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レイト・ナイトで樫本大進(Vn)とサイモン・ラトル(Pf)が共演

ベルリン・フィルは11月は海外公演が多くて本拠地のコンサートが少なかったが、12月のデジタル・コンサートは7回もあった。今月中旬から4つのコンサートをアーカイヴで聴き始めた。一番注目したのが“Late Night”の特別公演(*10P.M.開演のコンサート)。

[出演者]サイモン・ラトル(ピアノ)、樫本大進(ヴァイオリン)、ルートヴィッヒ・クヴァント(チェロ)、ヴェンツェル・フックス(クラリネット)。
[曲目]ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
    メシアン:世の終わりのための四重奏曲

2曲の演奏でラトルがピアノを担当するのに驚くと同時に、興味が深まった。年度のプログラムに載っていて、Daishin出演の室内楽を楽しもうという思いで、ピアノ奏者には目が行っていなかった。他の室内楽奏者は顔なじみであった。いざ、コンサートが始まって意外に思ってしまった。でも、ラトルのピアノ演奏に興味津々! 
来年はドビュッシーの没100年にあたるが、彼の死の前年に完成して、ドビュッシー自身の初演によってパリで発表された最後の作品。僅か15分弱の作品だが、ドビュッシーらしい美しい調べの曲であった。樫本の演奏は堂々たるもので、ラトルもベルリン・フィルのシェフとして最後のシーズンを迎えての意欲的な取り組みに心を打たれた。

オリヴィエ・メシアン(1908-92) はフランスを代表する20世紀最大の作曲家のひとり。パリ国立高等音楽院で教えを受けた日本人も数多い。「トゥランガリア交響曲」を演奏会で聴いたことがあるが、現代曲として非常に面白く興味深い作品であった。ピアノ曲も長大な作品があるが親しんではいない。「世の終わりのための四重奏曲」も1時間近くかかる作品で、ミシェル・ベロフがピアノを担当するCDで一度聴いたことがあるだけで作品については詳しくは知らなかった。
フランス語のタイトルが“Quatour pour la fin du temps”(時の終わりのための四重奏曲)。日本語の意訳では「時が世」になっている。8楽章構成で、全てが4重奏にはなってはいない。
①水晶の典礼 ②時の終わりを告げる天使のためのヴォカリース ③鳥たちの深淵 ④間奏曲 ⑤イエスの永遠性への賛美 ⑥7つのラッパのための熱狂の踊り ⑦時の終わりを告げる天使のための虹の繚乱 ⑧イエスの不滅性への賛美。

③はクラリネット独奏、⑤はチェロ独奏が主でピアノも入る、⑥は4重奏で全曲中で最も特徴のある曲、⑧はヴァイオリンの長大な独奏で曲が終結。第5楽章と第8楽章が対比的な感じがした。
ピアノが合奏の中心的な役割をになっているようで、その弾き方も打楽器的な演奏の仕方に思えた。全く初めて聴く感がして観ている面白さも伝わった。
ベルリン・フィル第1コンサートマスターを務めるDaishin Kashimoto、ソロチェロ奏者Lutwig Quandt, ソロ・クラリネット奏者Wenzel Fuchsとこの上ない一流演奏家とともに、Sir Simon Rattleの稀有なピアノ演奏で難しそうな曲を楽しく聴けて良かった。

実は上記の演奏会の前にベルリンフィル・ジャパンからのメールで4年前に開催された《ベルリン・バロック・ゾリステンのクリスマスコンサート(ソリスト:樫本大進)》の案内があった。曲目は「ヴィヴァルディ:四季」。樫本が2010年12月にベルリン・フィル第1コンサートマスターに就任してから、丁度3年が経過した2013年12月12日の公演であった。今や貫禄十分で、ひときわ秀でたソロを披露する様子は、普段オーケストラの一員としてベルリン・フィルを率いているコンマスとは違った華やかさを観れて素晴らしかった。

ベルリン・フィルでの活躍のほかに、樫本は2007年から音楽監督として赤穂・姫路で国際音楽祭「ル・ポン」を主宰している。優れた世界的奏者を招いて室内楽を開いて低料金で地元の住民に音楽の楽しさを伝えている。末永く続けていってほしいと願う。
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2017年 私のコンサート・トップ10

2017年1月~12月までの1年間でコンサート鑑賞は86回であった。Kitaraのコンサートは75回。他のホールは6ヶ所で計11回。昨年は年間92回、Kitara80回だったので、それほどの大きな変化は無かった。昨年は12のベスト・コンサートを選んでみたが、今年は10に無理に戻した。札響の定期コンサートは指揮者・オーケストラ・聴衆が一体となって繰り広げられた定期演奏会が毎回のように続いて絞るのが困難だった。毎年聴いているPMFのコンサートやソリストたちのコンサートは素晴らしくても、特に強烈な印象を受けたものでなければ選ばなかった。年間コンサートの中から心に強く残ったものを選んでみた。

Ten Best Concerts in the year of 2017
 
★チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル(1月9日)
   ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
   シューベルト:ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D.958
   ショパン:24の前奏曲 Op.28
★第601回札幌交響楽団定期演奏会(7月8日)
     指揮/秋山 和慶   ヴァイオリン/神尾 真由子
   チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
   ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
★反田恭平ピアノ・リサイタル(8月3日)
   武満 徹:遮られない休息
   シューベルト:4つの即興曲 D.899/op.90
   ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
   リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
★アンドレア・バッティストーニ指揮札幌交響楽団(9月15日)
   ブッチーニ:歌劇より 4つの有名なアリア(ソプラノ・木下美穂子)
   ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲、「運命の力」序曲
   レスピーギ:交響詩「ローマの松」
★ウィーン室内管弦楽団 コンチェルトの競演(10月1日)
     指揮・ピアノ/ シュテファン・ヴラダー
   モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調「ジュノム」K.271
      フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313(285c)(フルート/高橋聖純)
      ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 「トルコ風」K.219(ヴァイオリン/ヴァルガ)
★第604回札幌交響楽団定期演奏会(10月28日)
     指揮/ラドミル・エリシュカ
   スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
   ドヴォルジャーク:チェコ組曲 ニ長調 op.39 B.93
   リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 op.35
★エディタ・グルベローヴァ オペラ名曲を歌う(11月2日)
     指揮/ペーター・ヴァレントヴィッチ   管弦楽/札幌交響楽団
   モーツァルト:《後宮からの誘拐》より コンスタンツェのアリア
            《ドン・ジョバンニ》より ドンナ・アンナのアリア
            《イドメネオ》より エレットラのアリア
   ベッリーニ:《夢遊病の女》より アミーナのアリア
   ドニゼッティ:《アンナ・ボレーナ》より アンナのアリア
           《ロベルト・デヴリュー》より 最後のシーン         
 ※6曲歌唱の他に歌劇の序曲5曲を札響が演奏。
★ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(11月7日)
   メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
                (ヴァイオリン独奏/レオニダス・カヴァコス)
   ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB.107(ノヴァーク版)
★ロシア国立交響楽団《シンフォニック・カペレ》(11月10日)
     指揮/ヴァレリー・ポリャンスキー
   チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
             交響曲 第5番 ホ短調 作品64
            交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」 
★カティア・ブニアティシヴィリ ピアノリサイタル(11月18日)
   ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調「熱情」 作品57
   リスト:「ドン・ジョヴァンニ」の回想
   チャイコフスキー(プレトニョフ編曲):組曲「くるみ割り人形」
   ショパン:バラード・第4番 ヘ短調 作品52
   リスト:スペイン狂詩曲
   リスト(ホロヴィッツ編曲):ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調

※今年はKitara開館20周年を迎えて海外のオーケストラ・音楽家たちの演奏会が例年より充実していたように思った。記念イヤーということで毎年恒例のコンサートに彩りが添えられてマンネリ感が薄れる恒例のイヴェントも目立った。「Kitaraのバースデイ」も良かったし、記念年で開催された2月のハンガリー特集ともいえる「オルガンウインターコンサート」と「リスト音楽院教授陣によるガラコンサート」は地味なプログラムだがKitara独自の特徴を発揮できていて非常に良かった。
ベストテンには入らなかったが、ボジャノフのピアノリサイタルも服部百音のヴァイオリンリサイタルも満足度の高いコンサートであった。
今年初めて聴いたアマチュアのコンサートも結構なレヴェルで、時間さえあれば傾聴に値する音楽家が沢山いることも嬉しいことである。今後も音楽を聴き続けて余生を楽しみたい。
  
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阪田知樹クリスマス・ピアノリサイタル

Kitaraのコンサート会場でチラシを渡された時に阪田知樹のリサイタルの開催を知った。彼の名は2013年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(*2009年の優勝者が辻井伸行)で初めて聞いた。オンデマンド・ビデオで予選・ファイナルの模様を何日間か視聴して夢中になった。現在では当たり前になっているが、テキサスのフォートワース開催のコンクールでの演奏を家に居ながら堪能した。阪田はファイナリスト6人に入って19歳で最年少入賞という好成績を残した。
その後、阪田は[ふきのとうホール・ニューイヤーコンサート2016]に来札して、カルテット・アルパとの共演で「モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番」を演奏したようである。その時のコンサートがLive Recordingされていて、半年前に、ふきのとうホールからの特典で偶々、手に入った。
今回の会場が隣町の北広島市だった。2年前にKitaraが休館している時に隣町の江別市の会場に出かけたことが一度あったが、地下鉄と列車を利用して会場に足を運んだのは2度目である。

2017年12月24日(日) 14:00開演  北広島市芸術文化ホール(花ホール)
〈Program〉
 J.S.バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110
 ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31
 リスト:クリスマス・ツリー S.186/R.71 より
 ラフマニノフ:晩祷 Op.37 より 第5曲「主宰や今爾の言にしたがい」
         ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36 (1931年版)

ベートーヴェン、ショパンとラフマニノフのソナタの3曲は比較的に聴き慣れた曲。残りは珍しい曲で、クリスマスに因んだ選曲と思われ、プログラミングに魅力を感じた。

バッハのイギリス組曲やフランス組曲の一部はグールドのCDを持っているが聴くことは偶にしかない。演奏会の曲目として取り上げられないと耳にする機会も少なくなる。フランス組曲第5番とイギリス組曲第6番はアンデルシェフスキを聴きに東京に出かけた6年前に聴いた記憶があった。演奏会当日に曲目変更があって第1曲がフランス組曲第5番になった。聴き慣れたメロディではないが、何となくバッハ独特の特徴が感じ取れていた。今回のコンサートも第1曲が偶然に同じでポーランド出身の世界的ピアニストのことを思い出した。曲の構成はアルマンド、クーラント、サラバンドなどが入っていると思った。

ベートーヴェンの後期のピアノ曲は聴くたびに曲の良さが味わえている。人生の高みに達した作曲家の境地が伝わってくるような曲として聴けた。天国に届くような響きであった。

後半はショパンの最もポピュラーなスケルツォで始まり、クリスマス・イブを直前にした午後のひと時のためにピアニストが選んだリストの珍しい曲を3曲弾いた。クリスマス・ツリー全12曲の中からクリスマス・プレゼント、クリスマス・キャロルなどを綴った。
また、ラフマニノフの曲はロシア正教のミサ曲と演奏後に説明があった。クリスマスの時期に歌われるが、当時は1月6日、7日のあたりだったという。
間を置かずにラフマニノフの「ソナタ第2番」の演奏が始まって、少々戸惑った。久しぶりで耳にする「第2番」だったので、アレッと思っているうちに曲が進んだ。ラフマニノフはピアノ・ソナタを2曲書いているが、第1番は聴いたことがない。余りにも長大な曲で演奏機会が殆ど無いようである。
「第2番」はスラヴ的で抒情味にも溢れ、スケールの大きなピアノ曲。ラフマニノフらしいピアノの活躍ぶりが素晴らしくて、フィナーレも見事で印象的だった。2曲続けての演奏になったのは、ピアニストがラフマニノフの世界に入ってしまって、流れを崩したくなかったと思われた。

阪田知樹は現在、ドイツ・ハノーファー音楽演劇メディア大学修士課程に在籍し、国内外で数多くの指揮者、オーケストラと共演を重ねるほかに、室内楽奏者としても活躍している。昨年のリスト国際ピアノコンクール優勝者。

Kitaraが招聘してほしい音楽家が数多くいるが、いくつかの町が協力して主催する公演が増えると良いと思った。聴衆の拍手喝采に応えて、演奏終了後にプログラムの説明があり、アンコール曲に「シューマン=リスト:献呈」が演奏された。帰りのホワイエでは数多くの人々がCDを購入してサイン会に並んでいた。私自身は最近はCDは買うと切りがないので購入しないように努めている。

北広島市芸術文化ホール運営委員会が今回のコンサートを企画して主催した公演に7割程度の聴衆が集まった。約600席のシューボックス型ホールで2階にバルコニー席がある。広いステージを持ち、ホワイエも十分な広さがあり、クロークも用意されていた。駅を降りて1分程度の便利な場所にあって、快速エアポートを利用すると札幌駅から16分で着く。旭川と稚内の間にある美深という町にも立派なホールがあると聞いている。文化施設を住民が運営して努力している姿も目にできて良かった。






 
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Kitaraのクリスマス2017(高関&清水)

