第16回「札響くらぶサロン」~クリスマスのミニコンサート(トランぺット)

年4回開催の“Taketsu Memorial Salon”が前回9月の会場、明治天皇ゆかりの「豊平館」で開催された。会員以外にも知人や家族も参加できるサロンである。今回は開催時期が12月でクリスマス・ミニコンサートがメインのプログラムで子供たちを連れた家族ずれも含めて77名の参加で大盛況であった。

開催日:2016年12月18日(日曜日) 時間:午後6時  場所:札幌市「豊平館」広間

[サロン第1部] 【クリスマスのミニコンサート】
 トランペット/ 前川和弘(札響トランペット奏者)、 ピアノ/三春菜奈
  〈プログラム〉
   バッハ:主よ人の望みの喜びよ、 ネルーダ:コンチェルトEb、 
   ショパン:ノクターンOp.9-2(ピアノ独奏)、クラーク編曲:ヴェニスの謝肉祭
    映画音楽より「ムーン・リヴァー」、「ゴッドファーザーⅠ・Ⅱ」 

各曲の演奏前にトークを入れながらプログラムが進められた。ヴェテランならではの余裕のある解説。空気が乾燥していてトークと息継ぎの難しい楽器の演奏は大変なようであった。
   
プログラムの最後に用意された2曲は客も参加。前川さんから全員に配られた様々な大きさの鈴を振りながら「サンタが街にやってくる」の演奏が楽しい雰囲気を作り出した。一番最後は「きよしこの夜」。トランペット、ピアノ、斉唱と分担して締めくくられた。アンコール曲は「カッチーニ・アヴェ・マリア」。1時間のミニコンサートでの熱演に“ブラヴォー”の声と盛大な拍手が送られた。

前川和弘さんは1978年札響入団。入団以来、15・20・25・30・35周年と5年おきにリサイタルを開催。2008年にCDをリリースし、2011年から東日本大震災チャリティーコンサートを毎年継続中。現在、札幌大谷大学講師なども務める。
いつもステージ上の演奏姿は見ているが、直ぐ近くでトランペットから奏でられる音を聴いていると顔の表情や喉の渇きも手に取るように分かり得難い体験をした。当日の会場は気温が上がってピッチの調整も大変で、金管楽器奏者の苦労が一段とよく解った。

[サロン第2部]【楽譜贈呈式】
 札響くらぶ上田会長から札響永井専務理事へ。
  札響くらぶは活動の一環として2006年から毎年年間50万円の楽譜支援活動を続けている。会員の年会費3000円のうち500円が楽譜支援となる。会員の中には多額の支援を行ってる人もいるようで、私もわずかながらプラス500円で毎年千円の支援を続けている。
創立55年を迎えた札響も演奏回数の多い曲は過去の指揮者の指導による書き込みが重なると継続して何十年もの使用が困難になる(*鉛筆使用で消せるようにはなっていても楽譜が経年劣化で使用に耐えなくなるものが増えてくる。)初演の時には楽譜を揃える必要もある。素晴らしい演奏をしてもらうためには演奏家への支援は望ましい。

[サロン第3部] 【クリスマスパーティ】
 ワインとビール、オードブルをいただきながら、楽団員さんを交えてのパーティ。前川さんと三春さんが同じテーブルで話す機会があって良かった。たまたま前川さんからモーリス・アンドレの名が出た。金管楽器の歴史を変えた偉大なトランペット奏者は2002年にKitaraに登場していたのである。ナカリャコフの名も出して金管楽器演奏の難しさなど私の知っている表面的な知識を話したら同意してくれたので嬉しくもあった。
パーティを盛り上げる運営委員のプログラムも始まった。曲のイントロを聴いて曲名を答えるクイズ。テーブルごとの争い。最初のうちはほんの数音だけのイントロでプロ並みの実力が必要なクイズ。私の隣に座ったKitaraボランティアの友人が殆どの曲を当てる確率の高さに驚いた。彼は第1回の札響定期を聴いて50年もLPで音楽を聴き続けているクラシック・ファンだが、私とは音楽愛好の知識のレヴェルが違う。彼の豊富な知識には感服していたが、音楽の詳しさのレヴェルの違いを改めて知った。曲名だけでなく、第2・3楽章のイントロ、曲の調性まで知っているのだから恐れ入った。
10数曲のうち、午後の及川のリサイタルで聴いた「愛の夢第3番」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、や「愛の喜び」も出てきて、演奏会をまるで振り返っているような気がした。

12月恒例のビンゴゲームもあって和やかに交流会が閉じられた。テーブルの上の後片付けをして帰宅の用意をした。コートも着て帽子もかぶって帰り支度も整ったが、椅子やテーブルの片付けをしている役員の人々を手伝わないではいられない気持ちにかられた。会長をはじめ楽団員の人も仕事をしている状況で一応の目途がついて場を離れた。地下鉄の駅に向かう途中で札響くらぶ創立メンバーと交流ができたり、副会長さんと電車の中で親しい会話が弾んだりして心も軽くなって家路についた。


  
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第15回「札響くらぶサロン」(オーボエ/ミニコンサート)

サロンのミニコンサートは2015年1月の第9回から始まった。第10回のミニコンサートは札響ホルン副首席奏者の山田圭祐さん(現札響ホルン首席)をゲストに迎えて同年5月に開催された。“角笛”から“狩りのホルン”を経て“ヴァルブ・ホルン”へと進化してきた図入りの資料と解りやすい話が印象に残っている。演奏曲は「ベートーヴェン:ホルンとピアノのためのソナタ」、「シューマン:ホルンとピアノのためのアダージョとアレグロ」。その後、彼の活躍ぶりをKitaraのコンサートで観て頼もしく思っている。演奏を近くで聴いて演奏者を身近に感じられるのはミニコンサートの醍醐味である。

第11回から第14回までは体調などの理由で残念ながら参加できなかった。第15回のサロンが会場を「豊平館」にして開催されて1年ぶりに参加した。

011 (300x225) 修復工事前の豊平館(HOHEIKAN)

国指定重要文化財《豊平館》は明治天皇の北海道行幸に際して北海道開拓使が1880年(明治13年)建築した洋風ホテルである。所在地は北1条西1丁目。明治14年8月30日開館。明治43年に宮内省が札幌区に貸下げ。明治44年の皇太子殿下、大正11年の摂政宮殿下の行啓の宿泊所となった。1958年(昭和33年)同地に札幌市民会館建設のため、現在地の中島公園に移築。1964年、国の重要文化財に指定された。2012年より4年の歳月をかけて耐震化工事が行なわれ、2016年6月末新装開館。

7月中旬にKitaraボランティア活動の帰りに新装なった館内を見て回り修理の様子などを収めたビデオ鑑賞を含めて2時間ほどの時間を過ごした。豪華な雰囲気が漂う静かな館内は結婚式などで以前入館した時や食事会で使用した時とは違う文化財の素晴らしさを味わえた。7月28日には〈PMF豊平館コンサート〉の会場として100名限定の無料コンサートの開催で人気を集めた。

札響くらぶのミニコンサートは札幌市教育文化会館4階の会場を借りて行なわれていたが、会場確保が難しくて今回は「豊平館」が会場となった。リニューワル工事も終わって訪れてみたいと思った人も多かったようで毎回40名程度の参加者が倍増したようであった。サロンには札響くらぶ会員だけでなく、その家族・友人・知人も参加できることになっている。

第15回札響くらぶサロンは9月11日(日)午後5時半開始。この日はKitaraで堤剛チェロ・リサイタルが開催され終了時間が5時半になってしまいコンサート終了後直ちに同じ公園内の会場に駆け付けた。少々遅れて到着したが2階の広間はもう大勢の人が集まっていて担当者がプログラムの内容を説明していた。
 
第1部は[札響定期演奏会プレトーク]、第2部は[ミニコンサート] 、第3部は[交流パーティ ]。
 
サロンのナビゲーターは毎回おなじみの日本作曲家協議会会員の八木幸三さん。11月定期演奏会の『ワーグナー:ニーべルングの指環』を中心に1時間ほどのトーク。4部作の楽劇《ラインの黄金》、《ワルキューレ》、《ジークフリート》、《神々の黄昏》を順に追って画面に準備した人物像を示しながら大まかなストーリーを彼特有のユーモアをまじえながら話してくれた。4部作のオペラの上演は15時間にも及ぶもので各作品の上演に3時間以上もかかる楽劇は断片的にしか理解していない。そういう点では極めて解りやすい説明で概要が分った。トークの合間に「ワルキューレの騎行」、や「ジ―クフリートの葬送行進曲」などの音楽もかけられたが残念なことに音響が良くなかった。この会場ではある程度予想されたことで今回のプログラムでは大きな影響はなかったと言えよう。
八木先生の話は毎回笑いを誘う場面が多くて今回は特に面白い話の展開で興味深く思った人が多いようであった。

ミニコンサートのソリストは札響オーボエ首席奏者の関美矢子さん。東京藝術大学卒業。ローマ・サンタチェチーリア国立オーケストラ管楽器コースで研鑽を積み、桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程修了。神奈川フィル契約団員を経て、2016年4月より現職。
 
演奏前にオーボエの楽器演奏に欠かせないリード作りについて詳しい説明がなされた。リードの材料となる葦はドイツ・フランス・トルコなどから輸入して奏者自身が自分に合ったリードを何十本も作り上げているとされる。
演奏曲は「バッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲 BWV1055より第1楽章」、「シューマン:3つのロマンス Op.94」、「バッハ:G線上のアリア」、「メンデルスゾーン:歌の翼に」、「サン=サーンス:ソナタ Op.166より第2・3楽章」。最初の2曲の後にピアノ伴奏者(池田茜さん)が「ショパン:幻想即興曲」の親しまれたメロディを華やかに演奏。
アンコール曲に吹かれた「サン=サーンス:白鳥」の音色が会場を優しく包んだ。

絨毯が敷かれた広間で耳にする心地よい音楽もまた特別であった。ミニコンサートの終了後の交流会ではワイン、ビールを飲みながら同じテーブルに居合わせたKitaraボランティア数人と親しく音楽の話に花が咲いた。ゲストの演奏家二人も各テーブルを回って言葉を交わす場面もあって良かったと思う。音楽を好きな人たちが交流の場を広げる貴重な機会ともなった。

サロン担当の方々のお世話に日頃から感謝している。次回も豊平館が会場で12月18日開催の予定になっている。



第9回「札響くらぶサロン」 Takemitsu Memorial Salon

「札響くらぶサロン」はアカデミー活動として2012年12月に第1回サロンを喫茶店「ウィ-ン」で開いた。札響創設当時からの名演奏と言われる定期演奏会を振り返り、当時の録音を聴いたり、札響OBのお話しを聴いて参加者が語り合ったりしてきた。
第5回サロンから会場を札幌市教育文化会館4階研修室に変更して、年間4回開催の予定になっている。私は第5回サロン(14年1月)から参加し始めて、第7回サロン(14年6月)については活動の様子を翌日のブログに書いた。札響アーカイブシリーズのナビゲーターとして今は亡き竹津さんの素晴らしいお話しと交流会の印象が今でも忘れられない。ブログを書いて2週間後に竹津さんの急逝を知った時の衝撃は大きかった。竹津さんが尽力したPMFの開催時期と重なって、札幌の音楽界にとっても彼の死は計り知れない損失であると思った。

9月の第8回サロンは北海道作曲家協会会長の八木幸三さんを新しいナビゲーターとして迎えた。彼は札幌の音楽界の指導者としても多方面で活躍している現役の中学校教諭。第8回「札響くらぶサロン」からサロンは“TAKEMITSU MEMORIAL SALON”と呼称することになり、八木さんの軽妙なトークで新しい企画がスタートした。

《第9回札響くらぶサロン》 
[日時] 2015年1月11日(日)5:30PM~8:45PM  [場所] 札幌市教育文化会館 401号室

〈第1部〉 「札響定期演奏会アーカイブ」
 ナビゲーターは八木幸三さん。札響定期シベリウスのチクルスは来月が最終回。今回のアーカイブはシベリウスの代表作「フィンランディア」の聴き比べ。
 
 フィンランドは東のロシアと西のスウェ‐デンという2つの大国から政治的にも大きな圧迫を受けていた。「フィンランディア」が作曲された1899年当時、フィンランドはロシアの支配下にあった。人々の愛国心を高めるための行事のために、シベリウスはフィンランドの歴史を表した6つの場面のための6つの曲を書いていた。第6曲として書かれた「フィンランドは目覚める」のための音楽が、後に手が加えられ独立して「フィンランディア」となった事が判った。

