札幌交響楽団第565回定期演奏会(12月)

2013年12月の札幌交響楽団定期演奏会
 指揮/アラン・ブリバエフ
 ヴァイオリン/川久保賜紀

アラン・ブリバエフ(Alan Buribayev)は1979年、カザフスタン生まれ。99年クロアチアのロヴロ・フォン・マタチッチ指揮者コンクール、01年アントニオ・ぺドロッテイ指揮者コンクールに優勝して脚光を浴びた。スウェーデンのノールショピング響(06~11)、ダブリンのRTE国立響(10~ )の首席指揮者。これまでにヨーロッパの多くの主要なオーケストラと共演を重ねている。仙台フィル、東京響、九州響など日本のオーケストラの客演指揮でも評価が高い。札響には11年2月の名曲シリーズでの初共演に続いての2回目の共演。14年4月、日本センチュリー響の首席客演指揮者に就任予定。(*12月22日の{Kitaraのクリスマス}で札響を指揮する広上淳一は91~95年、ノールショピング響の首席指揮者を務めた。)

川久保賜紀(Tamaki Kawakubo )は1979年、ロサンゼルス生まれ。ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイと川崎雅夫に、ドイツ・ケルン音楽大学でザハール・ブロンに師事。世界のヴァイオリン界の二大師匠とも言われるディレイとブロンの指導を受けて実力をつけ、97年にエヴリー・フィッシャー賞を受賞。98年にクリーヴランド管と共演。以降、数々の北米メジャー・オーケストラと共演。
01年、スペインのサラサーテ国際ヴァイオリン・コンクール優勝。02年、チャイコフスキー国際コンクール最高位(1位なしの2位)となって、日本のマスメディアで大きく取り上げられた。
初来日は97年。国内主要オーケストラと共演の他、海外オーケストラの日本公演のソリストとして活躍。
川久保のKitara初登場は01年11月のヴァイオリン・リサイタル。ドイツ3大Bとサラサーテの作品を演奏(ピアノ:江崎昌子)。札響とは05年、08年に続いて今回3度目の共演。ベルリン在住。


〈本日12月7日昼公演のプログラム〉

ベルリオーズ:歌劇「トロイ人」より“王の狩と嵐”
ショーソン:詩曲 op.25 ~ヴァイオリンとオーケストラのための
ラヴェル:ツィガーヌ ~ヴァイオリンとオーケストラのための演奏会用狂詩曲
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」より

べルリオーズ(1803~69)のオペラに関する知識は全く無い。「トロイアの人々」(=トロイ人)というオペラが昨年のMETのプログラムに載っていて、トルコ旅行で訪れた「トロイの木馬」と関連があるのかなと関心を抱いた程度であった。
静かな森に角笛が響き渡り、狩が始まって嵐が襲ってくる様子が、ホルンを中心とした管楽器や打楽器で演奏された。ブリバエフは今シーズンの札響の客演指揮者の中で一番若い指揮者であるが、大きな身体を使っての若々しい豪快な指揮ぶりが印象的であった。札響演奏歴:今回が初演。

フランスの作曲家ショーソン(1855~99)はベルギーの大ヴァイオリニスト、イザイが1896年に初演。素人でもこの「詩曲」はヴァイオリン曲として難曲と解る作品。詩情にあふれた曲。ハープも美しい響きを奏でた。

「ツィガーヌ」とはロマ(ジプシー)を意味するタイトルで、ラヴェル(1875~1937)はハンガリーの女性ヴァイオリニストのために1924年に作曲した。10分程度の曲の半分がヴァイオリン独奏。冒頭の挑戦的で長いカデンツァはロマのヴァイオリニストの即興的な雰囲気。高度な演奏技術が必要なことが判る。さすが川久保の力量が発揮された。五嶋龍が得意とする曲でもある。
08年に川久保賜紀はチェリストの遠藤真理、ピアニストの三浦友里枝とトリオを結成。室内楽でも活躍。

ソリストのアンコール曲は「バッハ:無伴奏パルティ―タ 第3番ブーレ」。

シェクスピアの悲劇を素材にしてプロコフィエフ(1891~1953)がロシア革命が始まった翌年の1918年にアメリカに亡命した後、1932年に祖国に戻って復帰後の初の大作がバレー音楽「ロミオとジュリエット」。文学や映画などでストーリーは知っていても、音楽の第1組曲全7曲と第2組曲全7曲のうち、8曲が抜粋されて演奏され、組曲の順序も違うので曲に親しんでいないと場面が一致し難い。デュトワ指揮N響のCDを持っているが、やはり曲順が違っていてメロディが自分には定着していないこともあって曲を堪能するまでには至らなかった。唯、各曲は洗練された音楽で単調でなく変化に富んでおり面白い。指揮者も特徴の出しやすい曲かと思った。
ブリバエフは小気味の良いメリハリの効いた指揮ぶりであり、しなやかな手つきで各奏者への細かな指示を出していたように見えた。彼はオペラ指揮の経験もありそうで、俊英の指揮者としてこれからの活躍が期待できる逸材ではなかろうか。とにかく若々しくてエネルギーが与えられる指揮者である。

今日のプログラムは昨夜、日本で行われたフィギュア・スケイティングのグランプリ・ファイナル男子で羽生結弦が「ロミオとジュリエット」の曲に乗り、素晴らしい演技を見せて優勝した情景が思い浮かんでグッドタイミングであった。

*演奏会終了後、札響を応援する「札響くらぶ」のXmasパーティがテラスレストランKitaraで行われた。札響くらぶは1995年に創立された組織で会長職は札幌市長就任後も上田氏が務めている。私は数年前に加入したが、今晩は偶々席が上田会長と隣り合わせになって、しばらく音楽の話などで親しく懇談できる機会があった。他の数名の会員やヴィオラ奏者の青木さんとも交流が出来て楽しいひと時を過ごした。



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR