PMFウィ―ン弦楽四重奏演奏会 2014

2014年7月16日(水) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara 小ホール
 
出演:PMFウィ―ン(ライナー・キュッヒル、ダニエル・フロシャウアー、
          ハンス・ペーター・オクセンホーファー、 ヴィルヘルム・プレーガー)
    
PMFウイーン弦楽四重奏演奏会は以前はKitara大ホールで夜に開催されてきたが、昨年は小ホールでウイーク・デーの昼間に開催された。大ホールの座席数2008に対し、小ホールの座席数は453。今年は同じプログラムの公演が19日の土曜日の夕方にも行われることになった。
メンバーは昨年と同じ。 キュッヒルはPMFアカデミーには7回目の参加。うち1回はソリスト、3回はカルテットとしても出演。フロシャウワー(ヴァイオリン)とプレーガ‐(チェロ)は二人とも若手で2回目の参加。オクセンホーファー(ヴィオラ)はウィ―ン・フィルを定年で退団したが12回目の参加。

〈プログラム〉
 ハイドン:弦楽四重奏曲 第74番 ト短調 作品74-3 「騎士」
 チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第1番 二長調 作品11
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 作品59-3 「ラズモフスキー第3番」

ハイドン(1732-1809)は“交響曲の父”と呼ばれるが、弦楽四重奏曲も80曲以上作っている。「ひばり」,「皇帝」など愛称が付いている数曲は何となく聴いて判るが、大部分は聴いても記憶に残らない。1793年に作曲された「騎士」は多分初めて耳にする。ハイドンの曲は長調が多いので明るく爽やかな印象を受ける。この曲の調性はト短調ではあっても、曲は全体的に軽快でフィナーレは駆け抜ける感じがした。

チャイコフスキー(1840-93)が書いた4曲の弦楽四重奏曲の中で1871年に作曲された「第1番」が有名である。第2楽章の《アンダンテ・カンタービレ》でウクライナ民謡に基づく美しい旋律がホールを埋めた聴衆を魅了した。キュッヒルが主旋律を奏でて他の奏者が後を追うようにいろいろ変化して曲が歌うように展開された。先月のプラジャーク四重奏団の演奏会でも聴いたばかりだが、何度聴いても親しみが持てて心地よい響き。
ポピュラーな曲を演奏曲目にしたことに少々意外性を感じた。

ベートーヴェン(1770-1827)の全16曲の弦楽四重奏曲の中で中期の作品に当たるラズモフスキー3曲。1806年に作曲され作曲委嘱者のロシアのラズモフスキー伯爵の名が付けられた。
「第3番」は3曲の中で最も明るい曲として親しまれている。生き生きとして朗らかな第1楽章。暗い気分でありながら情緒のある第2楽章。ベートーヴェンの曲では珍しいことに第3楽章はスケルツォでなくメヌエット。切れ目なく第4楽章へ続いた。人生の喜びが高らかに歌われる充実した最終楽章は聴いていて気分も高揚した。圧倒的なフィナーレが素晴らしかった。

昨年は2階バルコニーの座席から聴いたが、今年は1階5列のど真ん中。ステージ全体に目を置いているつもりが、自然とキュッヒルのヴァイオリンに目が行き、彼の楽器から生み出される美音に魅了された。先日「第九」の演奏で130名編成のオーケストラに対しても放つたオーラを、今日も感じ取った。何と並み外れたアーティスト! 4人の奏者で作り上げたベートーヴェンの音楽の素晴らしさはやはり曲の重みが違う感じがした。ベートーヴェンの偉大さを改めて感じ取った次第である。
2年前に東京クヮルテットがKitara大ホールで最後の演奏会の曲目に選んだ曲だったことを思い出した。「ラズモフスキー第3番」は弦楽四重奏曲の中でも名曲として位置づけられる理由が解った気がした。

ライナー・キュッヒルは1950年8月生まれで、来年は定年を迎える。来年は出演してくれるだろうがその後は分からない。PMFにとって欠かせない存在なので定年後もしばらくPMFのために活躍してほしい。彼はソリストになろうと思ったことは無いと言う。「室内楽やオーケストラで仲間と一緒に音楽を作ることがより大きな喜びを見い出せる」とインタビューで語っていたことがある。演奏中は顔の表情を崩さないが、公演に先立って中島公園を奥様と歩いていた昨年の柔らかな顔の表情との違いに今日は特に気付いた。今日はステージの近くから見たのでいつもより強烈な印象を受けたのかも知れない。

アンコール曲は《モーツァルト:弦楽四重奏曲 変ロ長調 「狩」より第4楽章》。

***PMF2013のコンサートは9回聴いて,その都度ブログに書いたが、どういう訳か2ヶ月ぐらい遅れでGoogleやyahooに載せられた。その後、日本だけでなく、世界中からアクセスがあるなかで特に目立ったのが、「PMFウィ―ン弦楽四重奏演奏会」。オーストリアからドイツ語、英語、日本語でアクセスがある現象は「ウィ―ン」と「キュッヒル」の名によるものと思われる。PMF2014のコンサートは既に4つ聴いて、あと6つ残っている。今年のブログは書き終わって数日後には掲載されているようである。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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