札響正指揮者を長年務めた高関健のKitara登場は2月の名曲シリーズ以来である。現在は東京シテイ・フィル常任指揮者として同フィルのレヴェルを一段と高めている様子であり、今年4月にはサンクトぺテルブルク・フィル定期に2回目の登場を果して大絶賛を博したことは喜ばしい限りである。また、京都市響常任客演指揮者も兼任しながら、藝大フィルハーモニア管首席指揮者を務めて後進の指導に当たっている活躍ぶりは実に頼もしい。
清水和音は昨年7月札響定期に客演して尾高忠明指揮の下で「尾高惇忠:ピアノ協奏曲」を弾いた。清水の札響出演で強烈な印象を残したコンサートは彼のデビュー30周年記念として開催された2011年《札響夏の特別演奏会》のプログラム、〈オール・ラフマニノフ・コンチェルト〉は驚異的な演奏で忘れ難いコンサートとなっている。《Kitaraのクリスマス》には5年ぶりの再登場。前回は「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番」を演奏した。指揮の広上とのトークで“同じ曲でもリハーサルと本番では同じ演奏にはならない”と互いに語ったことが印象に残っている。

[札幌コンサートホール開館20周年] Kitaraのクリスマス

2017年12月23日(土・祝) 15:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
指揮/高関 健   ピアノ/清水 和音  管弦楽/札幌交響楽団
【プログラム】
 グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ長調 作品23(ピアノ/清水和音)
 バーンスタイン:「キャンディード」序曲、 
           「ウエスト・サイド物語」より “シンフォニック・ダンス”
 アンダーソン:そりすべり、 クリスマス・フェスティバル

グリンカはロシア国民音楽の祖。「五人組」やチャイコフスキーに大きな影響を与えた。オペラのタイトルは有名であるが、観たことはない。「序曲」は聴く機会が多くて、その明るい活気に満ちあふれた音楽は人々に親しまれている。

チャイコフスキーは3曲のピアノ協奏曲を書いているが、「第1番」は数多あるピアノ協奏曲の中でも最も人気の高い曲のベスト3に入る曲。2010年に札響ファンが選んだリクエスト曲で第1位となり、清水和音が札響と演奏した曲である。
清水が20歳の時にロン・ティボー国際コンクールピアノ部門で優勝した記事が新聞に載った1981年から36年も経った。彼がKitaraのステージに初めて立った2001年以来、彼の演奏を聴いたのは今回で7回目だった。14年からリサイタル・シリーズを年2回5年計画で開催し、昨年からは年6回の室内楽シリーズも始めている。現在、油の乗り切った時期を迎えているようである。

「第1番」は何度聴いてもロマンティックで美しい旋律は聴く者の心を虜にする。ピアノのカデンツァも素晴らしいが、木管楽器の奏でる牧歌的旋律も美しく、ウクライナ民謡も取り入れられて、全楽章が魅力的で聴いていて冗漫になるところがない。オーケストラとピアノの対話も生き生きとしている。チャイコフスキーのメロディ・メーカーとしての魅力満載の曲である。清水和音のヴィルトゥオーゾとしてのピアニズムが伝わってくる演奏を楽しんだ。
ソリストのアンコール曲は「ショパン:ノクターン第5番 作品15-2」。

後半プログラムの最初の2曲は来年バーンスタイン生誕100年を迎える前祝いの選曲だろう。高関は1982年にタングルウッド音楽祭でバーンスタインの指導を受けた。その音楽祭でバーンスタインが演奏した曲の中から2曲を選んだという。バーンスタインの曲はPMFで演奏される機会が多くある。今年のPMFでも「シンフォニック・ダンス」を聴いた。

「キャンディード」はヴォルテールの小説に基づくコミック・オペレッタだが、詳しいストーリーは知らない。楽天主義のキャンディードが恋人を追い求めて大冒険をする物語だという。「序曲」は何度も耳にしている曲で、楽天的で行動派の若者のイメージが湧いてくる楽しい音楽。

悲劇的なミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」は「ロミオとジュリエット」をニューヨークに舞台を変えて書かれた。バーンスタインが育った地区のイースト・サイド・ストーリーとして20歳の頃に書かれたが、映画化される時代にはイーストサイド地区が、国連ビルが建つ再開発地域になっていて、当時の面影を残すウエスト・サイド・ストーリーにタイトルを変えたという伝記を読んだ記憶がある。いずれにしても、アカデミー賞を受賞した映画が世界的に話題となり、音楽も有名になった。
北米と南米のダンスリズムの対比でバーンスタイン節と呼ばれる独特の作曲技法で書かれたが、原曲の管弦楽編曲を担当した彼の友人2人が管弦楽用の組曲を作った。原曲は9曲の舞踊組曲で、カットされて数曲だけが演奏されることもある。
今回の「シンフォニック・ダンス」は9曲。①プロローグ ②どこかに ③スケルツォ ④マンボ ⑤チャチャ ⑥出会いの場面 ⑦クール~フーガ ⑧決闘 ⑨フィナーレ。第4曲「マンボ」で指揮者の合図で聴衆が“マンボ”と掛け声を出す場面が2度あり、面白かった。
高関が実際にバーンスタインがボストン響を指揮するコンサートを聴いているのは財産だと思った。聴く方の心構えも何となく違うような雰囲気があった。札響メンバーにも何らかの前向きな反応があったのではないだろうか。

2008年にPMFオーケストラ演奏会[バーンスタイン生誕90年ガラ・コンサート]が開催され、当日のプログラムは「オール・バーンスタイン・プログラム」だった。3名の指揮者が出演して、マエストロ尾高が「シンフォニック・ダンス」全曲を指揮し、ルイス・ビアヴァが「キャンディード」序曲を指揮した。10年前の様子を懐かしく思い出した。「不安の時代」のピアノ演奏中に携帯音が鳴って、その音を小曽根が直ぐ即興で曲に取り入れた出来事があったことも併せて思い出した。

大ホールを飾りつけした職員の苦労が生きるクリスマスの音楽は照明の効果もあって楽しい雰囲気で展開された。内容は例年と殆ど同じ。最後はオーケストラの演奏に続いて、聴衆の斉唱で「きよしこの夜」。9割程度の客の入りで、家族で楽しんでいる姿も見られた。今年のKitaraでのコンサート鑑賞は今日が最終回。明るい気分でKitaraの会場を後にできたのは何よりだった。
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札響の第9(2017) 広上淳一

「第九」は年末に聴いて、年度の締めにしたいという気持ちを未だに拭えない。以前は札響でも文字通り年末に「第9」を演奏していた。いろいろ事情があって、近年は12月でも10日と20日の間である。上旬では気分が乗らなくて鑑賞しない年もあった。今年はどうしようかと思っていたが、ソリストの中村恵里と甲斐栄次郎に魅力を感じてチケットを購入した。

2017年12月16日(土) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

指揮/広上 淳一
独唱/ 中村 恵理(ソプラノ)、中島 郁子(メゾソプラノ)
    吉田 博之(テノール)、甲斐 栄次郎(バリトン)
合唱/札響合唱団、札幌放送合唱団、札幌大谷大学合唱団
合唱指揮/長内 勲
管弦楽/ 札幌交響楽団

〈Program〉
 モーツァルト:交響曲第9番 ハ長調 K.73
 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」

めったに演奏される機会のないモーツァルトの「第9番」はCDで予め聴いてみたが、メロディは印象に残らない。13歳の頃に書かれた、アレグロ、アンダンテ、メヌエット、アレグロから成る4楽章構成。
10分強の演奏の後で直ぐ、休憩。無理して小品を加える必要はないという感じがしている。指揮者はそれなりに工夫して、アイデアを出しているようである。今回はある意味で、面白い選曲であるが、「第九」だけで十分という思いは消えない。

「第九」については改めて書くまでもない。芸術のすべてが盛り込まれたような曲はベートーヴェンの集大成となり、彼は交響曲に合唱が組み込まれる先駆者となった。第1楽章から第3楽章までも素晴らしいが、圧巻は何と言っても第4楽章。

中村恵理は16年にKitaraでリサイタル、甲斐栄次郎は15年の〈札響の第9〉に出演して彼らの歌声を聴くのは2回目だった。甲斐はウィーン国立歌劇場の専属ソリスト歌手を10年間、中村はバイエルン国立歌劇場の専属ソリスト歌手を6年間務めて、それぞれ本拠地を日本に移した。中島、吉田の名は耳にしたように思うが、オーケストラのソリストとして来演したことがあるかどうかの記憶は定かでない。日本の第一線で活躍するソロ歌手が出演し、合唱も札響合唱団およそ90名に加えて、約50名の応援を得て、140名ほどの編成。独唱と合唱が相まって、ベートーヴェン独特の迫力ある音楽がホール全体に広がった。

広上の個性的な指揮ぶりも9割以上の聴衆を集めた会場を拍手の渦に巻き込んだ。たぶん、明日も大観衆がKitara大ホールの客席を埋めるだろう。「第九」は日本人に最も好まれる交響曲として輝き続ける。


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北海道教育大学岩見沢校音楽文化専攻 定期演奏会

北海道教育大学札幌分校に特設音楽課程が設置されていたが、改組して芸術課程が岩見沢校に集約されてから何十年にもなる。現在、道内で本格的に音楽を学べる国立大学は岩見沢校だけである。大学も改組を重ねて「芸術・スポーツ文化学科音楽文化専攻」の学生が今回の定期演奏会を開催した。以前から道教育大岩見沢校の定期演奏会はKitaraで開催されていたが、演奏会に出かけたのは昨日が初めてであった。

2017年12月13日(水) 18:30開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
〈Program〉
 西村 朗:秘儀Ⅳ〈行進〉(吹奏楽) (指揮/渡部謙一)
 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16より 第2・3楽章(ピアノ/井内沙織)
 ヴォーン・ウイリアムズ:テューバ協奏曲より 第1楽章(テューバ/鈴木瞬弥)
 高田三郎:水のいのち(合唱)  (指揮:阿部博光)
 チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ短調 作品48より 第1・4楽章
 尾高尚忠:フルート協奏曲 作品30bより 第1楽章(フルート/佐川彩名)
 レスピーギ:交響詩「ローマの祭り」

芸術・スポーツ文化学科音楽文化専攻の学生出演者180名、賛助出演者11名、教員4名。

以前にN響アワーの司会者を務めた作曲家による「秘儀Ⅲ」は2015年吹奏楽コンクールの課題曲だったそうで、「秘儀Ⅳ」は70名以上の編成。木管・金管楽器の多さに度肝を抜かれた感じがした。久しぶりに聴く吹奏楽の迫力を味わった。

吹奏楽、合唱、弦楽アンサンブル、ソロ、オーケストラと演目が多種にわたった。ソロはオーディションで選ばれた3名のステージ。全楽章を演奏できないのは時間配分の関係で止むを得ない事情と判断した。ピアノ曲は余りにも有名で聴く機会が多いが、立派な演奏だった。テューバの曲は5年前の札響名曲シリーズで札響テューバ奏者の玉木亮一が吹いた曲だが、テューバ独特の音色を興味深く聴いた。マエストロ尾高の父が書いた名曲は4年前の札響夏の特別演奏会で札響フルート首席の高橋聖純が演奏した。それ以来の2度目になるが、最後まで聴いて見たいと思うくらいの素晴らしい演奏で会場からも歓声が上がった。

ヴァイオリン、チェロに大学の先生も入り、ヴィオラには札響首席の廣狩亮の姿もあった。弦楽器の各パートの指導も兼ねていたのかもしれない。札幌音楽家協議会のメンバーも賛助出演していたが、弦楽アンサンブルは見事な演奏ぶりで、一段とレヴェルの上がった曲として楽しめた。

曲目ごとにステージの椅子の配置換えで、十数名の学生がきびきびと要領よく良く動き回って、準備する様子には感心させられた。将来、プロの仕事に就く場合にも役立つことであると思うが、裏方役を見事に果たしていた。

最初の3曲とオーケストラが伴奏する合唱を含めて4つのプログラムの指揮は担当が分かれた。2人とも大学の教員で、阿部博光は小編成のオーケストラで指揮をする場面を何度か観ているが、大編成のオーケストラの指揮はやはり一段と体の使い方が違って大きな指揮ぶりになっていた。

レスピーギはロシアでR.コルサコフから個人レッスンと受けた影響もあってか、オーケストレーションが凄く巧みで豪快な曲を書いた。《ローマ三部作》が最も有名であるが、三部作の中で「ローマの松」の演奏機会が多い。打楽器奏者が10名など多数の管楽器奏者も必要となり、普通の演奏会では「ローマの祭り」が演奏される機会は限られる。そういう意味でも、今回の曲目は多くの学生が出演可能でコンサートの最後を飾るに相応しい曲であった。

やはり音楽専攻の大学生のコンサートは演奏レヴェルが高い。来年も都合をつけて聴いてみようと思う演奏会であった。
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クラリネットの室内楽 1st ~白子正樹と札響の仲間たち~

クラリネット主体の演奏会を聴いたことは殆どない。ウィ-ン・フィル首席奏者のペーター・シュミードルがPMFで1991年から長年に亘って貢献してくれたお陰でモーツァルトのクラリネット協奏曲は親しめる曲になっている。サビーネ・マイヤー、カール・ライスターのCDでクラリネット五重奏曲はモーツァルトのほかにも、ブラームス、ウエーバー、レ―ガ―の五重奏曲は偶に聴くことはある。
15年前のクリスマスシーズンにストルツマンがKitaraのステージに家族(ヴァイオリニストの奥さんとピアニストの息子)と共に映画音楽を中心としたホワイトクリスマスの楽しいプログラムで来演したことも思い出した。特別な時期で楽しい音楽ではあったが、クラシック音楽の方が自分には合う。そういう点で、札響メンバーを交えた今回のクラリネット・プログラムに興味を抱いた。若手の名高いピアニストが東京から来札することにも期待した。

