徹(1930-96)は、その作品が海外で頻繁に演奏される日本の代表的な作曲家。“Requiem for Strings”は1957年、東京交響楽団の委嘱で作曲された。55年に早逝した早坂文雄を偲んで作られたと言われる。(札響の8月定期は早坂の生誕100年記念演奏会として開催。) 59年に来日したストラヴィンスキーが絶賛した作品としても知られる武満の出世作。
33名による弦楽合奏。

ヴィットマン(Jorg Widmann)は1973年生まれのドイツの作曲家・クラリネット奏者。ナカリャコフの超絶技巧と循環呼吸を念頭に作曲され、06年ミュンヘン室内管と初演、07年にはピエロフラーヴェク指揮BBC響と共演。以後、各地のオーケストラとの共演が重ねられ、今回は日本初演。
独奏トランペットの他は弦楽器19、管楽器6、打楽器1の楽器編成。
ナカリャコフでなければ吹けないような奏法で演奏された。曲の内容より、循環呼吸による連続して吹き続ける超絶技巧に圧倒された感じ。弦楽器奏者のピッツィカート奏法が多く目立ち、いろいろな珍しい打楽器が使用された。ティンパニ奏者の奏法が見ていて華々しくて面白かった。
およそ15分程度の曲が終ると万雷の拍手と歓声が沸きあがった。

モーツァルト(1756-91)はホルン協奏曲を4曲書いた。第4番は1786年にロイトケープのために作曲。彼をからかう為に黒インクだけでなく、青、緑、赤インクを使って楽譜を書いたそうである。当時のホルンにはバルブが付いてなかった。楽器編成が独奏楽器、オーボエ2、ホルン2、弦5部33。曲はモーツァルトに特徴的な明るくて、おおらかな曲調。独奏楽器がフリューゲルホルンなので一層、音の響きが澄み切ったように聴こえた。曲が歌のようにも感じられて楽しめた。

ナカリャコフ目当てで今日のコンサートに足を運んだ人が多かったと思う。若い聴衆が断然多くて、吹奏楽関連の学生も多く目についた。3年前の札響出演を楽しみにしていた人にはやっと念願が叶ったのではないか。また、15年ほど前のテレビ放送で親しんだ曲を思い出した人も沢山いたのではないかと思ったリした。私自身、今日のコンサートの前に、その頃に購入したナカリャコフのCD、“ミラクル・トランペット・ベスト”や“NO LIMIT”を聴いて、懐かしい思いをした。

ベートーヴェン(1770-1827)の「第4番」は昨年のパーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマ―フィル、ブレーメンの演奏が鮮明に焼き付いている。室内管弦楽団の楽器編成。フルート、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2.、トランペット2、ティンパニ、弦5部33で計45名。RA席からステ―ジ全体が見渡せたので、関心があって楽器編成を確かめた。
PMFオーケストラは二つ編成され、今日は旭川組(プログラムB)と札幌組(特別コンサート)に分かれて演奏を行なった。
フルートと弦楽器で始まった第1楽章は活気に満ち溢れ、生き生きとした音楽が繰り広げられた。第2楽章では美しい歌も流れた。第3楽章のメヌエットは牧歌的で明るい。第4楽章のフィナーレも快活で心地良い気分に浸った。
指揮者もイタリア出身とあってか軽やかな指揮ぶりがこの曲の印象をより明るいものにしていた。
 
若い奏者のエネルギーが伝わってくるようなコンサートが続いて何となく嬉しい。

PMF2014ではベートーヴェン交響曲が3曲もプログラムに載った。第9番は過去にも2回は演奏されているが、第4番、第7番は初めてのような気がする。PMFのプログラムとして今年のベートーヴェンの交響曲はアカデミー生にとっても古典派の良い勉強になったのではないかと思った。聴く者にとっても大オーケストラ用の作品だけに偏らないプログラムは好ましい。




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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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