河村尚子ピアノリサイタル

歩行困難のため昨日の札響定期2月公演は妻に行ってもらった。ポンマー指揮による珍しいプログラムは各楽器の興味津々の演奏で面白かったという感想であった。
本日の演奏会は〈オール・ショパン・プログラム〉で楽しみにしていたのでキャンセルせずに出かけた。往きは何とか地下鉄駅まで歩いて出かけることにしたが、妻が心配してKitaraまで同行してくれた。少々驚いたが好意に応えることにした。

2016年2月21日(日) 開演13:00  札幌コンサートホールKitara大ホール

  4つのマズルカ 作品41
  ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品25
  24の前奏曲 作品28

河村尚子のコンサートは今回が4回目。11年と15年が札響との共演、14年のリサイタルはKitara小ホールでの公演、今回は大ホールでの本格的なデビュー。彼女はドイツを拠点として活動してヨーロッパ各地のオーケストラと共演、音楽祭にも参加して海外での実績を積んできた。日本での活動も増えて、現在の日本のクラシック界に新風を吹き込んでいる旬なピアニスト。

今回のプログラムが「オール・ショパン・プログラム」とあって、少々意外な感じもした。彼女の幅広いレパートリーから判断するとドイツものを中心とした選曲を予想した。前回のリサイタルの折に「ショパン:バラ―ド全曲」と「リストの編曲もの」のCDを購入したので、どんな曲がプログラミングがなされても基本的には驚くことではないのだが、彼女の経歴から勝手に推し量っただけである。

ポーランドの民族舞踊に基づいたポロネーズ、マズルカの中でポロネーズの方が華やかな曲が多く、素人には親しみやすい曲が結構ある。約60曲もあるマズルカは大部分が小品で、ピアニストやピアノ学習者は別にして、私などの素人にはメロディが心に残らない。ショパンならではのマズルカで鑑賞価値が高い作品が多いのだろうが、曲が短すぎてメロディが頭に残らない。50年前に録音されたルービンシュタインの2枚収録のCDで聴いているのだが未だその良さが充分に伝わってこない。
作品41も1曲1分~3分程度でそれほど印象に残らなかった。ワルツとは違ってポーランド民族の精神性も表現しているのだろう。

久しぶりで聴く「ピアノ・ソナタ第2番」は味わい深い。第3楽章の“葬送行進曲”の暗く悲しい旋律のほかに、全体的に幅広い表現が込められていて聴きごたえがある。名曲中の名曲と言えよう。
やはり聴きなれた曲に対する観客の反応は確かである。ブラヴォーの掛け声とともに万雷の拍手が起こった。

後半は「24の前奏曲」で始まったが、24曲全曲が演奏される機会は珍しい。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」が念頭にあって作曲されたらしい。24の調をすべて用いて書かれた前奏曲といっても音楽理論の基礎がない私には詳細は解らない。専門家には魅力ある作品なのだろう。「第15番 雨だれ」は演奏機会が多いので親しんでいる。「第7番」、「第24番」も耳慣れたメロディが奏でられた。キーシンとアルゲリッチのCDで聴いているが、「雨だれ」は5分程度の曲だが、他は1・2分の曲で良さが解らないのが正直なところである。
河村の演奏の様子を観ていると、それぞれの曲に特徴があって、巧みな演奏テクニックが生かされているように見えた。多彩なピアニズムが表現されているのが、手の動きでも解った。CDで聞き流している時とは違った曲の鑑賞が出来たことは確かである。5月のユンディ・リのリサイタルの曲目にもなっているので、少し集中して曲に親しんでみようと思う。
 
ショパンは前奏曲を26曲は書き残している。単独で1841年に発表された作品48とショパンの遺作として1918年に出版された「変イ長調」。河村は1階席と2階正面のCB席を埋めた700名ほどの聴衆から心のこもった拍手を浴びた。声援に応えてアンコール曲を披露する前に丁寧な挨拶と話をしたが、はっきりと聴き取れないのが残念だった。綺麗な透き通る声だったが私の耳もかなり悪化しているようだ。
アンコール曲は2曲。「ショパン:前奏曲 変イ長調 遺作」と「ショパン:24の前奏曲 作品28から 第17番 変イ長調」。

帰りは大事をとってタクシー・地下鉄電車・タクシーと乗り継いで無事帰宅した。脚の痛みは相変わらずで、先日のコンサート会場で出会ったボランテイア仲間から紹介されて予約を取った整体師に診てもらうつもりである。次のコンサートまで2週間ほどあるので何とか目処がつくことを願っている。
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樫本大進&コンスタンチン・リフシッツ

樫本とリフシッツのデュオを聴くのは2002年、2014年に続いて3回目。
今日の午前は心臓病の最終チェックの日。脚の痛みが心臓病と関係がないか、症状を看護師に予め伝えて主治医の診察の前に胸部X線、心電図や両脚全体のエコー検査などの結果、内科の観点からは異常なしと診断された。一安心ではあったが、脚の痛みは間断なく続いている。整形外科に通うことになるだろう。
今日は2月に入って初めてのコンサート鑑賞となったが無理をしてタクシー・地下鉄・タクシーを乗り継いで会場にたどり着いた。9月にチケットを購入していたので聴き逃したくなかった。

2016年2月16日(火) 開演19:00  札幌コンサートホールKitara大ホール

〈Program〉
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 Op.30-2
 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.100
 プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.80

樫本とリフシッツの《ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集》は2年前に買い求めていた。前回は第4番、第10番を聴いた。今回の「第7番」は数回聴いただけだったが、とても親しめる曲。コンサートでは初めて聴いたと思うが、二人の丁々発止で奏でられる4楽章構成の曲を1階正面の席から存分に楽しんだ。「春」や「クロイツェル」ほど有名ではないが、タイトルがついていると人気曲になる感じがした。

前回はブラームスの第1番。今晩は「第2番」。ブラームスのヴァイオリン・ソナタに親しむようになってから日が浅い。3年前のムターのコンサートで買った彼女のサイン入りのCDで聴くブラームスはこの上なく美しい。ロンドンで生まれ少年時代をドイツで過ごした樫本とウクライナ生まれのリフシッツは互いにドイツ語で会話を交わす間柄のようである。ドイツの作曲家の曲目が中心になるのは当然だろうと思った。ブラームスの叙情味あふれる作品がヴァイオリンとピアノの対話を通して実に美しくホールに響き渡った。

プロコフィエフ(1891-1953)のヴァイオリン曲が演奏される機会は極めて少ない。手元にシゲティ演奏の「ヴァイオリン・ソナタ第1番」のCDがあって、コンサート前に2度ほど聴いてみた。集中力が足りないのか、1・2度耳にしたくらいではよく分らない。プロコフィエフは1917年のロシア革命の年にソヴィエトを脱出してアメリカに亡命した。旅の途中で日本に立ち寄った話は良く知られている。十年ほどして祖国に帰国してから書いた曲で「ピーターと狼」は彼の最も有名な作品として親しまれている。(*小澤征爾の指揮とナレーションでボストン響のCDを度々聴いたのを思い出す。)
演奏曲として珍しい曲を聴くのもコンサートの楽しみである。聴きなれない曲を生演奏で聴くとCDとはとても違った印象を受ける。現代音楽作曲家として新しい音楽を作り出したプロコフィエフ独特の雰囲気を持つ曲。1938年に書き始めた曲が完成したのが1946年というから、共産主義社会でソヴィエト政府と自分の目指す音楽の狭間で生まれた作品と言えよう。
厳粛な第1楽章、力強い第2楽章、瞑想的でリリシズムを湛えた第3楽章、拍子が目まぐるしく変化して民族舞曲風のフィナーレへ。

それぞれの音楽性や性格が融合して生まれる音楽の何と美しいことか。それぞれのリサイタルとは違う雰囲気を楽しめるデュオを心行くまで堪能できたコンサートであった。

アンコール曲は《バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ BWV1019遺稿より 「カンタービレ・マ・ウン・ポコ・アダージョ」》。

今回の日本公演は福岡で始まり、宮崎、大津、東京、所沢、札幌、大阪と続いて最終公演が19日の横浜。
 
今夜は往復ともに地下鉄とタクシーを利用して無理をしたが、明日のペレーニのチェロ・リサイタルは無理はできない。多分、コンサートは断念することになるだろう。








 

ベルリン・バロック・ゾリステン with ジョナサン・ケリー

昨日はべルリン・バロック・ゾリステンのコンサート鑑賞のために家を出て100メートルほどして歩行困難な状態に陥ってコンサートを断念して自宅に戻った。実は1週間前に足を痛めて歩けなくなった。突然のことで原因がよく判らなかった。持病の脊柱管狭窄症かなと思ったが症状が違う。翌日に整形外科にかかったが痛み止めの薬が出されただけに終わった。6日の《札響名曲コンサート》は妻にチケットを譲った。6日の《オルガンウインターコンサート》にも行かないで、10日のコンサートに備えた。状況の好転を願ったが無理だった。

2年前のベルリン・バロック・ゾリステンwithエマニュエル・パユに続いての今回のバロック・アンサンブルによるKitara公演。ベルリン・フィル首席奏者を中心に設立された世界最高峰の古楽アンサンブルを楽しみにしていた。
今回はベルリン・フィル首席オーボエ奏者ジョナサン・ケリーとの共演。バッハ親子とヴィヴァルディの三つの協奏曲が演奏予定曲目。

ヴィヴァルディ(1678-1741)は生涯に500曲を超える協奏曲を書いたと言われる。「四季」というタイトルが付いた4曲が名曲として親しまれていて聴く機会が多い。彼の曲でCDは「四季」しか持っていない。J.S.バッハの3曲のヴァイオリン協奏曲は演奏会で聴く機会も度々あって親しんでいる。バッハの曲では個人的には最も好んで聴く親しみのある名曲である。

今日の午後に聴き逃した「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043」と「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調(BWV1060)」が入ったCDを聴いてみた。
「ヴァイオリン協奏曲」のCDはそれぞれシェリングとクレーメル演奏のものが2枚ある。オーケストラは両方ともアカデミー室内管で録音年が1976と1982年。(*1枚の指揮はマリナーで今年の4月にアカデミー室内管と来日公演の予定。)
「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲」はここ数年聴いていない感じの曲。所有のCDはヴァイオリン曲の棚に並べてあったのでクレーメルとホリガー共演の曲に気づいて嬉しかった。ホリガーのオーボエ生演奏は昨年9月の札響定期で聴いたばかりで記憶が生々しい。CDの曲がスタートして直ぐ馴染みのメロディが流れてオーボエの美しい響きに聴き入って心もウキウキした。

ジョナサン・ケリーの生演奏は聴き逃したが、彼は今年再びKitaraのステージに登場する予定があるので次回に期待したい。

持病の脊柱管狭窄症の症状は昨年7月にも表れていたが何とかコンサート会場に足を運んでいた。数年前に歩行困難で地下鉄が利用できなかった時に妻に車を運転してもらってKitaraまで送ってもらったことが2度ほどある。今のところ今後の見通しがたたない。今月も16、17、20、21日にコンサート鑑賞の予定がある。
2月1日に入院して血管カテーテル手術を受けて翌日退院となり、心臓の方は一応目処がついて16日に外来で病院に出かける。身体第一でコンサートは二の次ではある。高齢になるといろいろなことが起きるのは致し方ないと思っている。
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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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