New Kitaraホールカルテット 8th Concert

〈Kitara弦楽四重奏シリーズ)
New Kitaraホールカルテット 8th Concert
2014年2月22日(土)14:00開演     札幌コンサートホールKitara 小ホール
 
〔出演〕 伊藤 亮太郎/ヴァイオリン (札響コンサートマスター)
     大森 潤子/ヴァイオリン(札響首席奏者)
     廣狩 亮/ヴィオラ(札響首席奏者)
     石川 祐支/チェロ(札響首席奏者)

〔プログラム〕
  ショスタコ―ヴィチ:弦楽四重奏曲第10番 変イ長調 作品118
  ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 作品10
  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 「ラズモフスキー第3番」 作品59-3

2010年にデビュー・コンサートを開いてから、このカルテットは毎回ショスタコーヴィチ(1905-75)の作品を取り上げてきた。第10番は初めて聴く曲かもしれない。第1ヴァイオリンの伊藤のソロで始まり、他の楽器が加わって展開された。ショスタコーヴィチ特有の曲の雰囲気が醸し出されるが、何回か聴かないと曲の良さが解らない。

ドビュッシーとベートーヴェンの第9番は12年7月13日の東京クヮルテット演奏会の曲目と同じであった。彼らは惜しまれながら昨年6月に解散してしまったが、その演奏会の様子を思い出す機会になった。
ドビュッシー(1862-1918)の唯一の弦楽四重奏曲である。フランスの伝統に根差した音楽と新しいスタイルを追求したドビュッシーの個性が生かされた曲として知られている。第1楽章は全員で力強い主題を奏でる。第2楽章はスケルツォ風の楽章。ピッツィカートの伴奏でヴィオラが主題を提示。リズミックな旋律と抒情的な旋律が対照的に表れる。第3楽章は緩徐楽章で第1ヴァイオリンの大森が美しい旋律をしみじみと歌う。ヴィオラも印象的なメロディを奏でる。第4楽章は緩やかな序奏に続いて、情熱的で起伏に富んだフィナーレ。
ショスタコーヴィチの重々しい曲に比べて、色彩が豊かで心が浮き立つ感じがした。

ベートーヴェン(1770-1827)の全16曲の弦楽四重奏曲の中で中期の作品にあたるラズモフスキー3曲セット。1806年に作曲された第7番、第8番、第9番には委嘱者であるウィーン駐在ロシア大使、ラズモフスキー伯爵の名前が付けられている。
≪弦楽四重奏曲第9番≫「ラズモフスキー第3番」はラズモフスキー3曲の中で最も明るく朗らかな曲として親しまれている。活気のある朗らかな第1楽章。第2楽章は暗い気分でありながら情緒のある楽章。第1ヴァイオリンの伊藤が抒情的な旋律を奏でる。チェロのピッツィカートの伴奏も印象的。第3楽章がスケルツォでなくて、気品のあるメヌエット。ベートーヴェンの曲では珍しい。切れ目なく第4楽章に入る。全曲中で最も充実した楽章で、人生の喜びが高らかに歌われる。圧倒的なフィナーレがこの曲を際立たせていると思う。

演奏終了後に花束が4人の演奏者に手渡されたので、いつもと違う状況だと思ったら、今回が最終回のコンサートということが判った。
4人の演奏者がそれぞれ主催者のKitaraホールと聴衆に対して感謝の言葉を述べ、最後にアンコール曲を演奏。
ハイドン:弦楽四重奏曲第77番 ハ長調 作品76-3《皇帝》より第2楽章
「オーストリアの国歌となっている曲で、ハイドンの第77番より第2楽章を演奏する」と大森さんの説明があって、演奏された。馴染みのある曲だと思って聴いていたら、CDで親しんだ《皇帝》だと判ったが、オーストリアの国歌になっているとは知らなかった。

帰宅して調べたら、ハイドンは1790年代の2回のイギリス訪問で同国民が愛唱する国家を聴いて感銘し、オーストリアにも国歌が必要と考えて、1797年1月に当時のオーストリア皇帝フランツⅡ世を称える歌曲を作曲した。同年2月12日の皇帝の誕生日に初演され、民衆の熱烈な支持を得て、間もなくオーストリアの正式な国歌に制定されたそうである。

本日のコンサートの折にエントランス入り口で〔New Kitara ホールカルテット Debut Concert~8th Concert〈演奏曲一覧〉〕の紙が渡されて、これは良いものを貰ったと思って意外な感じを受けた。(今回のコンサートのチラシの裏面に昨年の9月、11月の札幌コンサートホール主催コンサート案内の記事が印刷されていたので、いい加減なホールの仕事だと思っていた。表は14年、裏は13年のものだったのである。)今回がNew Kitaraホールカルテットの最後の演奏会となるので配られた。とにかく良いまとめのプリントを貰った。

レジデント・カルテットとして人気も高く、毎回満席に近い客が集まっていただけに、今回で終了となったのは誠に残念である。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲も15曲あって、メンバーは全曲演奏の意気込みで演奏会を続けていたのではなかろうか。札響のメンバーとして活躍する場面は今後も続くだろうが、ホールカルテットとしての活動は今回で一区切りになったのは止むを得ない。彼らの室内楽活動で貢献した役割は計り知れない。これまでのレジデント・カルテットとしての演奏活動に感謝すると同時に、今後の幅広い活動を祈りたい。








スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR