東京都交響楽団 札幌特別公演(2013)

東京都交響楽団は1961年東京都知事の発案で東京オリンピック(1964年)の記念文化事業として1965年2月に創設された。既存のオーケストラからメンバーを募らずに、若いプレイヤーをオーディションで採用して発足し、現在では日本を代表するオーケストラになっている。
Kitaraには東京都交響楽団創立40周年特別演奏会で2005年9月に初登場。金聖響指揮で「チャイコフスキー:交響曲第5番」、ブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」(矢部達哉、古川展生)、他。

その後、石原前都知事の2回目の東京オリンピック開催に向けての文化事業として日本各地やアジアでの幅広い演奏活動に繋がったものと推測している。

07年9月の札幌特別公演は小泉和裕指揮で「ベートーヴェン:交響曲第5番」、「ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(樫本大進)」、他。
09年1月の北海道公演はレオシュ・スワロフスキー指揮で「ドヴォルザーク:交響曲第9番」、「チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(ウート・ウーギ)、他。
09年9月の札幌特別公演は小泉和裕指揮で「ビゼー:アルルの女」、「ラヴェル:ボレロ」、「ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(竹澤恭子)」、他。
11年9月の札幌特別公演はレオシュ・スワロフスキー指揮で「ブラームス:交響曲第1番」、「メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(松田理奈)」、他。

2012年のオリンピック招致は実を結ばなかったが、ついに2020年に56年ぶりの東京オリンピック開催が実現する。結果的に1年おきに札幌での公演があったことになり、東京に8つある主要プロ・オーケストラの1つが札幌で聴ける機会が増えて喜ばしいことであった。
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上記の画像は12年11月に東京を訪れた際に都庁前に掲げられていた、「2020年オリンピック立候補都市TOKYO」の旗を映したものである。 

2013年9月15日 14時開演 東京都交響楽団 札幌特別公演
指揮/小林研一郎、 ヴァイオリン/三浦文彰

小林研一郎は1940年生まれ。74年第1回ブダペスト国際指揮者コンクール優勝。78~83年東京都響正指揮者、85~90年京都市響常任指揮者、88~07年日本フィル首席指揮者・常任指揮者・音楽監督等(一時期を除く。)などを歴任(現桂冠指揮者)。海外では88~97年ハンガリー国立響(現ハンガリー・フィルの音楽総監督・常任指揮者を務め(現桂冠指揮者)、06年からオランダのアーネム・フィルの常任指揮者。02年の「プラハの春」国際音楽祭の開幕演奏会でチェコ・フィルを指揮して話題を呼んだ。
現在、読響の特別客演指揮者、九州響の首席客演指揮者、名古屋フィル桂冠指揮者。東京芸術大学・東京音楽大学・リスト音楽院名誉教授。

小林研一郎の演奏会には出かけることが多い。30年以上も前に旭川市民文化会館で聴いたのが初めてだと思う。その演奏会で来旭の折に彼の友人の依頼に応じて高校の吹奏楽部の指導に当たったエピソードを鮮明に記憶している。ここ20年では93、98、99、00、02、05、11、12年に聴いているが、日本フィルが4回、読響が2回、ハンガリー国立響、札響が各1回であった。11年はサントリーホールで日フィルの定演を聴いた。12年8月の札響夏の特別演奏会では「コバケンの2大B~べト7&ブラ1」。札響定期会員に人気の交響曲で「炎のコバケン」と呼ばれる情熱的な指揮ぶりで聴衆を魅了した。

三浦文彰は東京生まれ。ザハール・ブロン、ジャン=ジャック・カントロフらに師事。09年、ハノーファー国際コンクールにおいて史上最年少の16歳で優勝。12年、プラハ・フィルとの日本ツアー。将来が嘱望される若手ヴァイオリニストのひとり。現在、ウィーン私立音楽大学に学ぶ。12年4月のトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウイーンの札幌公演で「モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第2番」を弾いた。控えめな選曲かと思ったが、ヴァイオリンが美しく響く二長調の曲で、第1楽章のカデンツァで見せ場を作り、小気味よい演奏で強烈な印象を残した。13年にはシュトゥットガルト響、フィラデルフィア管と共演を果し、既に欧米の主要オーケストラとの共演も予定されている。

本日のプログラム。
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 二長調
 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調

ヴァイオリン協奏曲の第1楽章はティンパニが刻む4つの音で始まるが、三浦の粋の良いカデンツァが力強いテンポで曲を引き立てる。第2楽章は安らかで美しい旋律の変奏がいくつか繰り広げられる。第3楽章は躍動感にあふれ、生き生きとした雰囲気で曲が綴られて最後を飾るに相応しい華麗なフィナーレ。三浦のヴァイオリンは粋の良さとともに艶やかさも感じさせた堂々たる演奏。曲の性格もあるが、未来の大器を思わせる若々しくて怖れを知らない新鮮な演奏が印象的であった。
聴衆の万雷の拍手とアンコールに応えて「バッハの無伴奏パルティータ第2番より サラバンド」。指揮者がステ―ジから下がらずに、オーケストラの楽団員とともに椅子を共有して聴く姿が微笑ましかった。

ブラームスは交響曲1番に10年も費やしたが、第2番・第3番はそれぞれひと夏で完成している。第4番の完成には2年を要したが、ブラームス最後の交響曲とあって、この曲には晩年の彼のロマン的古典主義を守る作曲姿勢もあって回顧的な作品で円熟味が漂っているように感じた。彼はこの交響曲完成後に亡くなるまで12年の歳月を生きているが、何となく第4番が最晩年の作品のように思ってしまう。彼の4曲の交響曲はどれも優れた作品だと思う。
マエストロ小林の指揮ぶりは常に情熱的であり、気迫に満ちている。オーケストラを鼓舞して、聴衆をも彼の音楽に引き込む魔力を持つ指揮者と言える。ステージ上での楽団員に対する礼儀正しさも際立つ、愛すべき人柄の持ち主。

アンコール曲にブラームス:ハンガリー舞曲第5番。

16日は同じプログラムで帯広公演。東京都交響楽団は音楽監督に15年4月から大野和士が就任するのは楽しみであるが、都響との実演でエリアフ・インバル指揮のマーラーの交響曲を聴く機会がなかったのが心残りである。

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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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