2017年12月12日(火) 19:00開演  ふきのとうホール
〈出演〉
 白子正樹(Masaki Shirako)(cl)、岡部亜希子(Akiko Okabe)(vn)、鈴木勇人(Hayato Suzuki)(va)、
 小野木遼(Ryo Onoki)(vc) 以上札響メンバー、 入江一雄(Kazuo Irie)(p)
〈Program〉
 クルーセル:クラリネット四重奏曲 第2番 ハ短調 op.4
 ブルッフ:クラリネットとヴィオラ、ピアノのための8つの小品 op83 より
 ミヨー:クラリネットとヴァイオリン、ピアノのための組曲 op.157b
 ブラームス:クラリネットとチェロ、ピアノのための3重奏曲 イ短調 op.114
 
クルーセル(1775-1838)の名は知らなかったが、クラリネット奏者として名をはせ、“シベリウス以前の傑出したフィンランドの作曲家”と評されるほどの作曲家。楽器編成はクラリネットとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ。弦楽四重奏曲に聴き慣れている室内楽曲が、クラリネットを中心として非常に新鮮な音楽として聴けた。当時、普及し始めたクラリネットの響きを生かした曲に思えた。

ブルッフ(1838-1920)は「ヴァイオリン協奏曲」と「スコットランド幻想曲」が有名な作品で、特にヴァイオリン協奏曲は最近コンサートで聴く機会が多い。この2曲以外の作品は殆ど知らないので興味深く聴けた。「8つの小品」はクラリネット奏者だった息子のために書かれたらしい。今回は第1~4曲が演奏された。ブルッフのヴァイオリン曲は美しい旋律が印象的である。この曲ではヴィオラの中音域が内省的な曲を際立たせていたように感じた。最近、ヴィオラの楽器が紡ぐ味わい深い音に魅せられている。特に第1~3楽章の最初にヴィオラが奏でる音は心に響いた。鈴木がソロを担当するのを初めて聴いたが、札響に次々と優れた奏者が入団しているのは嬉しい。第4楽章はピアノの速い打鍵が目立つ力強い三重奏でフィナーレ。
クラリネットのA管とB管の2本が使われた。

ミヨー(1892-1974)はフランス6人組のひとり。プーランクほどではないが、コンサートで偶に取り上げられる。あらゆるジャンルで作曲を書いたそうだが、いろんな要素が入り混じった音楽。Ⅰ序曲、Ⅱ気晴らし Ⅲ戯れ Ⅳ序奏と終曲。何となくパリの雰囲気が感じ取れるメロディもあり、楽しく聴けた10分ほどの曲。 

ブラームス(1833-1897)の作品番号から判断すると晩年に書いた曲。五重奏曲はヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロにクラリネットを加えた曲で、三重奏曲の楽器編成と全く違う。五重奏曲は耳にしているのが1・2度だけで、まだ曲の良さや特徴は解っていないと思うが、好みとしては三重曲が印象度が高い。特に生で聴いたこともあり、ピアノが入って曲が引き立てられた。
ピアノの入江は昨年《Kitaraあ・ら・かると 3歳からのヴァイオリン》に出演して、ブログへのアクセスも意外と多くて、現在でもタイトルに興味を抱いて立ち寄る人が目立つ。前回は伴奏だけであったが、今回は本格的なピアノ演奏の様子を運指にも目をやりながら観れて良かった。

ヴァイオリン奏者の岡部とチェロ奏者の小野木は以前の室内楽やミニ・コンサートなどで聴く機会があった。室内楽の機会も増やしているのも頼もしい限りである。
クラリネット奏者の白子正樹は今年4月に「ふきのとうホール」で開催された「モーツァルト:グラン・パルティータ」と「R・シュトラウス:13管楽器のための組曲」に出演していたが、少人数の室内楽を鑑賞するのは今回が初めてであった。今回は白子自らが企画した室内楽シリーズで、4曲とも違った色合いの曲を紹介してくれて良いプログラミングだったと思う。
クラリネットという息を吹き込んで音を出す楽器は他の楽器と合わせて音を変化させて演奏する難しさもあると聞くが、4曲の音作りである程度理解が深まった。都合がつけば、第2回以降にも聴きに来たいと思った。

アンコール曲は「クロンマー:クラリネット四重奏曲」より (楽器編成は第1曲と同じ)。
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METライブビューイング2017-18 第2作 モーツァルト《魔笛》

2011年からMET Live Viewingを鑑賞しているが、実演を観たことがことのないオペラを中心に鑑賞計画を立てている。今回の「魔笛」は2001年にチェコ国立ブルノ歌劇場オペラ(*旧北海道厚生年金会館で総勢180名の公演)とKitara Mozart Yearの2006年にプラハ室内歌劇場公演で2回実演を観たこともあって、どうしようかと思っていた.。引越し公演では難しい豪華な舞台と世界的歌手出演のオペラはライブビューイングであっても観ようと決めた。

《魔笛》はドイツ語で《Die Zauberflote》(魔法の笛or魔法のフルート)。モーツァルトの生涯最後の年に作曲され、死の僅か2ヶ月余り前に初演されたモーツァルトの最高傑作オペラのひとつ。

指揮/ジェームズ・レヴァイン、演出/ジュリー・ティモア、出演/ルネ・パーペ、マルクス・ヴェルバ、キャスリン・ルイック、ゴルダ・シュルツ、チャールズ・カストロノヴォ
舞台は架空の時代のエジプト。全2幕。ドイツ語上演。

[あらすじ] 王子タミーノが大蛇に襲われて気を失ったが、夜の女王の3人の侍女に救われる。たまたま通りかかった鳥刺しパパゲーノが自分が助けたと嘘をつき、彼女たちに口に錠をかけられてしまう。夜の女王がは王子にザラストロスに捕らわれた娘のパミーナを救出してほしいと頼む。魔法の笛を受けたタミーノと同じく魔法の鈴を受けたパパゲーノの二人はザラストロスの神殿に向かう。美しいパミーナと出会ったタミーノはお互いに運命の人と感じる。悪人は夜の女王と悟ることになる。
ザラストロスは3つの試練を課すが、二人は力を合わせて魔法の笛の力で試練を乗り越える。パパゲーノも恋人を得ようと試練に立ち向かって脱落するが、魔法の鈴のお陰でパパゲーナに出会い恋に落ちる。いきさつを知った夜の女王が復讐のために侍女達と神殿に乗り込むが、雷鳴に打たれて闇の底に落ちる。ザラストロスに後継者と認められたタミーノとパミーナは祝福を受けて、すべての人がイシス神とオシリス神を讃えて幕となる。

