尺八とマリンバ 藤原道三 X SINSKE 「オペラ」

~尺八とマリンバによる世界最小のオーケストラ~

2年前の7月31日にKitara小ホールで〈尺八の藤原道三とマリンバのSINSKEによる「ボレロ」2012〉というタイトルのコンサートを聴いてとても楽しかった。 邦楽と洋楽の珍しい楽器のコラボレーションの発想がユニークで音楽の広がりを感じた。
ラヴェルの「ボレロ」が“世界最小編成のオーケストラ”で演奏されたのは圧巻であった。マリンバによる山田耕筰「この道」、滝廉太郎「荒城の月」などの演奏、尺八によるヴィヴァルディの「春」、ムソルグスキーの「展覧会の絵」より等の演奏はとても興味深かった。聴き慣れた曲が独特な響きを持つ楽器で演奏された様子を懐かしく思い出す。

札幌では7月にパシフィック・ミュージック・フェスティヴァルがありコンサート鑑賞のスケジュールがぎっしりであるが、2年ぶりにこのデュオのコンサートを聴いてみた。

2014年7月4日(金) 19:00開演  札幌コンサートホール Kitara小ホール

〈プログラム〉
 ラヴェル:ボレロ
 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
         歌劇「魔笛」よりパパゲーノのアリア『私は鳥刺し』
         歌劇「魔笛」より『夜の女王のアリア』
 マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲 
 ビゼー:歌劇「カルメン」より 『ハバネラ』など5曲
 グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」より 序曲
 プッチーニ:歌劇「トゥランドット」より『誰も寝てはならぬ』
 ガ―シュイン:歌劇「ポーギーとべス」より『サマータイム』
 中田喜直:夏の思い出
 藤原道三:「幻舞 Danza fantastica」 Live version
 SINSKE:Baciami Ancoraー最後のキスをー、  月夜浮遊
 バーンスタイン:「ウエストサイドストーリー」より 『マリア』など3曲
 藤原道三 X SINSKE: 組曲「風神X雷神」 2014 Live version

藤原道三(Dozan Fujiwara)は1972年、東京生まれの尺八演奏家・作曲家。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業後、97年、同大学院音楽研究科修了。大学時代にはオーケストラと共演を行うなど様々な音楽活動を行い、様々な邦楽器で研鑚を積んだ。07年、古川展生(チェロ)、妹尾武(ピアノ)と組んでユニット古武道を結成。尺八の新境地を開く音楽活動として注目を浴びた。12年からマリンバ奏者SINSKEと全国ツアーを開始。13年、東京藝術大学非常勤講師。

SINSKE(シンスケ)は?年、東京生まれのマリンバ奏者・作曲家。桐朋学園大学音楽楽部打楽器科を首席で卒業。ベルギー政府特別奨学金を得て渡欧。ブリュッセル、アントワープ両王立音楽院打楽器科を首席で卒業。ベルギーのコンクールで優勝後、多数の国際的コンクールに上位入賞。その後、欧米でソロ活動を続けた。ヤマハは世界に一台のMIDIマリンバ「EMP」(Electric Mallet Percussion )をSINSKEのために開発。03年に帰国してソロデビュー。ポップスからクラシックまで幅広い音楽作りで活躍している。

今日は1997年7月4日にKitara がオープンしてから17年目に入る“Kitaraのバースディ”とあって、大ホールではオルガンのコンサート。小ホールのコンサートと時間が重なってエントランスホールは大賑わい。広いエントランスホールも行列を作るほどの混雑ぶり。尺八とマリンバのデュオは今年も大人気で小ホールはほぼ満員の入り。
 
一昨年のテーマ「ボレロ」からスタート。今年のテーマは《オペラ》。
ワインレッドの豪華な衣装に身を包んで登場。オーケストラには無い楽器で管弦楽用の曲の演奏が始まった。

モーツァルト、ビゼー、プッチーニのオペラは海外の歌劇場による札幌公演でも聴いたことのある馴染みのメロディがふんだんに出てくる。尺八とマリンバだけで演奏可能とは予想もできない音楽づくり。どんな演奏になるのか興味津々でリラックスして聴けた。二つの楽器から生み出される鮮やかなメロディと演奏技法に改めて感服した。

藤原道三はテレビ出演などでも活躍して話術も経験を積んでいるようで、曲の紹介をしながらSINSKEtと対話して巧みにコンサートを進めた。後半のプログラムは前半と違ってジャズ風、歌曲もの、現代のポップス的な雰囲気の作品。

後半の曲「サマータイム」を聴いた時に、ガ―シュイン生誕100年記念祭世界ツアーで97年4月に旧北海道厚生年金会館で上演された「ポーギーとべス」の情景がふと浮かび上がった。このオペラと聴き慣れた名曲「サマータイム」が繋がっているのにやっと気づいた。アメリカの名曲「ウエストサイドストーリー」も今日は違った雰囲気で楽しめた。

今回のテーマ《オペラ》に沿って、二人の作曲家がそれぞれ作曲したのが偶然オペラの発祥国イタリアをイメージした曲になったようである。曲名にもイタリア語がついた作品が現代風な曲となって演奏された。コンサートの最後を飾る曲は昨年のツアーのテーマ曲だそう。初めて聴いたがなかなかの大曲。

アンコール曲/ マスネ:歌劇「タイス」より『タイスの瞑想曲』

5月から全国ツアーを開始して、毎年札幌が最後の演奏会場になっている様子。帰りのホアイエは彼らのアルバムを買ってサインを求める人々が列をなして並んでいた。個性的な音楽性と格好良い容姿も固定したファンが増えてきている要素なのだろうと思った。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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