{新春お楽しみクイズ大会}形式で聴き比べをしたのが次の3曲である。
  ①2009年尾高忠明指揮札響定期の「フィンランディア」
  ②1966年渡邊暁雄指揮札響録音盤の「フィンランディア」
  ③オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィルの「フィンランドは目覚める」の原典版。
 順不同で3曲を聴いてどれが上記の曲であるかを問うクイズであった。正解者の中から1名が抽選で選ばれ、フィンランドのウォッカ“finlandia”が贈られた。
 かなり違う曲かと予想したが、80%は同じだと言うことで、集中して聴いていないとその違いが直ぐには判らないような曲であった。独立を願う国民の想いが表された曲調で熱狂的に支持されたが、帝政ロシアはフィンランド国内での演奏を禁止していた時期もあったと言う。そのような時代に国内では“SUOMI”(スオミ)という曲名(祖国を意味するフィンランドの国名)で演奏されていたと言う話はよく知られている。
 
 ※フィンランドではスウェーデン語が公用語として広く使われていた。言語学的にはスウェーデン語はヨーロッパの言語に属し、フィンランド語はアジアの言語に属すると言われている。日本と韓国の関係と同様にフィンランドとスウェーデンの関係は仲が悪いようである。(英国でもイングランドとスコットランド、イングランドとウェールズ、イングランドと北アイルランドは同じ国とは言えない関係にあるのは昔からよく知られている事である。)

〈第2部〉 ミニ・コンサート
 札響第1ヴァイオリン奏者の河邉俊和さんによるヴァイオリン独奏。
  ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第6番ホ長調
  パガニーニ:「24のカプリ―ス」より 第1番、第3番、第20番
  バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より 「シャコンヌ」
  バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より 「ガボット・アン・ロンドー」
  
河邉さんは神奈川県出身。東京音楽大学卒業。1993-95年、九州交響楽団コンサートマスター。97-99年、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉や東京ヴィヴァルディ合奏団の客員コンマス。東京ヴィヴァルディ合奏団などではソリストとしても度々コンチェルトを演奏。NHK FMリサイタルに出演。東京、福岡、札幌でリサイタル。2000-04.年札幌交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者、05年から札響第1ヴァイオリン奏者として現在に至る。
札響くらぶの催事に毎回のように顔を出し、楽員とファンクラブの交流に極めて協力的なアーティスト。札幌市内の各種活動も積極的に行っており、後進の指導にも携わっている。

トークを交えてミニ・コンサートというより、リサイタルのように思えるプログラムを披露してくれた。
ヘンデルのソナタは自ら編曲して無伴奏で演奏。ヘンデルのソナタは余り聴いたことが無かった。パガニーニの2曲は暗譜で演奏。慣れていないと大変な難曲と思うが、久しぶりで演奏したとの事。かなりの経験がないと、プロとは言えボランティアのような活動に感心した。驚いたことに、20分近くもかかる大曲「シャコンヌ」を暗譜で弾き切った。ブラヴォーの掛け声もかかるほどで拍手喝采で会場が湧きあがった。ソリストとしては当然だろうが楽員として誰でも出来ることではないと思った。もちろん、演奏内容も素晴らしくて感銘を受けた。壮麗で長大な短調の曲の後は明るくて軽やかな長調の3分余りの曲で締めた。
1時間以上の演奏にも疲れを見せず、自ら作曲した優しい曲をアンコールに披露。最後にラデッキー行進曲で演奏を終えた。401号室は録音室で音響も良いので演奏者自身も満足した様子で何よりだったが、参加者全員が期待以上のプログラムに大満足だったのは言うまでもない。

〈第3部〉 ゲストの皆さんと楽団員さんを交えての新年会(交流パーティ)
 ひとテーブル10人のテーブルをいくつか作っての交流会。ワイン、ビール、日本酒を飲みながら音楽の話題で1時間はあっという間に過ぎてパーティ終了。二次会参加者は会員経営のクラシック音楽を楽しめるバー“OLD CLASSIC”へ徒歩やタクシーで向かった。20名ほども集まって立ち飲みの人も出た中で深夜近くなったころ各々家路へと店を出た。同じ趣味の仲間の集いは何と楽しいことか!



札響くらぶサロン

「札響くらぶサロン」はアカデミー活動として、札響創設当時からの名演奏といわれる定期演奏会などを振り返り当時の録音を聴いたりして、札響の音楽に詳しい音楽家のお話も聞きながらクラシック音楽ファンが語り合ったりする場です。
2012年12月から活動が始まって、年間4回開催が予定されています。私は14年1月に行われた第5回のサロンに初参加しました。第5回からサロンは札幌市教育文化会館4階研修室で開かれています。

第7回は竹津宜男さんのナビゲーターによる「札響くらぶサロン」。
2014年6月21日(土) 17:30~20:45

第1部は「札響定期アーカイブ協奏曲聴き比べ」
 チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
  第96回定期(1970年) ピアノ/松浦 豊明 
  第150回定期(1975年) ピアノ/アンドレ・ワッツ 

