PMFオーケストラ演奏会(プログラムB) 2014

2014年7月25日(金) 15:00開演 札幌コンサートホール Kitara 大ホール

〈プログラム〉
 ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 作品92
 シベリウス:交響曲 第2番 二長調 作品43

〈出演〉
 ジョン・ネルソン(指揮)、 PMFアメリカ、  PMFオーケストラ

John Nelson は1941年、コスタリカ生まれのアメリカ人。ジュリアード音楽院で学ぶ。73年、ベルリオーズの《トロイア人》を指揮してメトロポリタン歌劇場にデビュー。インディアナポリス響(76-87)、セントルイス・オペラ(85-88)の音楽監督、リヨン歌劇場の首席客演指揮者などを歴任。パリ室内管の音楽監督(98-08)。アメリカの五大オーケストラを始め、ヨーロッパの一流オーケストラを指揮。04年にはパリ室内管と来日。マゼールの代役としてPMF初参加。

PMFアメリカの教授陣(14名)のうち初参加のクラリネット奏者以外は全員2013年に続いての参加。

2013年は「第7番」初演から200年の記念年であった。Kitaraを訪れた海外オーケストラでベートーヴェンの第7番を演奏して印象に残ったオーケストラが二つあった。サロネン指揮フィルハーモニア管とマゼール指揮ミュンヘン・フィルであった。指揮者の魅力によるところが大であったが、昨年の演奏の様子が今でも目に浮かぶ。二人の指揮者の特徴は違っても、音楽に気持ちを投入できて聴いていて物凄い感動を覚えた。

今日のプログラムもマゼールが用意したものであるが、ネルソンはアカデミー生だけのオーケストラから若々しいリズム感のあるハーモニーの美しい力感溢れる演奏を見事に作り出していた。メリハリのある若々しい指揮ぶりは聴衆からもブラボーの声が上がり拍手喝采で盛り上がった。アカデミー生によるこれだけの感動的な演奏を聴けたのはとても良かった。
アカデミー生からも指揮者に普段とは違った意味合いを持つ拍手がおくられる姿も見ていて気持ちよかった。

2管編成で管楽器13、打楽器1、弦楽器50(?).。2階前列のほぼ中央の座席からはステージ全体が良く見える。上記の演奏会では弦楽器群しか見えなかったり、指揮者の様子が良く観察出来たり、座席によって鑑賞の細かい印象度は違うのは止むを得ない。2管編成でもベートーヴェンの第1番や第2番とは段違いの印象を受けるのは作曲の妙なのか(?)とふと思った。また同じ第7番でも楽器編成を変えて演奏している場合もあるのだろうと思った。

休憩後のプログラムにはPMFアメリカの教授陣が入って、オーケストラは3管編成。管楽器27、打楽器3、弦楽器50(?)。管楽器のメインはアカアデミー生で教授はセカンド担当に見えた。アカデミー生のレヴェルが高いからだろう。コンマスはデイヴィッド・チャン(メトロポリタン歌劇場管)が務めた。前半の曲と同様にホルンの楽器配置が上手なのが意外であった。今迄に余り見たことのない配置であったが、指揮者の意向だったのではないか。聴く方には全く違和感はなかった。

この交響曲「第2番」はシベリウス(1865-1965)の7曲の交響曲の中で一番親しまれている。2015年がシベリウスの生誕150年に当たるのも、今日の選曲の一因かも知れない。1901年にシベリウスは家族と一緒にイタリアへ旅行したが、その旅が明るい曲作りのきっかけとなった。当時のフィンランド人のロシアからの独立を求める民族意識を掻き立てる雰囲気を持った作品とも言える。
第1楽章は力感に富んで心地よい響きを奏でる。第2楽章は低音域楽器で始まるほの暗い楽章。フィンランド人の内面を幻想風に描写しているようにも思える。第3楽章はスケルツォで牧歌的雰囲気が漂う曲調。切れ目なく第4楽章へ。堂々とした主題と哀愁を帯びた主題が歌われて管楽器が高らかな賛歌で圧巻のフィナーレ。
前半の曲とは違って、何となく北欧の空気を醸し出せたように思った。

ジョン・ネルソンはアメリカの大都市のメージャー・オーケストラやヨーロッパの一流オーケストラを指揮した経歴を持つ経験豊富な指揮者。急遽、PMFオーケストラを指揮することになって精神的重圧もあったであろうが、その重圧を跳ね除けて堂々とその実力ぶりを発揮した。日本での知名度は余り高くないと思うが、演奏終了後に聴衆が指揮者に贈る拍手は温かかった。アカデミー生からの拍手も普段とは違う温かさを感じ取れた。指揮者も満足感を味わったのではないか。実際の年齢より若さを感じさせる指揮者。今後、これをきっかけに日本でも活躍が期待される。

今日と同じプログラムで明日はKitaraで夜公演、明後日は旭川で昼公演が予定されている。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR