尾高忠明指揮『札響の第9』 (2013)

札響特別演奏会2013 『札響の第9』

日本では12月に入ると各交響楽団が『第九』の演奏を繰り広げるのが恒例になっている。プロのオーケストラや歌手による演奏だけでなく、市民合唱団がオーケストラを従えて「歓喜の歌」を熱唱する。
月刊クラシック音楽情報誌《ぶらあぼ》の公演情報を基に演奏の実態を大雑把に調べてみた。

2013年12月の日本各地での『第九』の公演予定回数 187回
 (東京・関東 90、近畿 52、北海道・東北 13、中部 16、中国・四国 7、九州・沖縄 9)
 *プロのオーケストラ 102回、  アマチュアのオーケストラ 85回
 *公演回数の多いオーケストラ
   日本フィル 10回、大阪フィル、関西フィル 各8回、読売日響、京都響 各7回、
   東京響 6回、 新日本フィル、群響、N響 各5回
 *合唱団主体で第4楽章のみの演奏会も17回(?)は実施されたと思われる。

『札響の第9』のコンサートは毎年12月に2公演。
今年度は14日(土)、15日(日)で両日とも15時開演。
私は2日目の公演を聴いた。
 
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125 「合唱つき」
指揮/尾高忠明、 管弦楽/札幌交響楽団
独唱/大隅智佳子(S), 小川明子(Ms), 与儀巧(T), 与那城敬(Br)
合唱指揮/長内勲 合唱/札響合唱団、札幌アカデミー合唱団、札幌放送合唱団

数日前は積雪ゼロの札幌も今日のコンサートに出かける時は吹雪模様。中島公園も一面冬景色。悪天候のせいか、Kitaraの大ホールも客席が埋まるまでに客足が鈍かった。開演時間迄にはようやく9割強の聴衆が集まった。

ベートーヴェンの最後の交響曲となった「第9番」は1824年、53歳の時の作品で、完成に6年かかった大作である。この名曲の正式なタイトルは《シラーの頌歌「歓喜に寄す」による終結合唱を持つ、大オーケストラ、4声の独唱と4声の合唱のために作曲され、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンによって、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世陛下に最も深い尊敬の念を持って献呈された交響曲、作品125》となっている。
第1楽章は壮大なスケールを持つ楽章、第2楽章のスケルツォはリズム感が力強い。第3楽章は抒情的で平和な感じのする美しい楽章。第4楽章は凄まじい序奏に続いて、これまでの3つの楽章の主題の断片が現れてから、「歓喜の歌」が高らかに歌われて、力強いフィナーレへ。

バリトンの与那城(Yonashiro)が「おお、友よ、このような音ではなく、私たちはもっと快い、もっと喜びに満ちたものを歌い出そうではないか。」と歌い出した時はゾクっとするほど心に響いた。4人のソリストたちは二期会会員でオペラ歌手として名高い。さすが一流歌手として堂々たる歌いぶりであった。
今回は合唱団のレヴェルの高さに感動した。ヴェテランの領域に入る人たちの迫力ある合唱がとても素晴らしかった。特に男声合唱が印象的であった。
マエストロ尾高の第4楽章の指揮ぶりは力強くて、オーケストラの響きだけでなく、独唱、合唱の総合的なまとまりを作り上げていると思った。「第九」の醍醐味をたっぷり味わえた。

今回、座席を1階席一番後方のほぼ中央に選んだことが結果的に良い鑑賞ができた要因のように思えた。座席の他に、今日のコンサートに臨む心構えも好印象に繋がったように感じた。今迄数多く聴いた「第九」のうちで最も満足感を味わったコンサートの1つになった。

1950年代、カラヤン指揮のベルリン・フィルの初来日の折に「第九」の演奏会があった時の思い出を語ったベルリン・フィルの元クラリネット奏者、カール・ライスターの話。日本の合唱団がドイツ語で歌い出した時はビックリ仰天したそうである。ドイツ語で歌うのは、今日では当たり前と考えられているが、日本の音楽界も50年ほど前とは隔世の感がある。

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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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