ワッツは69年の85回定期でラフマニノフの第3番を弾いていて、札響客演が2回目。46年生まれ。63年にバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル定期にグールドの代役での出演で一躍有名になった。PMFには97年、09年に参加。デビュー当時は指の動きが速いのが特徴だったようだが、第1・第2楽章各3分程度の録音を聴くとテンポが遅め。

松浦豊明(1929-2011).は大阪に生まれ、東京音楽学校に進学したが47年に中退。58年第1回チャイコフスキー国際コンクール第7位入賞。その後、ベルリン国立音楽大学に入学。59年、ロン=ティボー国際コンクール第1位。日本人初の国際音楽コンクール優勝者。その後、帰国する69年までドイツを拠点にヨーロッパと日本で演奏活動。東京芸大教授に就任後は演奏活動の依頼が(文部省の許可が必要のため)簡単でなくなって誠に残念であったと竹津さんは語っていた。
竹津さんも今回のサロン計画で96回定期の松浦の演奏の素晴らしさに感動して、全部聴くことになった。会場の401号室は録音室で天井が高く音響も素晴らしくて、チャイコフスキーの名曲を堪能した。

第2部は「札響定期アーカイブ交響曲聴き比べ」
 ベートーヴェン: 交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」
  第60回定期(1967年) 指揮/荒谷正雄、  第79回定期(1968年) 指揮/渡辺暁雄
  第242回定期(1983年) 指揮/尾高忠明

札響の創立は1961年。設立当初は正団員が19名(プロ)で、他は準団員でアマチュア。
各楽器担当のセカンドは全員アマチュア。アマチュアといっても技量は優れていたそうである。演奏会に備えてのオーケストラ全体での練習量が絶対的に足りないために、当時は練習が思うようにいかなくて苦労したようである。
1968年から札響の楽団員全員が正団員となったという。
67年と68年の定期の演奏の録音を聴いて、その違いが素人にもハッキリと判った。同じオーケストラとは思えない響きであった。豊富な練習量で、演奏に余裕が生まれて好演に繋がったらしい。間の取り方が違うというナビゲーターのコメントがあった。

83年の尾高忠明指揮の「英雄」は名演だったということで、全曲を通して聴いた。札響によるベートーヴェンのチクルスを最近も聴いているが私自身では明確な区別はつかなかった。録音でも迫力があったことは確かだったし、金管楽器の響きが凄いかなという感じはした。80年代の札響は素晴らしくて、サントリーホールの音響を担当した永田音響の豊田氏も完成度に満足がいかなくて、札響のためにも最高のホールを目指してKitaraの音響設計に当たったと言う。
Kitaraがオープンしてからの札響は専門家の評判は必ずしも良くなかったらしい。札響の奏でる音とホールの音響がマッチしなかったのかなと推測してみた。当時は外国のオーケストラが評判を聞きつけてKitaraで公演することが多くて、私自身は札響定期会員をしばらく休んでいた。(95年~06年)(それでも年に数回は札響の公演は聴く機会はあった。) 07年から定期会員に戻ったが、オーケストラのレヴェルには結構満足している。

第3部は交流パーティ。クラシック音楽に詳しい人々と音楽談義に話が弾んだ。ビールの他に、会員が2010年のショパン国際ピアノコンクールの折にポーランドで購入したと言う「ポーランド・ウォッカ」の水割りを試飲してみたのも面白かった。竹津さんの「札響・PMF」にまつわるエピソードはいろいろ読み、話を聴く機会もあるが、今晩は直接身近に交流できて光栄であった。彼の話は実に面白い。彼は札響やPMFの生き字引である。まだまだ知りたいことが沢山ある。

★竹津宜男さんのプロフィール。
 1959年、広島大学教育学部音楽科卒業。61年、札幌交響楽団創立楽団員(ホルン奏者)。74年、札響事務局員、事務局長(81-88)。 PMF組織委員会オペレーティング・ディレクター(91-05)。12年、札幌芸術賞受賞。

*「札響くらぶ」は札幌交響楽団の応援団として、2016年には創立20周年を迎える札響公認の唯一のファンクラブ。会員数は約450名。年会費2500円(楽譜支援500円を含む)。札幌市内中学校吹奏楽部員への「定期演奏会招待事業」(送迎バス付き)などの活動も行っている。


プロフィール

Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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