~演奏活動55周年記念~前橋汀子アフタヌーン・コンサート
数年前までは日本のヴァイオリニストで諏訪内晶子を聴く機会が一番多かったが、前橋汀子が演奏50周年(2012年)の折に札幌でアフタヌーン・コンサートを始めてから毎年欠かさずに聴き続けている。彼女のコンサートは今回で18回目となった。
2005年に自主企画で始めた東京サントリーホールでの「アフタヌーン・コンサート」も今では各地に広がり、札幌では完全に定着した感がある。比較的に低料金で日曜の午後のひと時を気軽に楽しめる企画は成功しているのではないだろうか。
同じようなプログラムが続いて今回が6回目だが毎年1回の開催につい足を運んでしまう。
2017年10月29日(日) 1:30PM開演 札幌コンサートホールKitara大ホール
〈Program〉
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第24番 ハ長調 K.296
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ドヴォルザーク(クライスラー編):わが母の教え給いし歌、 スラヴ舞曲 Op.72-2
ヴィエニャフスキ:モスクワの思い出
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しき夕暮れ
ショパン(サラサーテ編):ノクターン第2番
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲第1番
モンテイ:チャールダーシュ
前半2曲のヴァイオリン・ソナタはヴァイオリンとピアノが対等に渡り合う曲で、ピアノの松本和将は毎回前橋汀子とコンビを組む相性の良いピアニスト。
2013年のコンサートでもこの「第24番」が取り上げられた。第25番(K.301)が取り上げられた年もあったが、私にとってはヴァイオリン・ソナタはケッヘル番号の方が馴染んでいる。昨日の午前中にCDで聴いてみると馴染みの曲だった。真心のこもった溌溂とした第1楽章。ロマンスに近くて牧歌的な第2楽章。第3楽章は生き生きとして軽快で輝かしい終曲。久しぶりに聴けて懐かしかった。
ベルギー生まれでフランスで活躍したオルガニスト兼作曲家のフランクはヴァイオリン・ソナタを1曲しか書いていないが、この曲は名曲で近年はコンサートで取り上げるヴァイオリニストが多い。
同じ主題が4楽章で繰り返される循環形式が全曲を支配する。フランクの理性と情熱が調和した曲。神秘的でロマンにあふれた主題が優雅で気品のある歌を奏でる。抒情的な旋律も魅力的で聴くたびに曲の良さが伝わってくる。
後半は珠玉の小品集。7曲中の5曲は歌曲やピアノ曲などがヴィルトオーゾのヴァイオリニストによる編曲版。今までのアフタヌーン・コンサートで演奏された名曲ばかり。比較的になじみの薄い曲は「美しき夕暮れ」だが、2012年にも演奏された曲。前橋が得意としている「モスクワの思い出」は彼女自身がロシアで学んだ若いころの思い出も重なっているのではと思う。
他のヴァイオリニストの演奏会で耳にすることが多い「チャールダーシュ」はそれぞれのヴァイオリニストが個性的に演奏していることが分る。
馴染みの名曲がヴァイオリン曲として流れると親しみを覚えるものではある。
アンコール曲を一気に4曲弾いてステージを終えたが、最後に譜めくりストを呼び寄せてアンコール曲としては長い「ツゴイネルワイゼン」を弾いて800人ほどの聴衆の大喝采を受けた。
アンコール曲は①ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女 ②エルガー:愛の挨拶 ③ブラームス:ハンガリー舞曲第1番 ④ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ⑤サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン。
マンネリ感が無いわけでもなかったが、今回はコンサートの行き帰りに通る中島公園の木々が秋色に染まる様子をじっくり観察した。今まで見たことが無いような美しい自然を連日満喫出来て公演内に立地するKitaraホールの良さの素晴らしさを味わった。10月の中旬には紅葉の見ごろを連日楽しめたが、10月下旬の何色にも色鮮やかに細かく変化している木の葉の濃淡の美しさにすっかり心を奪われた。中島公園の秋の美しさをしっかり目に焼き付けた。
2005年に自主企画で始めた東京サントリーホールでの「アフタヌーン・コンサート」も今では各地に広がり、札幌では完全に定着した感がある。比較的に低料金で日曜の午後のひと時を気軽に楽しめる企画は成功しているのではないだろうか。
同じようなプログラムが続いて今回が6回目だが毎年1回の開催につい足を運んでしまう。
2017年10月29日(日) 1:30PM開演 札幌コンサートホールKitara大ホール
〈Program〉
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第24番 ハ長調 K.296
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ドヴォルザーク(クライスラー編):わが母の教え給いし歌、 スラヴ舞曲 Op.72-2
ヴィエニャフスキ:モスクワの思い出
ドビュッシー(ハイフェッツ編):美しき夕暮れ
ショパン(サラサーテ編):ノクターン第2番
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲第1番
モンテイ:チャールダーシュ
前半2曲のヴァイオリン・ソナタはヴァイオリンとピアノが対等に渡り合う曲で、ピアノの松本和将は毎回前橋汀子とコンビを組む相性の良いピアニスト。
2013年のコンサートでもこの「第24番」が取り上げられた。第25番(K.301)が取り上げられた年もあったが、私にとってはヴァイオリン・ソナタはケッヘル番号の方が馴染んでいる。昨日の午前中にCDで聴いてみると馴染みの曲だった。真心のこもった溌溂とした第1楽章。ロマンスに近くて牧歌的な第2楽章。第3楽章は生き生きとして軽快で輝かしい終曲。久しぶりに聴けて懐かしかった。
ベルギー生まれでフランスで活躍したオルガニスト兼作曲家のフランクはヴァイオリン・ソナタを1曲しか書いていないが、この曲は名曲で近年はコンサートで取り上げるヴァイオリニストが多い。
同じ主題が4楽章で繰り返される循環形式が全曲を支配する。フランクの理性と情熱が調和した曲。神秘的でロマンにあふれた主題が優雅で気品のある歌を奏でる。抒情的な旋律も魅力的で聴くたびに曲の良さが伝わってくる。
後半は珠玉の小品集。7曲中の5曲は歌曲やピアノ曲などがヴィルトオーゾのヴァイオリニストによる編曲版。今までのアフタヌーン・コンサートで演奏された名曲ばかり。比較的になじみの薄い曲は「美しき夕暮れ」だが、2012年にも演奏された曲。前橋が得意としている「モスクワの思い出」は彼女自身がロシアで学んだ若いころの思い出も重なっているのではと思う。
他のヴァイオリニストの演奏会で耳にすることが多い「チャールダーシュ」はそれぞれのヴァイオリニストが個性的に演奏していることが分る。
馴染みの名曲がヴァイオリン曲として流れると親しみを覚えるものではある。
アンコール曲を一気に4曲弾いてステージを終えたが、最後に譜めくりストを呼び寄せてアンコール曲としては長い「ツゴイネルワイゼン」を弾いて800人ほどの聴衆の大喝采を受けた。
アンコール曲は①ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女 ②エルガー:愛の挨拶 ③ブラームス:ハンガリー舞曲第1番 ④ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ⑤サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン。
マンネリ感が無いわけでもなかったが、今回はコンサートの行き帰りに通る中島公園の木々が秋色に染まる様子をじっくり観察した。今まで見たことが無いような美しい自然を連日満喫出来て公演内に立地するKitaraホールの良さの素晴らしさを味わった。10月の中旬には紅葉の見ごろを連日楽しめたが、10月下旬の何色にも色鮮やかに細かく変化している木の葉の濃淡の美しさにすっかり心を奪われた。中島公園の秋の美しさをしっかり目に焼き付けた。
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