PMFオーケストラ演奏会(プログラム A)  2014

2014年7月19日(土) 14:00開演 札幌コンサートホール Kitara大ホール
 
〈出演〉ドミンゴ・インドヤン(指揮)、  べプソド・アブドゥライモフ(ピアノ) 
     PMFオーケストラ、 PMFミュンヘン、PMFベルリン

ドミンゴ・インドヤン(Domingo Hindoyan)はべネズエラ出身の指揮者。エル・システマでヴァイオリンを学び、ジュネーヴ高等音楽院指揮科修士課程を首席で修了。03年と04年のPMFにアカデミー生として参加。03年のPMFでハイティンクの指揮ぶりに魅せられて後に指揮に転向。数々の国際指揮者コンクールに入賞。ロンドン・フィル、スイス・ロマンド管、フィルハーモニア管などと共演。日本の新日本フィルとも共演を重ねている。13年からベルリン国立歌劇場でバレンボイムの第1アシスタントを務めている。

べフゾド・アブドゥライモフ(Behzod Abduraimov)は1990年、ウズべキスタン生まれ。09年、ロンドン国際ピアノコンクールに優勝。4日後、代役でデュトワ指揮ロイヤル・フィルと共演。同年、アシュケナージ指揮シドニー響とアジアツァーのソリストに抜擢された。12年、東京交響楽団と共演。14年5月、デュトワ指揮ボストン響のアジアツアーに参加。6月には彩の国さいたま芸術劇場でリサイタルを開いたばかりで、日本で話題のピアニストの一人。

〈プログラム〉
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23
 シューマン:交響曲 第2番 ハ長調 作品61

予定のプログラムの前に、ロリン・マゼールの死を悼む曲の演奏と黙とうが行われた。
追悼曲 [バーバー:弦楽のためのアダージョ]

チャイコフスキーが作曲した3曲のピアノ協奏曲の中で断然よく知られていて、古今東西の協奏曲の中でも最も人気が高い作品のひとつ。70年代からLPレコードで聴き続け、今はCDを十数枚持っていて聴き比べをするほどの魅了的なピアノ曲。コンサートで聴いた回数は数知れない。
作品発表当時のエピソードは余りにも有名である。ハンス・フォン・ビューローのピアノ独奏で初演から大成功を収めた。
壮麗で堂々たる第1楽章の序奏が聴く者の心を鷲掴みにする。続いてウクライナ民謡に基づく美しい主題。若いピアニストの長大なカデンツァにも魅了された。
20分も要する第1楽章が終ると客席から拍手が起こったのは少々残念だった。第2楽章のフルートが歌い始める旋律が美しい。(先日もこのフルート奏者は見事なメロディを響かせた)。オーボエとチェロの音色も心地よく響いた。第3楽章は輝かしい活気に満ちたフィナーレ。チャイコフスキーのメロディ・メーカーとしての優れた調べをオーケストラとともにピアノが絢爛豪華に彩った。
オーケストラは2管編成でアカデミー生のみの出演。

ソリストのアンコール曲は「チャイコフスキー:ノクターン 作品19-4」。華やかな「協奏曲」とは違って、曲名の通りに静かな夜に染み渡るような調べ。

シューマンの「第2番」は1990年のPMFでバーンスタインが指揮した作品として知られている.。2009年の20回記念でも「PMFアニバーサリー・オーケストラ」として世界中からアカデミー修了生が集まって、この記念すべきシューマンの交響曲第2番が演奏された。指揮はPMF91/93-98芸術監督を務めたエッシェンバッハであった。この時にライブ録音されて贈呈されたCDが手元にある。今朝ほどコンサートに出かける前に聴いてみたが、演奏の素晴らしさを感じ取った。エッシェンバッハは2000年にハンブルク北ドイツ放送響の札幌公演の時も「シューマンの第2番」を演奏しているので、彼の得意な曲なのかもしれない。
第1回PMFオーケストラ以来のプログラムになったのは、人数の問題もあったのではないかと推測した。3管編成で約80名による演奏。同時期に《オペラ「ナクソス島のアリアドネ」》の上演もある。こちらは約40人編成のオーケストラ。つまりアカデミー生は2つに分けられる。教授陣もオペラはPMFウィーンが担当して、シューマン第2番はPMFミュンヘンとPMFベルリンの担当になったと思われる。

曲はハ長調だが、明るい曲調ではなく、苦悩の陰も漂う。激しい緊迫感もあって、どこかシューマンの後半の人生が描かれているような感じがした。第3楽章のアダージョ・エクスプレッシーヴォが印象的な緩徐楽章。主題は美しいが痛みを秘めた想いで響く。幻想的な雰囲気もある。この曲は長年の親友メンデルスゾーンの指揮でライプツィヒのゲヴァントハウスで初演された。
バーンスタインは体調の良くない状況で第3楽章を集中的に指導していたと聞いている。第4楽章はダイナミックに展開して輝かしい響きになった。苦悩や病気を克服した彼の人生との関連を重ね合わせて聴いた。重厚な作品だと思った。今朝CDで耳にした演奏の印象が強烈であったせいか、今日の生演奏に物凄く感動したというほどではなかった。
PMFミュンヘン4名の木管教授陣、PMFベルリン3名の金管教授陣とティンパニ奏者(ライナー・ゼーガス)が曲を引き締めていた役割は大きいと思った。
溌剌とした指揮ぶりのインドヤンも好印象を残した。

明日は同じプログラムによる苫小牧公演が予定されている。PMF前半の教授陣の最後のプログラムとなる。



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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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