全編が恋と冒険の愉快なメルヘンの世界。後半に登場したザラストロ役のルネ・パーペはパス歌手としてMETのヴェテラン。役どころからも絶大な存在感を発揮していた。鳥刺しパパゲーノのマルクス・ヴェルバの名は10月末のデジタルコンサートホールの時に知った。ヤニック・ネゼ=セガン指揮ベルリン・フィルでブラームスのドイツ・レクイエムにバリトン歌手として出演していた。リートとオペラでは全く違う役を見事に熱演していた。劇中での愉快な狂言回しも巧みで、もちろん有名なアリアも楽しく聴けた。このオペラの最大の主役はこの二人だった。
歌としては「夜の女王」のアリアがこのオペラで最も華やかで聴きどころがあると思う。コロラトゥーラ・ソプラノ歌手ルイックが担当した。出番が少なくて、強烈な印象が少々不足していた。特徴のある衣装ではあったが、もう少し気品のある衣装でも良かったのではと思った。
タミーノ役のカストロノヴォは全編を通して出番は多かったが、歌手としてより役者としての印象度が強かった(過度のメーキャップが気になった)。勿論、若々しい明るい声のテノールは良かったのだが・・・。パミーナ役のシュルツが歌うアリアもあったが、それほど鮮烈な印象は受けなかった。 
初めて観るオペラと違って、このオペラのハイライトはオペラ全集に入っていることもあって、アリアや二重唱は何度か耳にして親しんでいる(*1964年のCDではシュワルツコップやルートヴィヒが侍女役で歌っているのに気づいて、その端役に驚いた)。

今回のオペラでは6頭のクマの動物が操り人形姿で踊ったり、何羽もの鳥の形を頭につけて登場したりする姿もあってメルヘンの世界が楽しく描かれる演出も面白かった。3人の可愛い少年の登場も魔法の物語に彩を添えていた。合唱団を含めて登場人物が
多いのもMETならではである。
ドラマティックな歌声で、物語も劇的に変化する人間ドラマの方に慣れてしまっている自分があって、感動を味わうところまでは行かなかった。私の反応を聞いて、妻も鑑賞するかどうか決めるようである。彼女もすっかりMETにはまっている。上映時間が前回は20分、今回も40分ずれて終了した。シアターに入る直前に知らされるのは不便である。次回以降は鑑賞前に映画館に確認が必要になった。

※指揮のレヴァインに対するリンカーン・センターの観客の声援ぶりは凄いと思ったが、最近のマスコミを賑わしたトラブルが今後にどう影響するか心配である。
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Kitara開館20周年記念 オルガン・ガラコンサート

札幌コンサートホールKitaraは開館した翌年1998年から1年ごとに若い専属オルガニストを招聘している。彼らは一年間の活動を通して多大な経験を積んで、任期終了後は世界各地で活躍している。今回は初代と第2代オルガニストを迎え、第19代オルガニストの3名によるガラコンサート。

2017年12月9日(土) 15:開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

〈出演〉パスカル・マルソー(初代)、イヴ・ラファルグ(第2代)、 マルティン・グレゴリウス(第19代)
〈Program〉
 マルシャン:オルガン曲集 第3巻より グラン・ディアローグ(独奏/マルソー)
 J.S.バッハ(ポヴェ編曲)4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065(独奏/マルソー)
 アラン:リタニーJA119(独奏/マルソー)
 ベートーヴェン(ラファルグ編曲):交響曲第7番より 第2楽章(独奏/ラファルグ)
 ラファルグ:Kitaraファンタジア(独奏/ラファルグ)
 ヴィドール:オルガン交響曲第6番 ト短調 作品42-2より 第1楽章(独奏/ラファルグ)
 ナシ:オルガンとピアノ、チェンバロのための子守歌 第11番 作品100
    (オルガン/グレゴリウス、 ピアノ/マルソー、 チェンバロ/ラファルグ)
 ブルーナ:聖母マリアの連祷による第2旋法のティエント(独奏/グレゴリウス)
 メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ イ長調 作品65-3(独奏/グレゴリウス)
 デュプレ/行列と連祷 作品19-2(独奏/グレゴリウス)
 即興によるソナチネ
   マルソー:プレリュード、 ラファルグ:アダージョ、 グレゴリウス:トッカティーナ
 チャイコフスキー(ラファルグ編曲):バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 作品71aより “花のワルツ”(オルガン連弾/マルソー、グレゴリウス、 ピアノ/ラファルグ)

Pascal Marsaultは1973年、フランス生まれ。1998-99年、札幌コンサートホール初代専属オルガニスト。Yves Lafargueは1969年、フランス生まれ。1999-2000年、札幌コンサートホール第2代専属オルガニスト。 Martin Gregoriusは1991年、ポーランド生まれ。2017年9月、第19代札幌コンサートホール専属オルガニストに就任。

3人のオルガニストが各々3曲のオルガン曲をそれぞれ約25分間の演奏。Kitaraの音色を生かした曲が演奏されたが、ラファルグは耳慣れた交響曲の編曲ものと自作の作品(*2008年のKitaraのリサイタルで披露された)で個人的には興味が持てた。
オルガン曲で耳慣れたメロディを持つ曲は相変わらず、バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」など、ほんの数曲だけである。ヴィドールの「オルガン交響曲第6番」は何度か耳にしてはいるが、旋律に親しむまでには至っていない。

オルガン、チェンバロ、ピアノという3つの楽器での演奏は興味深かった。「即興によるソナチネ」は三人三様の即興演奏で楽しかった。Kitara開館20周年の祝いを込めて“Happy Birthday”、“おぼろ月夜”のメロディが使われていて、集中力を高めて聴けた。
最後のプログラムは3人の共演で、12月に演奏される機会の多い「くるみ割り人形」から、人々に最も親しまれている「花のワルツ」は聴衆を喜ばせた。今回のガラコンサートに対する関心が高くて、1500名くらいの人が聴きに来ていたと思う。

演奏終了後に、3人がそれぞれ日本語で挨拶して、アンコールに前例のない6手によるオルガン演奏。曲は「パガニーニ:ラ・カンパネラ」。

歴代19人の専属オルガニストのコンサートは全員聴いている。マルソーは10回、他のオルガニストは平均4・5回になるが、Kitaraに帰ってくるオルガニストが増えているのは喜ばしい。オルガンを身近に感じて、気軽にKitaraに足を運ぶ切っ掛けになるような試みにも繋がるコンサートであった。
 

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エマニュエル・パユ(fl)&エリック・ル・サージュ(p) デュオ・リサイタル

札幌コンサートホール開館20周年〈Kitaraワールドソリストシリーズ〉

フルート界のスーパースター、エマニュエル・パユはKitaraで2回フルートリサイタルを開催してきた。2004年10月はエリック・ル・サージュと共演。同年11月にはベルリン・フィル首席奏者として登場。08年12月は無伴奏フルートリサイタルでジョリヴェとテレマンの曲を交互に弾いた(パユ、ピノック&マンソンのトリオでバッハフルートセレクションの予定が単独出演になった。公演がキャンセルにならないで成立したことに感激した当時を思い起こす)。パユのリサイタルは3度目になった。1年前からデジタルコンサートホールで彼の演奏の様子をしょっちゅう見ているのでとても身近な演奏家となっている。
Emmanuel Pahudは1970年ジュネーヴ生まれ。89年にフルートの登竜門、神戸国際コンクール優勝、92年には難関ジュネーヴ国際コンクール優勝。同年ベルリン・フィルに入団し、翌年同団首席奏者に就任。2000年に一時退団し、02年に同団復帰。ベルリン・フィル首席奏者・ソリストとして世界を股にかけて活動。現在のフルート界における世界の第一人者として実力・人気ともに抜群である。Kitara出演は14年2月のベルリン・バロック・ゾリステンとの共演以来となった。

エリック・ル・サージュ(Eric Le Sage)は1964年、フランス生まれの世界的なピアニスト。89年シューマン国際コンクール優勝、90年リーズ国際コンクール第3位など輝かしい実績を誇る。オーケストラとの共演も多く、リサイタルの他に、パユ、メイエ(cl)のパートナーとして室内楽活動も顕著である。

2017年12月5日(火) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
〈Program 〉
 モーツァルト:ソナタ 第17番 ハ長調 K.296(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
 シューベルト:「しぼめる花」の主題による序奏と変奏曲 D802
 ドビュッシー:(レンスキ編曲):ビリティス
 フォーレ:シシリエンヌ op.78、 コンクール用小品、 幻想曲 op.79
 プーランク:フルート・ソナタ

モーツァルトのヴァイオリン・ソナタはケッヘル番号を見て演奏会で数度耳にしている曲だと判った。彼の中期までのヴァイオリン・ソナタはフルートとピアノで演奏される機会も多いことを初めて知って興味が沸いた。基本的には同じメロディだが、ピアノとフルートの役割に注目しながら聴いた。モーツァルトが若い学習者のために書いた作品で、明るく生き生きとした曲。

シューベルトは歌曲王として知り、「冬の旅」や「美しき水車小屋の娘」などはKitaraの開館当初にペーター・シュライアーのコンサートで親しんだ。「しぼめる花」は《美しき水車小屋の娘》の第18曲。青年が娘からもらった花に託して失恋の悲しみを歌ったミュラーの詩をシューベルトが気に入って書いたという作品。「しぼめる花」は序奏、主題と7つの変奏から成る。フルート、ピアノともに高度な奏法を要する曲だそうであるが、曲に込められたイメージが鮮やかに表現されていた。

前半の演奏終了後には、歓声も上がった。 いつもより中高生の姿が目立ち、たぶんフランス人と思われる十数人の外国人の姿もあった。P席と3階席は売り出されなかったが、2階もかなりの客席が埋まり軽く1000名を超える聴衆の入りで、フルート奏者パユの人気度が反映しているようだった。

後半はフランスの作曲家の音楽。
ドビュッシーが若い頃には歌曲ばかり書いていた話は知らなかった。彼は詩人ピエール・ルイスが書いた古代ギリシャの情景を詠んだ詩集「ビリティスの歌」がお気に入りだったという。この詩を基にして、ドビュッシーはいくつかの版で曲を書いた、今回の曲はレンスキによるフルートとピアノ用の編曲版。古代ギリシャへの憧憬を描いたドビュッシー独特の繊細で美しい音の世界だった。

フォーレは美しい旋律の気品の高い作品を書いたフランスの大作曲家。チェロやヴァイオリンで弾かれることが多い「夢のあとに」、や「エレジー」、「シシリエンヌ」で親しまれている。最初に耳慣れた名曲「シシリエンヌ」の美しいメロディが流れた。続いて流れた短い曲は、フォーレがパリ音楽院教授時代に試験用に書いた「初見視奏曲」(*1週間前のコンサートでヴァイオリニスト西本が演奏した作品と同じ学生用の作品)。フォーレはフルートやハープのための作品も書いていて、今回はフルートとピアノのための曲。楽譜を渡されて直ぐ演奏する曲として書かれ、今回のタイトルは「コンクール用小品」となっていた。「幻想曲」は必ずしも幻の曲と言うだけでなく、心に浮かんだことを綴って華やかなイメージで彩った曲として聴いた。

プーランクは第一次世界大戦後にパリで結成された「六人組」の作曲家のひとり。近年の演奏会ではピアニストの牛田智大がプーランクの作品を好んで取り上げている。
フルート・ソナタはランパルと作曲家自身のピアノで1957年に初演された。都会で暮らす人の孤独な心を綴った第1楽章、情緒あふれる第2楽章、人生を楽しもうとするが、憂いが帯びるメロディも混ざる第3楽章。このプーランクの曲は13年前の彼らのコンサートでも演奏されたので、フルートの傑作となっているのだろう。

アンコール曲は①「子どもの不思議な角笛」より “ラインの伝説”、 ②「亡き子をしのぶ歌」より “いつも思う”、“子ども達はちょっと出かけただけなのだ”。

拍手大喝采でカーテンコールが何回も繰り返された。帰りのホワイエはサイン会に並ぶ行列ができていて、演奏会の興奮の余韻が漂っていた。やはりパユはフルートの貴公子として放つオーラ、存在感は何か特別なものがある。そのパユを支えるル・サージュの安定感も今や注目の的であるが、やや伴奏に徹していた感は止むを得ないところなのかもしれない。

パユは11月下旬のベルリン・フィル日本公演の直後にリサイタルのツアーを行って、札幌が最後の公演であった。

※神戸国際フルートコンクールは1985年に第1回が開催された。世界への登竜門と位置づけられ、神戸市主催で4年ごとに開催されるフルート単独の国際コンクール。パユは第2回の優勝者。2005年優勝者の小山裕幾は現在フィンランド放送響の首席奏者。2年前には神戸市が補助金打ち切りを決めて、コンクール開催の危機に陥いったが、パユを始めコンクール継続に向けての多くの関係者の努力によって、何とか2017年の第8回大会は無事に開催された。2021年の第9回コンクールは神戸市長が補助金復活を表明して神戸市主催で開催される予定になっている。
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上杉春雄(p)&川本嘉子(va)デュオ・リサイタル

Kitara以外のホールでのコンサートの情報は積極的に求めていないので良いコンサートを見逃すことがある。上杉春雄は札幌在住の医師・ピアニストで会場がKitaraの場合は聴くことが多いが、今回は4年ぶりで7回目であった。川本嘉子はKitaraが開館した年に結成されたKitaraホール・カルテット(矢部達哉、川田知子、川本嘉子、金木博幸)のメンバーとして05年ころまでは活動を続けていたと思う。15・6回開催のコンサートのうちで出かけたのは2000年の第6回だけの1度だけであった。まだ、カルテットに親しんでいない時期だったが、当時のステージ上の様子は鮮明に記憶している。
数ヶ月前に二人のコンサートの情報を得て、札響定期のコンサートを振り替えて、彼らのコンサートを聴こうとスケジュールを調整していた。
川本嘉子(Yoshiko Kawamoto)は現在、N響客演首席奏者。小澤、アルゲリッチら世界的音楽家からの信頼も厚く、ソリスト・室内楽奏者として日本を代表するヴィオラ奏者のひとり。

