札幌西区オーケストラ 第27回定期演奏会

第1306回札幌市民劇場
 
 札幌西区オーケストラ 第27回定期演奏会

 札幌市には10の区がある。1986年に西区で6名の音楽愛好家から出来上がった音楽集団が現在では100名近くになって、年に一度の定期演奏会と秋にはファミリーコンサートを開催しているとのことである。メンバーの演奏レヴェルや音楽経験などは全く問わず、純粋に趣味の音楽を追求するスタイルを特徴としているというオーケストラ。
 札幌には高校レヴェルで札幌西高校にオーケストラの部活動があり、大学では北海道大学交響楽団が長い歴史を誇り、西高校OBオーケストラもある。西区オーケストラは他のアマチュア・オーケストラよりも地域に根差して活動していると言える。無料の定期演奏会には多くの人々が会場を埋める。

 札幌西区オーケストラの演奏会は私自身にとって09、10年に続いて3回目になる。オーケストラ代表は「素人の、素人による、素人のための演奏会」と謙遜して挨拶していたが、私のような素人が聴くと結構なレヴェルの演奏を展開する。
 09年はシベリウスの≪「カレリア」組曲≫、ラフマニノフの≪交響曲第2番≫を演奏。
 10年はドヴォルジャークの≪交響曲第7番≫、≪交響曲第9番≫を演奏。
私の印象では2曲とも満足という出来ではなかったが、1曲はアマチュアのレヴェルとして、しかも無料のコンサートとして感心したのである。
私が聴きに出かける切っ掛けになったのは、「ラフマニノフの2番」や「ドヴォルジャークの7番」に取り組む姿勢である。今迄にも「チャイコフスキーの5番」や「マーラーの5番」などの難曲にも取り組んでいる。楽しんで音楽に取り組む姿勢は素晴らしい。
 
 2013年は「第九」が演奏曲目になっていたので予定に入れていた。
今回はソリスト4名と合唱団の協力が必要なコンサート。
増田亮子(ソプラノ)、綿貫美香(メゾ・ソプラノ)、荏原孝弥(テノール)、下司貴大(バリトン)とアカデミー合唱団(約100名)。
指揮は鎌倉亮太(札幌西区オーケストラ常任指揮者、札幌アカデミー合唱団常任副指揮者)
 
 1曲目はワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲。 
10分ほどの曲であるが、70名の弦楽器奏者が完璧に揃って音を出すのは限られた練習時間では困難だったようである。中間部で音が乱れたようだった。
 
 本日のメインはベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」
日本では毎年12月に演奏され「第九」で知られる名曲だが、違う時期に聴いて新鮮な気分を味わいたいと思っていた曲。
新鮮に感じたのは女性奏者によるティンパニーの活躍が目立つ第2楽章。彼女はとても気持ち良さそうに演奏していて、見ている方も楽しかった。

第4楽章のバリトンの歌声が素晴らしかった。約100名のオーケストラの大音響に負けはしないかと心配したが、ホールに響き渡った。バリトンの下司は10年のPMFの歌劇上演でファビオ・ルイージに見い出されて「ラ・ボエーム」に主役で出演、12年のオペラ・プロジェクトでも高関指揮札響と「コジ・ファン・トゥッテ」で共演した。大学院を卒業して現在フリーランスとして活躍し始めたが、順調に伸びてほしい北海道出身のオペラ歌手。たまたま縁があって個人的に応援している。
  
指揮者の鎌倉亮太はKitaraのボランティア活動の折にピアニストとして来館者に07年当時ピアノ演奏を披露していた。プロフィールによると現在は室内楽奏者、合唱指揮者、オペラ指揮者として幅広い分野で活動している。今日の演奏でも堂々たる指揮ぶりで、経歴通りにオーケストラと合唱団を同時に掌握した見事な指揮は若さに似合わない豊富な経験を思わせる印象を受けた。北海道の音楽指導者として有望な人材としての印象を深めた。今後の活動に期待したい。

 今日の演奏会に、1階と2階のRB・LBが満席でRA・LAもかなりの客、3階のRC・LCに空きがある程度で1600人ぐらいの聴衆が集まったのではないか。無料のコンサートとは言え、これだけの客を集めるのは西区オーケストラの魅力か。合唱団の出演と「第九」の魅力もあったのかも。いずれにしても、このオーケストラの活躍はまだまだ続く。

      
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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