デジュー・ラーンキ ピアノリサイタル

 デジュー・ラーンキはアンドラ―シュ・シフ、ゾルタン・コチシュとともに「ハンガリーの若手三羽烏」と騒がれた時期があり、1975年に初来日した際には甘いマスクで人気を高めたそうである。

 シフがピアノ界の巨匠と言われるようになり、札幌コンサートホールKitaraのピアノの選定に大きく関わって、Kitaraがオープンした年の1997年の12月には早速ピアノリサイタルを開いた。
 コチシュは順調に国際的に活躍して1983年にはイヴァン・フィッシャーと共にブダペスト祝祭管弦楽団を創設した。やがてハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団(旧ハンガリー国立交響楽団)の音楽監督に就任して2000年には同管を卒いて来日している。
 ラーンキはヨーロッパでの活動は続けたが、一時その活動が日本では伝わらなかったようである。2010年の久々の本格的な日本ツアーでKitaraに初登場した。

 2010年10月、ハイドン、リスト、ラヴェルとシューマンの曲を演奏した。気品のある繊細で抒情的な演奏に魅せられ、ハイドンのソナタの曲が収められたCDを購入した。

 2年ぶりに来札しての今回の公演でも気品に溢れた瑞々しい美しい調べを奏でた。
得意のハイドンのソナタの他に、ドビュッシーの「子供の領分」では愛情に満ち溢れた柔らかなタッチで繊細で微妙な色彩を表現。リストが愛読したダンテの「神曲」という物語をソナタ風に表した作品「巡礼の年報 第2年 イタリアより ダンテを読んで <ソナタ風幻想曲>」は圧巻であった。目にも止まらぬほどの俊敏な指の動きと打鍵の強さは聴くだけでなく見る楽しさもあった。
 予定されたプログラムではリストは後半に用意されていたが、急きょ前半に持ってきたのは休憩時間中に調律する必要の為ではないかと推測した。休憩後の後半のプログラム、シューマンの「クライスレリアーナ」は動と静の感情が交互に現れる曲が特徴でめまぐるしく曲想が変化する面白さが味わえた。

 拍手喝采にもかかわらずアンコールに応じられなかったのは、プログラムに全力を注いで疲れ果ててしまって、もう余力がなかったのだろう。実年齢より10歳は若く見える風貌で、淡々と全曲を弾きこなし何とも言えない詩情を漂わせた。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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