トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィ―ン 2014

《ウィ―ン・プレミアム・コンサート》

今年も昨年に続いて〈トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン〉が札幌にやってきた。
ウィ―ン国立歌劇場の協力を得て、本公演のために特別に編成された室内オーケストラ。ウィ―ン国立歌劇場、ウィ―ン・フィルのメンバーを中心にヨーロッパで活躍するアーティスト仲間たちも加わった総勢31名による編成。芸術監督はペーター・シュミ―ドル。コンサートマスターはフォルクハルト・シュトイデ。

2014年4月17日(木)19:00開演 札幌コンサートホールKitara大ホール

〈プログラム〉
 ロッシーニ:歌劇《セヴィリアの理髪師》序曲
 クロンマー:2つのクラリネットのための協奏曲 変ホ長調 Op.91
         (クラリネット/ペーター・シュミ―ドル、吉田 誠)
 R.シュトラウス(プルジボタ、コヴァ―チ編):楽劇《ばらの騎士》より「ワルツ」 
                  (ヴァイオリン:フォルクハルト:シュトイデ)
 ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55《英雄》


冒頭に予定のプログラムに先だって「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィ―ン」のための前奏曲「イントラーダ」が演奏された。

ロッシーニ(1792-1868)のこの序曲は単独で演奏される機会の多い曲。オペラは2004年2月に錦織健プロデュ―スによる全2幕を現田茂夫指揮神奈川フィルの演奏で観たことがある。2000年8月にミラノのスカラ座を訪れて館内の廊下にあったROSSINIの彫像の前で記念写真を撮ったのも忘れられない思い出となっている。「セヴィリアの理髪師」はモーツァルトの「フィガロの結婚」の前編にあたる作品となっていて親しまれている。 

クロンマー(1759-1831)は初めて名を聞く作曲家。モーツァルトと同世代のチェコ人で、存命中はハイドンと並び称される弦楽四重奏曲の大家で、近代以降はクラリネットの作曲家として知られているそうである。

ペーター・シュミ―ドルは元ウィ―ン・フィルの世界的なクラリネット奏者。PMFとトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウイーンの両方のイヴェントでの貢献度が広く知られている偉大な音楽家。
吉田誠は1987年兵庫県生まれ。06年東京芸術大学入学後、フランスに留学。08年同国の音楽院を卒業。その後、パリ国立高等音楽院、ジュネーヴ音楽院で研鑚を積む。その期間に国内外の管楽器コンクールに入賞を重ね、クラリネット奏者として国内主要オーケストラとも多数共演している履歴を持つ。
世界のシュミ―ドルと堂々と渡り合って共演している姿は頼もしい。素晴らしい技量を発揮して美しい音色をホールに響かせたことは言うまでもない。彼にとって、今回の経験は何事にも変え難いものであったに違いない。

R.シュトラウス(1864-1949)の楽劇「ばらの騎士」は有名な作品。東京ではしばしば上演されていて楽劇の中の歌もコンサートで歌われているようである。METライブ・ビューイングで鑑賞する機会があればと思っていた。
このオペラの知識は殆ど無いが、この「ワルツ」は楽劇「ばらの騎士」のテーマ音楽だと言う。多くの編曲が成されているようで、綺麗な曲であった。
フォルクハルト・シュトイデ(Volkhard Steude)は1971年ライプツイヒ生まれ。99年にウイーン・フィルのコンサートマスターに就任して現在に至る。トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィ―ンのコンマスは毎年彼が担っている。02年にシュトイデ弦楽四重奏団を結成して、今年の11月に同団を率いてKitaraに再び登場予定。彼の紡ぐヴァイオリンの音色はこの上もなく美しく、この「ワルツ」は胸がときめくようであった。

ベートーヴェン(1770-1827)の大曲である「第3番」はナポレオンに献呈する予定を取りやめたエピソードが余りにも有名である。スケールが大きな第1楽章。壮大な葬送行進曲で名高い第2楽章。第3楽章のスケルツォではホルンの三重奏が活躍し、第4楽章では「プロメテウスの創造物」のテーマを基にいろいろな変奏が繰り広げられて聴きごたえがあった。
室内オーケストラで2管編成ではあっても迫力があって、全体の音の響きは強弱が極めて巧みに表現されていて劇的効果が生み出されていた。各楽器奏者の音のバランスが取れていて完成度が高いと思った。
いくつかのオーケストラのメンバーの集まりであるが、短期間でこのような音楽を作り出すレベルの高さを肌で感じた。

アンコール曲に「ヨハン・シュトラウスⅡ世の皇帝円舞曲」を演奏した。演奏前にコントラバス奏者が上手な日本語で曲名を告げて「これで御仕舞です」と言った時には思わず客席から笑いも起こった。演奏に10分も要する曲を約1500名の聴衆は楽しく満足した様子で聴き入った。最後にはお互いに手を振りながら別れを惜しんだ。このオーケストラと観客が相互に親しみの感情を持てるのはとても好ましい状況であると思った。




            
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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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