一番好きなピアニスト~エフゲニー・キーシン

私の一番好きなピアニストはエフゲニー・キーシンである。

IMG_0979 (200x150) ショパン:24の前奏曲、ピアノ・ソナタ第2番、英雄ポロネーズ 

エフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin)は1971年10月10日、モスクワ生まれ。2歳でピアノを弾き始め、即興演奏も行った。6歳でモスクワのグネーシン音楽学校に入学。12歳でモスクワ音楽院大ホールでキタエンコ指揮モスクワ・フィルとショパンの協奏曲2曲を演奏して世界的に注目を浴びた。西側の国では日本が最初の訪問国で86年に初来日。その後、ドイツ、アメリカなど世界各国で数々の演奏会や音楽祭に出演。演奏会チケットは常に売り切れ、聴衆や評論家からは驚異的な絶賛を受け、名実ともに世界のトップ・ピアニストとして活躍している。

01年4月には日本全国8公演を開催した。日本最初の公演地であった札幌は2000人の満員の聴衆がKitaraの会場を埋めた。
プログラムはJ.S.バッハ(ブゾーニ編曲):トッカータ、アダージョとフーガ ハ短調BWV564、 シューマン:ピアノ・ソナタ第1番、ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」。
ピアノ・リサイタルでは今迄で最高額のS席1.2000円の金額、「展覧会の絵」の曲、キーシンの魅力に酔いしれたこと等は今でもハッキリ覚えている。他の演奏曲目のことは記憶にないが、翌年にキーシン演奏のシューマンのピアノ・ソナタ第1番とムソルグスキーの展覧会の絵はCDを購入していて手元にあった。バッハの曲もムソルグスキーの曲と一緒に収録されていたのに今、気付いたところ。

この年の演奏会のプログラムはキーシンにとって世界で初のお披露目だったが、主催者のニュースを読むと終演後、キーシンは「良いホール、良いピアノ、良い聴衆で初演奏を飾れたのは嬉しい。」と語ったそうである。アンコール曲は全然覚えていなかったが、ニュースによれば「リムスキー=コルサコフ:くまんばちの飛行」、「リスト:リゴレット」、他2曲。当時のKitaraでは珍しいスタンディング・オベーションが巻き起こった。改めてニュースを読み直すと、キーシンは4月5日の19時からの演奏会に備えて3日に札幌入りして猛練習で本番に臨んだと書かれていた。彼に対しての好印象がいやがうえにも深まる。

キーシンの演奏を生で聴いたのは、この一回だけである。11年10月10日、東京での彼のバースディ・コンサートに出かける計画も考えたことがあったが実現しなかった。
今年はヴァン・クライバーン・コンクールが切っ掛けで、オンデマンド・ビデオに親しみYouTubeをイアフォンでそれなりの音質で楽しむ習慣がついた。
7月はKitaraに13回も通って忙しかったが、8月はコンサートが少なくて時間的に余裕ができてキーシンの初来日の演奏をYouTubeで聴く機会が増えた。30年ほど前の録画とあって音質がさほど良くないが、何と言っても手の動きが良く見え、CDとは違った鑑賞ができるのが楽しい。演奏の質は当然だが、姿勢も良くて凛とした雰囲気で自然と音楽に気品が滲みでている。

86年10月15日、昭和女子大学人見記念堂でのエフゲニー・キーシン・ピアノリサイタル。
オール・ショパン・プログラムで、「夜想曲 嬰ハ短調、ピアノ・ソナタ第3番、幻想曲ヘ短調、 六つのマズルカ、スケルツォ第2番」を演奏。ショパンのマズルカは沢山あって区別がつきづらいが、この日聴いた曲は親しみ易い曲ばかり。すべての曲が終ってお客さんから次々と花束を貰うと、恩師であるカントール女史にその花束を捧げた。
カントール女史は別な日の記者のインタヴューで、「キーシンは遠慮深くて内気な少年だったが、舞台では心を開いて人々に音楽を伝えることを喜びとしている。」と言っている。

87年5月3日、大阪のザ・シンフォニーホールでの演奏会。「リスト:超絶技巧練習曲第10番」では文字通りに超絶技巧を発揮して鍵盤の上を自由自在に手が駆け巡った。「ショパン:ポロネーズ第5番」では力強い迫力のある演奏を展開した。この日もお客さんからもらった花束をカントール先生に捧げた。アンコール曲に三枝成彰編曲の「うさぎ」、「埴生の宿」を暗譜で演奏したのにはビックリ!

同年5月6日、サントリーホールでゲルギエフ指揮日フィルと共演して「チャイコフスキーの協奏曲第1番」。見慣れたゲルギエフの姿とは違った、30代前半の若き日の姿も目にして新鮮な気がした。
キーシンは2年続けて来日公演を行ったが、15歳とは思えぬ堂々たる演奏ぶりで、その後も定期的に日本ツアーを行っている。
87年にはベルリン芸術祭に出演して西ヨーロッパ・デビュー。97年にはロンドンのロイヤル・アルバートホールで、プロムスの103年にわたる歴史上初めてのソロ・リサイタルを行なった。
90年にはカーネギーホール創立100周年の記念演奏会シリーズでリサイタルとメータ指揮ニューヨーク・フィルとショパンの2つの協奏曲を演奏し、前例のないアメリカ・デビューを飾った。

自分は何かに集中すると徹底する性質なので、この機会に所有するキーシンのCDを全部聴いてみようとCD目録を確めてみた。7・8枚かと思っていたら20枚ほどもあって自分でも驚いている。ショパンが7枚と一番多いが、ラフマニノフ、シューマン、リスト、チャイコフスキーが各2枚、ベートーヴェン、ムソルグスキー、シューベルト、ショスタコーヴィチ各1枚。84年に初めてキーシンの名を知らしめた伝説的なモスクワでのショパンの協奏曲の演奏を収めた再発盤などもあるので、再度耳にするのも興味深い。88年9月、サントリーホールでのライブ録音もあった。9月もコンサートは4回だけの予定なので10月中旬ごろまでには一通り聴いてみるつもり。他愛のない計画ではある。

  IMG_0984 (150x113)
  画像のCDは小澤征爾指揮ボストン交響楽団との共演による「ラフマニノフの協奏曲第3番」。
  93年度のレコード・アカデミー賞を受賞。

 



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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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