札響名曲シリーズ2014-2015 vol.1 戦争と平和を

札響 森の響[うた]フレンドコンサート

年5回の札響名曲シリーズ2014-2015の第1回目のコンサートが久しぶりの雨模様の中、札幌コンサートホールKitara大ホールで開かれた。

昨日の午前中はKitaraボランティアとしてダイレクト・メール活動に従事した後、午後6時試合開始の日本ハム対ロッテの野球観戦のため札幌ドームに出かけた。野球は大好きだが、球場での応援風景が個人的には楽しめずに、むしろ煩わしくなってしまって、近年はテレビ観戦で済ますようになっていた。昨年はサッカー観戦で訪れたが、2年ぶりの札幌ドームでの野球観戦。今回は応援団や観客の応援の仕方が気にならなくて適度な好ましいものに感じられた。 試合も初回から日本ハム・ファイターズのペースで進み、満塁ホームランもあって楽しく観戦できた。ロッテの応援団の応援の仕方はかなり以前からの印象であるが規律が取れていて、いつも感心する。今回は特に男性合唱団を思わせる統一した応援が強く印象に残った。試合は一方的で11対1で日本ハムが大勝した。

本日の午前中は昨日に続いてKitaraでダイレクト・メール活動。正午からKitaraレストランでボランティア交流会。その後、午後2時開演のコンサートに臨んだ。

指揮/佐藤 俊太郎、  ピアノ/伊藤 恵、   管弦楽/札幌交響楽団

〈プログラム〉
 ショスタコーヴィチ:祝典序曲 op.96
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」
 ベートーヴェン:戦争交響曲 「ウェリントンの勝利」 op.91
 チャイコフスキー:序曲 「1812年」 op.49

ショスタコーヴィチ(1906-75)の生誕100年に当たる2006年にCDをかなり購入して彼の曲に親しんでみようとした。彼が1927年の第1回ショパン国際ピアノコンクールに出場し、本選を前に棄権して作曲家の道を選ぶことにした記述を読んだことがあった。予選で敗退したと書いている評論家もいて事実は確かでない。ショスタコーヴィチは私にとって06年以降、交響曲だけでなく、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲などでもコンサートで聴く機会の多い作曲家になっている。

この「祝典序曲」は知らないと思っていたら、収録されているCDが手元にあった。1917年11月6日の「ロシア革命記念日」の祝典のために作曲された。初演は54年のロシア革命37年記念演奏会。この曲は今ではブラスバンド用に編曲されて人気作品になっているようである。ショスタコーヴィチ特有の難しい作品とは違って、平易な旋律が用いられて親しみが持て鑑賞しやすい曲である。

ベートーヴェン(1770-1827)はナポレオンの持つ英雄的イメージを「交響曲第3番」や「ピアノ協奏曲第5番」に表現したのかも知れない。このピアノ協奏曲はベートーヴェンの全5曲のうちで最も有名で、先月のコンサートでも演奏された。
伊藤恵は日本を代表するピアニストの一人で、昨年はNew Kitaraホール・カルテットと共演。札響とは08年に続いての共演。絢爛豪華な曲で聴衆を魅了。アンコール曲に《シューマン:「子供の情景」より「トロイメライ」》。

「ウェリントンの勝利」という曲は知らなかった。1812年、ナポレオンのロシア侵攻が敗北に終り、13年6月、ウェリントン侯爵率いるイギリス軍が勝利したことで作曲を依頼されたらしい。自動演奏装置によるオルガン曲を聴いたことがあるが、その類のオーケストラ曲と思われる。イギリス軍とフランス軍を表す軍楽隊をそれぞれ舞台裏の下手、上手に配置して戦闘の様子が描かれたが、この曲の良さが理解できなかった。表面的に興味深そうに見えても、音楽的に単調でベートーヴェン作曲の重みが感じられなかった。極めて珍しいことに演奏終了後に拍手する気分になれなかった。

チャイコフスキー(1840-93)がナポレオン軍のロシアからの敗走を描いた《序曲「1812年」》は好みの管弦楽曲である。何度聴いても心地良く輝かしい旋律に気分も高揚する。戦いの悲惨さがなく、祭典の性格を持っているので、むしろ爽快で勇壮さが感じられる曲。チェロとヴィオラの祈りで始まり、曲の最後でも祈りの後、ロシア国歌が大砲の響きとともに歌われて勝利を祝う場面も祭典曲として盛り上がる。演奏終了後にブラヴォーの声が上がった。

指揮の佐藤俊太郎は1972年、仙台生まれ。93年、英国王立音楽院でヴァイオリンを学び、自らオーケストラを結成して指揮活動を行う。96年、イギリス室内管弦楽団を指揮、同室内管の准指揮者となり、ズッカーマン、デュメイ、ケネディなど著名なソリストと共演。2000年、フィンランドのクオピオ交響楽団の首席客演指揮者、その後、首席指揮者に就任。これまでに英国、フィンランドの他、国内の主要オーケストラに客演。
札響の地方公演などでの指揮活動が多い。私自身が彼の指揮を見るのは98年、08年に続いて今回が3度目。日本人としては背が高く見栄えがする指揮者。大きな指揮ぶりで、若々しさを感じさせる。

オーケストラのアンコール曲は「シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ」。北海道の風景を連想させ、透明感のある北欧音楽の響きが心に沁みわたるようであった。本日のプログラムである「戦争をテーマにした音楽」に少々違和感を感じ取ったが、「平和」を求める結びに繋がるアンコール曲になった。(このシベリウスの曲は尾高忠明指揮札幌交響楽団のCDに収録されている。)
 佐藤俊太郎は03年、英国王立音楽院とエリザベス女王から王立音楽院会員の称号を授与されているので英国での評価は高いようである。ロンドン・フィル、フィルハーモニア管、フィンランド放送響などに客演しており、経歴から判断すると尾高音楽監督との共通点が多いように思う。今後、札響を始め国内外での活動が増えると予想される指揮者である。










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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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