ベルリン・バロック・ゾリステン with エマニュエル・パユ

エマニュエル・パユがKitaraに初登場したのが2004年10月21日。ベルリン・フィルが初めてKitaraのステージで演奏する2週間ほど前のことであった。フルート・リサイタルでフランスの作曲家、ヴィドール、デュティユー、プーランクの作品と現代の作曲家の作品を《まるで神業か、魔法》のようにフルートから自由自在に音を生み出した。(ピアノはエリック・ル・サージュ)。2週間ほど経って、今度はベルリン・フィル首席フルート奏者としてドビュ―シーやラヴェルのフランス作品の演奏に加わった。
3度目は08年12月、無伴奏フルート・リサイタルを開いた。「テレマンの12の幻想曲」と「ジョリヴェの5つの呪文」を一人で演奏し続けた様子は今も鮮烈に記憶している。正にフルート界のス-パースターの極上の音楽であった。作曲家の名も知らず、曲の知識も全くなかったが、とにかく疲れも見せずに休憩時間をはさんで前半・後半を吹き続けた。(当初、チェンバロとチェロ奏者との共演でバッハのフルート・ソナタを中心にプログラミングされていたコンサートであった。共演者の病気で中止にならざるを得ないコンサートがパユのリサイタルに変更になったのである。)
木管楽器の無伴奏曲だけで、コンサートを開催してくれた演奏家に対する感謝の想いは今も忘れることができない。

エマニュエル・パユ(Emmanuel Pahud)は1970年、ジュネーヴ生まれ。パリ高等音楽院卒業後にオーレル・ニコレに師事。89年神戸国際コンクール第1位、92年には最難関のジュネーヴ国際コンクール第1位。93年、ベルリン・フィル首席ソロフルート奏者に就任。00年に退団して話題を呼んだが、02年に復帰。リサイタルの他、数多くのオーケストラとの共演も重ねている。

ベルリン・バロック・ゾリテン(Berliner Barock Solisten)は95年にライナー・クスマウルとベルリン・フィルの奏者たちが創設したアンサンブル。各々のメンバーがソリストの実力を備え、世界最高のアンサンブルの1つとして名高い。コンサート・マスターは元ウィ―ン・フィルのコンマスを務めたダニエル・ゲーデ。

2014年2月25日(火) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

〔プログラム〕
 C.Ph.E.バッハ:シンフォニア ロ短調
 バッヘルベル:カノン 二長調
 J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第5番 二長調 BWV1050(フルート:パユ)
 テレマン:フルート協奏曲 二長調(フルート:パユ)
 J.S.バッハ:音楽の捧げもの BWV1079より 6声のリチュカーレ
       管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067 (フルート:パユ)

J.S.バッハの息子の作品は鍵盤楽曲が中心だったそうだが、この曲は6つのハンブルグ・シンフォニアとして作曲された中の1曲。明暗のコントラストが鮮やかな曲。

「カノン」はバロック時代を代表する名曲。聴き慣れたメロディで人気のある曲。

ブランデンブルク協奏曲全6曲の中で最も規模が大きい曲で、フルートが使われている唯一の曲が「第5番」。第1楽章ではチェンバロの長大なカデンツァがある。フラウト・トラヴェルソ(=フルート)、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲で、当時の技巧の粋を尽くした絢爛豪華な作品。第1楽章ではチェンバロの長大なカデンツァがあり、バッハ自身が演奏したことでも知られている。

テレマンはJ.S.バッハと同時代の作曲家。独奏フルートが明るくて華やかな旋律を奏でる。テレマンはパユがコンサートで取り上げるまで、その名を余り耳にしたことがなかった。プログラム・ノートによると、彼は86年の生涯で約4千曲もの作品を書いたそうである。

フリードリッヒ大王の御前で、バッハが王の提示した主題による即興演奏をした曲をもとに再構成して作り上げ、王に献呈した作品と言われる。

バッハの管弦楽組曲は4曲ある。「第2番」はフルートを合奏の中心にした組曲で、4曲の中で最も優雅で、繊細な色合いのする曲。長大なフランス風序曲に始まり、親しみやすい旋律で知られるポロネーズではフルートが華麗な演奏を展開する。7曲から成る。

パユは類いまれなテクニックで色彩豊かな音色を響かせて聴衆を魅了。12名の合奏団と共にホールを埋めた聴衆に極上のバロック音楽を届けてくれた。
演奏終了後は素晴らしい演奏を称えて万雷の拍手が巻き起こった。普段のオーケストラやソロとは雰囲気の違う、18世紀の宮廷での演奏を想像しながら楽しめたように思った。
アンコール曲はC.Ph.E.バッハのフルート協奏曲ニ短調 第3楽章より Allegro di molto
 
ホアイエではCDを買ってサインを求める人々の長蛇の列を久しぶりに目にした。私は10年前に“Paris”のCDを買ってパユのサインを貰っていた。先月には彼の最新のCD“AROUND THE WORLD”(文字通り、世界の音楽が紹介され、ピアソラや細川俊夫の「五木の子守歌」も含まれている)を購入していたので列には加わらなかった。
多くの出演者がホアイエに出てきたのでホアイエに立ち留まって見守る客の姿も多かった。

 
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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