札響くらぶサロン

「札響くらぶサロン」はアカデミー活動として、札響創設当時からの名演奏といわれる定期演奏会などを振り返り当時の録音を聴いたりして、札響の音楽に詳しい音楽家のお話も聞きながらクラシック音楽ファンが語り合ったりする場です。
2012年12月から活動が始まって、年間4回開催が予定されています。私は14年1月に行われた第5回のサロンに初参加しました。第5回からサロンは札幌市教育文化会館4階研修室で開かれています。

第7回は竹津宜男さんのナビゲーターによる「札響くらぶサロン」。
2014年6月21日(土) 17:30~20:45

第1部は「札響定期アーカイブ協奏曲聴き比べ」
 チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
  第96回定期(1970年) ピアノ/松浦 豊明 
  第150回定期(1975年) ピアノ/アンドレ・ワッツ 

ワッツは69年の85回定期でラフマニノフの第3番を弾いていて、札響客演が2回目。46年生まれ。63年にバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル定期にグールドの代役での出演で一躍有名になった。PMFには97年、09年に参加。デビュー当時は指の動きが速いのが特徴だったようだが、第1・第2楽章各3分程度の録音を聴くとテンポが遅め。

松浦豊明(1929-2011).は大阪に生まれ、東京音楽学校に進学したが47年に中退。58年第1回チャイコフスキー国際コンクール第7位入賞。その後、ベルリン国立音楽大学に入学。59年、ロン=ティボー国際コンクール第1位。日本人初の国際音楽コンクール優勝者。その後、帰国する69年までドイツを拠点にヨーロッパと日本で演奏活動。東京芸大教授に就任後は演奏活動の依頼が(文部省の許可が必要のため)簡単でなくなって誠に残念であったと竹津さんは語っていた。
竹津さんも今回のサロン計画で96回定期の松浦の演奏の素晴らしさに感動して、全部聴くことになった。会場の401号室は録音室で天井が高く音響も素晴らしくて、チャイコフスキーの名曲を堪能した。

第2部は「札響定期アーカイブ交響曲聴き比べ」
 ベートーヴェン: 交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」
  第60回定期(1967年) 指揮/荒谷正雄、  第79回定期(1968年) 指揮/渡辺暁雄
  第242回定期(1983年) 指揮/尾高忠明

札響の創立は1961年。設立当初は正団員が19名(プロ)で、他は準団員でアマチュア。
各楽器担当のセカンドは全員アマチュア。アマチュアといっても技量は優れていたそうである。演奏会に備えてのオーケストラ全体での練習量が絶対的に足りないために、当時は練習が思うようにいかなくて苦労したようである。
1968年から札響の楽団員全員が正団員となったという。
67年と68年の定期の演奏の録音を聴いて、その違いが素人にもハッキリと判った。同じオーケストラとは思えない響きであった。豊富な練習量で、演奏に余裕が生まれて好演に繋がったらしい。間の取り方が違うというナビゲーターのコメントがあった。

83年の尾高忠明指揮の「英雄」は名演だったということで、全曲を通して聴いた。札響によるベートーヴェンのチクルスを最近も聴いているが私自身では明確な区別はつかなかった。録音でも迫力があったことは確かだったし、金管楽器の響きが凄いかなという感じはした。80年代の札響は素晴らしくて、サントリーホールの音響を担当した永田音響の豊田氏も完成度に満足がいかなくて、札響のためにも最高のホールを目指してKitaraの音響設計に当たったと言う。
Kitaraがオープンしてからの札響は専門家の評判は必ずしも良くなかったらしい。札響の奏でる音とホールの音響がマッチしなかったのかなと推測してみた。当時は外国のオーケストラが評判を聞きつけてKitaraで公演することが多くて、私自身は札響定期会員をしばらく休んでいた。(95年~06年)(それでも年に数回は札響の公演は聴く機会はあった。) 07年から定期会員に戻ったが、オーケストラのレヴェルには結構満足している。

第3部は交流パーティ。クラシック音楽に詳しい人々と音楽談義に話が弾んだ。ビールの他に、会員が2010年のショパン国際ピアノコンクールの折にポーランドで購入したと言う「ポーランド・ウォッカ」の水割りを試飲してみたのも面白かった。竹津さんの「札響・PMF」にまつわるエピソードはいろいろ読み、話を聴く機会もあるが、今晩は直接身近に交流できて光栄であった。彼の話は実に面白い。彼は札響やPMFの生き字引である。まだまだ知りたいことが沢山ある。

★竹津宜男さんのプロフィール。
 1959年、広島大学教育学部音楽科卒業。61年、札幌交響楽団創立楽団員(ホルン奏者)。74年、札響事務局員、事務局長(81-88)。 PMF組織委員会オペレーティング・ディレクター(91-05)。12年、札幌芸術賞受賞。

*「札響くらぶ」は札幌交響楽団の応援団として、2016年には創立20周年を迎える札響公認の唯一のファンクラブ。会員数は約450名。年会費2500円(楽譜支援500円を含む)。札幌市内中学校吹奏楽部員への「定期演奏会招待事業」(送迎バス付き)などの活動も行っている。


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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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