プラジャーク弦楽四重奏団

〈Kitara弦楽四重奏団シリーズ〉

弦の国チェコの名門カルテットによる珠玉のカルテット名曲集

プラジャーク弦楽四重奏団はプラハ音楽院の学生によるメンバーで1972年に結成。74年のプラハ音楽院室内楽コンクールで第1位。75年、プラハの春音楽祭に出演して国際的なキャリアを踏み出した。78年、エヴィアン弦楽四重奏コンクール第1位。以後、世界の舞台で活躍を続けて、最も国際的に活躍するチェコの弦楽四重奏団のひとつになっている。
Kitaraの招聘事業で02年より度々来札してKitaraのステージに登場している。
私が初めて聴いたのが03年9月、「チェコ芸術週間」の折で《ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」》、「ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第11番、第12番「アメリカ」》。

2014年6月5日(木) 19:00開演 札幌コンサートホール Kitara小ホール
 
〈出演〉 第1ヴァイオリン/パヴェル・ヒューラ、 第2ヴァイオリン/ヴラスティミル・ホレク
      ヴィオラ/ヨセフ・クルソニュ、 チェロ/ミハル・カニュカ
〈プログラム〉
 シューベルト: 弦楽四重奏曲 第13番 イ短調 「ロザムンデ」作品29 D.804
 ヤナーチェク: 弦楽四重奏曲 第2番 「内緒の手紙」
 チャイコフスキー: 弦楽四重奏曲 第1番 二長調 作品11

シューベルト(1797-1828)は、短い生涯の間に未完成の作品も含めると約30もの弦楽四重奏曲を作っている。1824年に作曲された「第13番」は完成された四重奏曲としては8年ぶりの作品で、彼の傑作とされている。叙情性が豊かで、旋律が美しい。第2楽章が劇音楽《ロザムンデ》の間奏曲から主題がとられたので、後に「ロザムンデ」の愛称が付けられた。この楽章は聴き慣れている。第3楽章のメヌエットは何処となく悲しげでメランコリック。第4楽章は舞曲風なリズムで情熱的なフィナーレ。ハイドンやモーツァルトの古典派の影響を脱したロマン的傾向が強い作品に仕上がっていると言われる。

ヤナーチェク(1854-1928)が亡くなる半年前に書き上げた作品。1917年、63歳の時に25歳の人妻に恋をして、10年もの間に600通以上の手紙を彼女に書き送ったとされる。英語の作品名“Intimate Letters”の日本語訳は適訳とは言えないように思う。彼女の家族も手紙を一緒に読んで、家族で交際をしていたからである。
ヤナーチェクの音楽はかなり変わっていて個性的である。他の作曲家と違うユニークな作品が多いので面白いとも言える。ボヘミア出身のスメタナやドヴォルジャークと違って、同じチェコでもモラヴィア出身のヤナーチェクの音楽は特異なのかもしれない。近年、管弦楽曲「シンフォニエッタ」や「タラス・ブーリバ」など彼の作品が注目されてきている。

チャイコフスキー(1840-93)は弦楽四重奏曲を4曲書いているが、1871年に作曲された「第1番」が最も親しまれている。第2楽章の《アンダンテ・カンタービレ》がこの曲を有名にしている。ウクライナ民謡による極めて美しい旋律が、変化を伴って何度も繰り返されて現れる。チャイコフスキーのメロディ・メーカーとしての素晴らしさが際立つ楽章。

プラジャーク四重奏団はさすが経験のあるチェコを代表するカルテット。3人の作曲家の特徴が判るような演奏を展開した。チェロ奏者は他の奏者より10歳くらい若い感じ。 名前で気付いたが明後日土曜日の札響名曲シリーズでソリストとして客演して、チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」を演奏する。Kitaraと札響の連携の好例と言えよう。

弦楽四重奏曲は重みがあってもメロディを聴いて直ぐに判る曲は少ない気がする。今日の3曲のCDも所有して何度か耳にしているが、メロディが口をついて出てくるような楽章は珍しい。生演奏で真剣に耳を傾ける場面が多いように自分でも思うが、こんな親しげな楽章に出会うとホッとする。普段、もう少しリラックスして聴いた方がいいのかなとも感ずる。

弦楽四重奏曲は管弦楽曲、ピアノ曲、ヴァイオリン曲などとは一味違う充実感を得れるようになってきた。最近は小ホールでのコンサートの満足度が高い。

プログラムに記されていた2曲の演奏時間と自己所有のCDの演奏時間にそれぞれ6-8分の違いがあったのが気になった。実際の演奏時間はCDと同じであった。

アンコール曲はドヴォルジャークの曲が2曲演奏された。2曲ともピアノ独奏曲を弦楽四重奏曲に編曲したものが演奏された。ホワイエのボードに記されていた曲はヴィオラ奏者が案内した作品番号“Fifty-four”と違っていた。「ジプシーの歌 作品55より ワルツ」となっていた。帰宅して、調べてみたら「作品55は歌曲」なので間違いのようであった。作品54はピアノ独奏曲で、 「8つのワルツ」より 1曲が演奏されたようであった。
もう1曲は有名な「ユモレスク」。ピアノ独奏曲「8つのユモレスク」の第7曲が親しまれていて、クライスラ―編ヴァイオリン独奏曲になって聴くことも多い。正式な作品番号は101-7 変ト長調となっている。思わぬところで勉強しました。

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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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