古典芸能 ~ 文楽セミナー

 日本の伝統古典芸能である文楽、歌舞伎、能・狂言などを鑑賞する機会はそれほど多くないが、年に一・二度はどれかを鑑賞している。近年では2011年7月に「バイリンガル狂言」、9月に「狂言師、野村万作の世界」で狂言の面白さを味わった。12年7月には歌舞伎「義経千本桜」を鑑賞した。

 今日は今まで何回か鑑賞しているとはいえ「文楽」を初歩から学び直す気持ちで、≪文楽セミナー≫に参加した。毎年のように鑑賞していないと、何となく漠然と観ていることになりかねない。
 
 ここ札幌では伝統古典芸能の上演会場は札幌市教育文化会館であることが多い。このホールには能舞台や歌舞伎の花道などの本格的な舞台機能が備えられている。09年10月、人形浄瑠璃文楽「三十三間堂棟由来」と「本朝廿四考」が上演された。4年も経つと、演目だけでは当時の舞台が思い浮かんでこない。昨年の歌舞伎では尾上菊五郎・松緑・菊之助などの役者の演技と共に、荒事や所作などをはじめ、狐言葉や早替りなどの舞台での趣向も眼前に浮かんでくるのだが、、、。

 文楽セミナー ~分かればきっと面白い文楽の世界

第1部 「文楽のおはなし」講師 河内厚郎(兵庫県立芸術文化センター特別参与)
 「文楽」の語源は17世紀に演芸小屋を建てて興行した植村文楽軒という人の名に由来。
 男性によって演じられ、太夫・三味線・人形遣いの三業で成り立つ演芸。1734年から一つの人形を3人で操るのが普通になったが、これは近松門左衛門の活躍に符合するという。1740~60年代に文楽は歌舞伎と共に庶民の人気のある娯楽となった。
 作品は時代物と世話物の二種類に大きく分類されるが、歌舞伎に翻案されていて、同名の出し物が多い。
 北海道の開拓史に大きな足跡を残した高田屋嘉兵衛はロシア船に連行されカムチャッカへ渡った折、浄瑠璃本の「曽根崎心中」を携えていたという。大阪の人形浄瑠璃の台本が北国でも流布していたのは、浄瑠璃言葉が江戸時代の共通語だったという話は特に興味深かった。
 20分の講演時間がアッという間と思えるぐらいに過ぎ、ユーモアを交えた面白い話だった。

第2部 人形浄瑠璃文楽座による三業の解説と体験ワークショップ
 出演 〈太夫〉竹本相子大夫、 〈三味線〉竹澤團吾、 〈人形〉吉田和生 
3名による詳しい演技内容の説明と超満員の観客を巻き込んでの義太夫体験、数名の客がステージに上がっての三味線、人形遣いの体験は少々時間を要したが、当人たちにとっては得難い体験。

第3部 「伊達娘恋緋鹿子」より ≪火の見櫓の段≫
 出演 〈太夫〉竹本相子大夫、 〈三味線〉竹澤團吾
    〈人形〉吉田和生、吉田玉佳、吉田玉翔、吉田和馬
 10分程度の出し物であったが、舞台装置も見ごたえがあり、火の見櫓に登る場面は難しい演技に迫力があって、流石プロ。

 文楽は歌舞伎や能・狂言のように世襲制は成立しない伝統芸能。歌舞伎のような華やかさは無いが、奥深いものがある。日本の伝統芸能として一般国民がもっと親しめる実演の機会が増えることを期待したい。 
 


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR