河村尚子 ピアノ・リサイタル

KAWAI CONCERT 2014 (第2210回)
カワイコンサート 河村尚子 ピアノ・リサイタル
2014年6月27日(金) 18:30開演 札幌コンサートホール Kitara小ホール

河村尚子(Hisako Kawamura)は1981年、兵庫県生まれ。86年家族と共に渡独。98年よりハノーファー国立音楽芸術大学でクライネフに師事。同大学在学中の01年ヴィオッティ国際音楽コンクール第1位、06年ミュンヘン国際コンク―ル第2位、07年クララ・ハスキル・ピアノコンクール第1位で世界的に注目された。ドイツを拠点にヨーロッパ各地のオーケストラと共演。日本ではN響、読売響、東京フィルなどと共演を重ね、09年に紀尾井ホールで初の本格的リサイタルを開催。11年1月、札響定期演奏会で待望のKitara に初登場してブラームスのピアノ協奏曲第1番を演奏。同年NHK音楽祭でベルリン放送響(ヤノフスキ指揮)との共演で「皇帝」を演奏して高い評価を得た。N響(ノリントン指揮)、ロシア・ナショナル管(プレトニョフ指揮)との共演も重ね、昨年は読売響(テミルカーノフ指揮)、日フィル(ラザレフ指揮)など外国人指揮者との共演が多く、チェコ・フィルとのプラハ公演及び日本ツアーでもソリストとして活躍。

カワイコンサート2014が20都市で開催されるが、札幌で日本のトップ・ピアニストが出演することになったのは大変喜ばしい。カワイの最新のグランドピアノに出会ってピアニストとしての活動を再開したプレトニョフのニュースに喜んでいたが、ショパン国際ピアノコンクールの公式ピアノにも選定されているカワイのピアノが国際的にも注目を浴びることを望む。

〈本日のプログラム〉
 ショパン=リスト/ 「6つのポーランドの歌」より 
               「おとめの願い」S.480-1
               「私のいとしい人」S.480-5
 ショパン/ バラード第1番 ト短調 作品23
 ラフマニノフ/ コレルリの主題による変奏曲 作品42
 ムソルグスキー/ 組曲「展覧会の絵」

今日は6月7日以来3週間ぶりのコンサート。事前に3曲のCDを予め聴いて出かけた。
ショパンの歌曲集「17のポーランドの歌」作品74からリストが6曲を選んでピアノ曲に編曲。そのうち2曲が演奏された。初めて聴くが親しみ易いメロディであった。

ショパンの作り出したバラード4曲はあまりにも有名。第1番は美しい旋律で情感に溢れドラマティックな展開で最も親しまれている。演奏終了後に“ブラボー”の声が上がった。

ラフマニノフは1917年のロシア革命の年に故国を離れ、翌年アメリカに亡命した。「コレルリ(1653-1713)の主題による変奏曲」は1931年、休暇でフランスの別荘に滞在中に作曲したとされる亡命後の唯一のピアノ独奏曲。今日の午前にルガンスキー演奏のCDを久しぶりで聴いた。主題の提示後、20の変奏曲があり、最後にコーダで終わる。CDでは余り強い印象は受けなかったが、生演奏で聴くと曲が生き生きとして、曲の持つ良さが伝わってきた。
余り馴染みのない曲でも聴衆を惹きつける技量は並みではないと思った。

ムソルグスキーの「展覧会の絵」は最も親しまれている曲の一つで、ピアノ曲の生演奏でもしばしば聴いている。CDでキーシンによる「展覧会の絵」を聴いてみたら、他のピアニストの演奏とは明らかに違うことに気付いた。キーシン特有の落ち着いた演奏の雰囲気が感じ取れた。
今晩の河村の演奏ではプロムナードが曲の単なるつなぎではなかった。この名曲を彼女自身の感覚で咀嚼して演奏している感じで既成のピアニストとは一味違う演奏になっていると思った。とても新鮮な曲に聞こえた。演奏技術も素晴らしくて聴衆も大満足の様子であった。今迄はこの曲は大ホールで聴いていたが、小ホールで聴いたのは今回が初めてであった。ホールの違いも聴く印象に違いを及ぼしたかも知れない。

全体的に伸びやかで、透明感のある音色で一流ピアニストとして堂々たる演奏。曲の演奏の終わりに自然体で笑顔で挨拶できる姿も好印象。

アンコール曲は「ラフマニノフ:プレリュード 23-10 と 23-2」の2曲。

ショパンのバラードとリストの編曲ものが収録されたCDを購入してサインを貰った。「3年前の札響とのコンチェルトを聴きましたが、今日のリサイタルを楽しみにしていました。」と言ったら、「そう言ってもらえると嬉しいです。」と返事をしてくれた。ついでに(産み月が近いようだったので)「元気なお子さんを産んでください。」と言った時も「有難うございます。」と応じてくれ、誰に対しても丁寧な応対をしていて、このピアニストに対する好感度が上がった。

ホールの出口でコンサートの主催者「河合楽器製作所」の簡単なアンケート用紙を提出すると、立派な冊子とDVDが配られた。《カワイグランドピアノのあゆみ》が書かれていた。創立1927年。1985年「EX」が第11回ショパン国際ピアノコンクールの公式ピアノに認定されて、2000年のショパン国際コンクールで「EX]を使用したアルゼンチン出身のイングリッド・フリッターが第2位に入賞(第1位がユンディ・リ)。この年、フリッターはKitaraのガラ・コンサートに出演。2005年のショパン国際コンクールでは日本の関本昌平がKAWAIのピアノを使って第4位に入賞したのは知っていた。
新しく得た情報はブーニンが“Shigeru Kawai”を所有していることであった。ドイツの自宅にあるらしい。

今日のコンサートの使用ピアノは「カワイフルコンサートピアノSK-EX].。
アップライトピアノ、グランドピアノ、プレミアムグランドピアノなど各種のピアノがある。SKの記号はShigeru Kawai の頭文字から取ったものだろう。

カワイコンサートは1971年から始まり、これまでに2200回余りの公演を行ってきたと言う。多分、今までに参加したコンサートがあると思うが、今回ほど聴きたい思っていたピアニストのリサイタルを低料金で聴けたのは初めてのような気がする。彼女クラスのコンサートは倍の料金でも聴きに出かける。そんなわけで大変印象に残るコンサートになったことを嬉しく思う。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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