映画「パガニーニ」主演のディヴィット・ギャレット

今日は午前中に時計台のボランティア活動をした後、映画「パガニーニ」を鑑賞してきた。年間80回程度はコンサートに通っているが映画も年30-40本は観る。クラシック音楽に関連のある映画は見逃さない。ここ5・6年ではベートーヴェン、ラフマニノフ、グレン・グールド、クララ・シューマン、マーラーなど。昨年、鑑賞した「カルテット」、「24年目の弦楽四重奏」は興味深くて、良い映画であった。
これらの音楽映画は札幌では市民出資による市民映画館「シアターキノ」で上映されることが多い。今月はPMFが開催されていて忙しくて、映画から遠ざかっていた。19日からTheater KINOで「パガニーニ」の上映が始まったことを知って早速鑑賞してみる気になった。

この映画で主演している俳優がヴァイオリニストのデイヴィッド・ギャレットであることは以前に新聞記事で読んでいた。実はギャレットは2003年にフィンランド・ラハティ交響楽団のソリストでKitaraに出演していた。その時の指揮者は先日PMFオーケストラ演奏会で指揮者を務めたオスモ・ヴァンスカであった。ギャレットが札幌で演奏した曲目は「シベリウスのヴァイオリン協奏曲」。

David Garrettは1981年ドイツ生まれ。10歳でアルブレヒト指揮ハンブルク・フィルと共演し、14歳でドイツ・グラモフォンと契約。17歳でメータ指揮ミュンヘン・フィルと共演。2009年にCD「ロック・プレリュード」が全米クラシカル・クロスオーヴァー・アルバムチャートで9週連続1位、40週以上のトップ10を記録。現在もロックとクラシックをクロスオーヴァーさせて人気を誇っていると言う。モデルもこなすクラシック界のベッカムとしても知られているそうである。

映画の原題は“The Devil's Violinist”で主演・制作総指揮・音楽がギャレット。“悪魔のヴァイオリニスト”と呼ばれた伝説の音楽家、ニコロ・パガニーニのドラマティックな生涯が描かれた。

パガニーニ(1782-1840)は19世紀の前半、天才の名をほしいままにしたイタリアのヴァイオリニスト・作曲家。ヨーロッパ各国を周っての演奏は大評判を呼んでいた。当時では他のヴァイオリニストが出来そうにもない奏法を身に着けていた。
彼の作曲では《ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番》、《24のカプリ―ス》の曲目ぐらいしか知っていなかった。ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」などのピアノ曲を通してパガニーニの偉大さを知っているぐらいであった。
彼の作品は1~79まであるが、出版されたのは1~5までらしい。協奏曲の弦楽パートは部外者に見せたくなかったと言われる。彼の超人的な技術が一層神秘的になったのだろう。
パガニーニの音楽における偉大さは承知していても、彼の人生については殆ど知らなかった。今回の映画を通して初めて判ったことが多い。彼は賭博と恋愛におぼれて破天荒な一生を送った様子が描かれた。亡くなった時に教会での埋葬を拒否された。(映画での言及はなかったが、5年後に教会で葬られ、1926年に生地のジェノヴァの墓地に移されたそうである。)

映画の原題が気になったが、「悪魔に魂を売り渡して手に入れた」と恐れられた超絶技巧の演奏法、派手な女性関係やギャンブルなどが普通の音楽家の人生と異なっていてヨーロッパでは特に“悪魔的存在”だったのかもしれない。日本ではパガニーニと「悪魔」は結び付かない。今や音楽界の革命児となったギャレットが、10年前とは違った容姿で、スクリーンに登場して熱演した。“21世紀のパガニーニ”が名器ストラディヴァリウスで奏でる本格的音楽映画と宣伝されている。(*パガニーニ愛用の楽器は音楽愛好家から贈られたグァルネリ・デル・ジェス。遺言でジェノヴァ市に寄贈。)

客席100名の小ホールも満席状態で、音楽ファンが連日詰めかけている様子であった。
シアターキノは1992年に日本一小さな映画館(29席)として開館した時から通っている。98年に狸小路6丁目のピルに2つのスクリーン(63席と100席)を持つ市民映画館として移転した。映画館が次々と消えていった時代に、現在も良質の映画を上演し続けている。

*ベルリオーズの「イタリアのハロルド」の作曲の動機はパガニーニの依頼によるものであった。パガニーニは「幻想交響曲」の演奏会で感激し、自分が所有するヴィオラのストラデイヴァリのためにベルリオーズに「ヴィオラと管弦楽のための協奏曲」の作曲を依頼した。作曲の進行状況を見に来たパガニーニは最初のスケッチが気に入らずに、この話はご破算となった。その後、ベルリオーズは「独奏ヴィオラを伴った交響曲」としてこの曲を完成させた。
ベルリオーズに関するブログでパガニーニとの関係を書いた記憶があったので、改めて記した。
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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