ザ・ルーテルホール クリスマス・チャリティ・コンサート
2017年12月2日(土) 13:30開演  ザ・ルーテルホール

ドイツ・リートの傑作を名手・川本嘉子のヴィオラで聴く 愛と人生の歌!
 〈Program〉
 シューマン:3つの幻想小曲集 作品73
 シューマン:歌曲集「詩人の恋」 作品48 (ヴィオラ&ピアノ版)
 ブラームス:4つの厳粛な歌 作品121(ヴィオラ&ピアノ版)
 ピアソラ:タンゴの歴史、 リベルタンゴ

シューマンの幻想小曲集はピアノ曲として作品12と作品111もあるが、作品番号が違う。彼は“幻想”と言う語を好んで使ったようである。上杉の解説によると、Fantasieは“即興演奏”という意味でも使われるらしい。ふと浮かんだ心の動きをそのまま音楽にしたという解釈もあるとすると納得しやすい。いずれにせよ、この曲ではどちらの意味でも分かる。
ハイネの詩による歌曲集「詩人の恋」はタイトルには馴染んでいて、全16曲の中で2・3曲はピアノ曲としてコンサートでも聴いたことがある。歌曲として聴いた記憶は無い。シューマンは恩師ヴィ―クの娘クララと恋に落ち、ヴィ―クの反対を押し切り、裁判にまで訴えて結婚に至った1940年に歌曲を集中的に書いた。シューベルトが確立したドイツ・リートを発展させ、情感豊かな曲作りをした。愛の喜びと苦しみを綴った歌曲を今回は珍しくヴィオラ&ピアノ版で聴けた。
ヴァイオリンとチェロの間で目立たないといわれるヴィオラが、楽器特有の人間の声に近い音を発揮して、今迄とは一味もふた味も違うヴィオラの良さが伝わってくる演奏に浸れた。ヴァイオリニストからヴィオリストに転向した音楽家のことはよく耳にするが、その理由が分かる演奏であった。ヴィオラ・ソナタを聴く機会が増えれば、なお一層その感を深くするだろう。

クララとのつながりも深かったブラームスは彼女が病に倒れてから曲を書き始め、完成直後にクララは亡くなっていた。その翌年にブラームスも世を去った。テキストは旧約聖書によるもので、「人は死ぬ運命にある」、「死よ、なんと苦いものか、満ち足りた生活を送っている時には。死よ、なんと心地よきものか、貧しい者、弱き者、年老いた者には」など、死生観が描かれている。
曲自体のことも全く知らなかったが、ここでも充実した演奏が聴けた。(*上杉によるプログラムの解説が非常に参考になった)

最後のピアソラは2曲とも演奏会で聴いたことがある。スペインから持ち込まれた舞曲に新しい響きとセンスを加えて、アルゼンチン・タンゴを書いたピアソラの作品群はクラシック音楽会で演奏されることも多くなっている。
上杉はバッハが得意であるようだが、現代曲も含め何でもこなす。川本はヴィオラの曲ではないものばかりを難なく弾きこなしてヴィオラの特徴を出すのだから、やはり凄腕の演奏家である。

彼女は久しぶりに来道し、雪の舞う様に叙情を感じとったらしい。また、ピアノが高音過ぎて、情熱が先走って興奮した状態になったと率直に語った。上杉は何の違和感もなかったと話した。

アンコール曲は①メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ ?番 第3楽章 ②ポンセ:エストレリータ(小さな星) ③エルガー:愛の挨拶。
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札響第605回定期演奏会(ポンマー指揮バッハのクリスマス・オラトリオ)

土曜日昼公演の会員であるが、明日は聴きたいコンサートが札響定演と同じ時間帯に別のホールであるために、日程振替を利用して金曜日の演奏会を聴いた。
今年2017年の札響は1月定期のバッハ「管弦楽組曲」で始まり、12月定期の「クリスマス・オラトリオ」で終わる。ポンマーの思い入れの強いバッハの音楽の年。

2017年12月1日(金) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

《ポンマーのバッハ・プロジェクト第2弾 歓喜の前に、クリスマスの歌声》
指揮/マックス・ポンマー  
独唱/針生美智子(S)、富岡明子(Ms)、櫻田 亮(T),、久保和範(Br)
合唱指揮/ 長内 勲  合唱/札響合唱団、東京バロック・スコラーズ、ウィステリア・アンサンブル
〈Program〉
 J.S.バッハ:「クリスマス・オラトリオ」より 第1、第2、第5、第6カンタータ

プログラムの解説によると、曲はバッハが残した3つのオラトリオの中で最も規模が大きい作品。バッハが49歳でライプツィヒに移って11年目になる1734年のクリスマスから翌年1月6日にかけて、6日にわたって初演された。6回の祝祭日に、1つずつクリスマス・カンタータが演奏され、まとめて「クリスマス・オラトリオ」と呼んだそうである。6部構成で、全部で64曲。

実質的に6つのカンタータから構成され、一貫したストーリーは無い。オーケストラも小編成であり、各部で異なる。
冒頭の合唱はトランペット3本とティンパニが活躍する威勢のよい華やかな祝賀カンタータ。第1・2部(各30分)では聖書朗読者(テノール)が朗誦する「ルカによる福音書」からの引用。第5・6部(各25分)では「マタイによる福音書」からの引用。第6部の最後の曲はトランペット3本とティンパニも入っての華麗なフィナーレ。

4人の歌手は二期会会員。針生は何十回もKitaraのステージに立っている小樽出身のソプラノ歌手。テノールの櫻田も札響との共演も多く、秀でた朗誦。初めて聴くメゾソプラノ(ァルト)の富岡の歌声が目立った。彼女は来年の二期会公演のベッリーニ《ノルマ》にアダルジーザ役(*先月のMETビューイングでディドナートが名演)で出演予定も成程と頷ける美声。バリトン(バス)の久保の低音も魅力的だった。
約90名の合唱団は主力の札響合唱団に15名の助っ人が加わった。小編成のオーケストラに対して合唱の役割が大きかった。オーケストラではチェロとコントラバスが通奏低音の響きでバロック音楽の特徴が出ていた。管楽器はオーボエの活躍の場面が目立った。一度だけだったがフルート独奏が入る場面は美しい旋律が聴けて良かった。全体を通してバロック時代の雰囲気が味わえる演奏会となった。

札響定期でバッハだけの演奏会が1年に2回もあって、バッハが大好きな人には好評だろうが、オーケストラ団員の出演機会が少ないのが気になった。めったに聴けない曲を聴ける楽しさもあるが、聴衆の入りが悪いのは残念であった。
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fsuterry

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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