ミロシュ ギターリサイタル

Kitaraで開かれるギターのコンサートに出かけることは殆ど無い。今まで聴いたことのあるギターリサイタルで記憶しているのは次の2人。2000年12月の木村大のリサイタル(多分、彼は当時十代の少年であった)。村治佳織のコンサートは2度くらい聴いていると思うが、リサイタルでは2012年4月。 クラシック音楽を中心に聴いているので、ギターだけのコンサートに出かけるのは極めて稀である。
1000枚ほど所有しているCDでギターに関するものは3枚だけである。最初に購入したのは山下和仁が編曲して演奏した「展覧会の絵」と「火の鳥」のCD。2枚目がナルシソ・イエぺス演奏の「ロドリーゴ:アランフェス協奏曲」などが入ったCD。もう1枚が福田健一が演奏する「ハイパー・アンコール」というCD。これらのCDもめったに聴く機会はない。

今回はミロシュという話題のギタリストの記事を読んでいて、Kitara主催のコンサートだったので聴いてみることにした。ミロシュは今回のKitaraでのコンサートに際してメッセージを寄せていた。「“Kitara”という名の響きが“ギター”のように聞こえて、北海道、Kitaraの聴衆と一緒に音楽を共有することを楽しみにしている。」と述べていた。

〈Kitaraワールドソリストシリーズ〉

2014年12月6日(土) 14:00開演  札幌コンサートホール Kitara小ホール

 ミロシュ(MILOS)は1983年、モンテネグロ生まれ。8歳でギターを始め、17歳でロンドンの英国王立音楽院に入学。2011年にデビューアルバムをリリースして話題となった。数ヶ月で世界中のクラシック部門でチャート1位。最新のCDが「アランフェス協奏曲」でヤニック・ネゼ=セガン指揮ロンドン・フィルとの共演。(ネゼ=セガンはフィラデルフィア管の音楽監督で話題の若手指揮者)。
2012-13年シーズンから世界中でコンサート・ツアーを行ない話題沸騰。シカゴ響、ロサンゼルス・フィル、クリーヴランド管、フィラデルフィア管など数多くのオーケストラと共演。日本ではN響と共演。2014-15年シーズンはヨーロッパ、アメリカ、アジアでのリサイタルやオーケストラとの共演が予定されている。

〈プログラム〉
 ソル:グラン・ソロ 作品14、   レゴンディ:夢 作品19
 グラナドス(M. ルーイン編):スペイン舞曲集 作品37より 第2番《オリエンタル》
 J.S.バッハ:無伴奏パルティータ 第2番 二短調 BWV1004より シャコンヌ
 ファリャ(M. ルーウィン編):三角帽子より《粉屋の踊り》
 ファリャ:クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌
 ファリャ(M. ルーウィン編):歌劇「はかない人生」より スペイン舞曲 第1番
 ロドリーゴ:祈りと踊リ(ファリャをたたえて)
 ベラスケス(S.アサド編):べサメ・ムーチョ
 ベン(S.アサド編):マシュ・ケ・ナダ
 ドメニコーニ:コユンババ 作品19

当日券発売もあってチケットは完売。久し振りに予備席も売り出されて小ホールは大入り。私は早くから購入していて1階5列11番。先日のレーピンのコンサートで出会った大学同期の友人が隣席に居合わせてお互いにビックリ。コンサートでしばしば一緒になるが隣りの席になるとは偶然とは言え繋がりを感じた。彼はギターを習っているので、このコンサートに来ているのは予想できたが、、、)

ミロシュはステージに登場するや日本語で挨拶。間の取り方や発音も上手い。巧みな挨拶で観客を惹きつけた。途中から英語でチョコレートが大好きで、北海道でRoyceの生チョコを友人のお土産として手に入れていけるのは嬉しいと言っていた。曲の紹介をして演奏に入った。

今日のプログラムで名前の分かる作曲家はバッハ、グラナドス、ファリャ、ロドリーゴだけ。
フェルナンド・ソル(1778-1839)はギター音楽古典期のスペインの作曲家。格調の高い調べの曲。
ジュリオ・レゴンディ(1822-72)はロマン派時代のギターのヴィルトゥオーゾでフランスの作曲家。曲が流れた途端に耳慣れたメロディと気付いた。とても華やかで抒情的な曲。

グラナドス(1867-1916)のスペイン舞曲集(全12曲)はピアノ曲として知られている。哀愁に満ちた幻想的な曲がギターの調べでスペインの雰囲気を醸し出した。

それぞれ10分程度の1曲目と2曲目が終わると、ミロシュはステージを下がったが3曲目の後、彼はバッハを弾きだした。3曲目が終って拍手をする人がいたが、ほんの少しの間があって4曲目に入った。一瞬、グラナドスのスペイン舞曲が続くのかと思った。シャコンヌもメキシコからスペインに渡来した舞曲だが、まさか連続してバッハの曲が演奏されるとは思いもせず意表をつかれた。
今回の曲で良く知っている曲は「シャコンヌ」だけなので、ミロシュがどの様にギターで奏でるのかに一番興味があった。集中力に欠けたこともあり、編曲のせいもあって短めに終った。クレーメルやハーンの演奏を何十回も聴いているヴァイオリン曲とはやはり違う。当たり前と言えばそれまでだが、聴く心構えがずれてしまった。あの壮麗な曲を充分に味わえなくて残念であった。

後半に登場して「お久しぶりです」と挨拶して、聴衆の心を掴む術も巧みである。後半の演奏曲の説明を英語でして、最初に3曲続けてファリャの曲。マニュエル・デ・ファリャ(1876-1946)の代表作となったバレエ音楽「三角帽子」。小澤征爾指揮ボストン響による全曲のCDのうち「粉屋の踊り」だけ予め聴いてきた。粉屋の亭主が踊るスペイン民俗舞曲ファルーカ。
2曲目と3曲目は全く聴いたこともない曲。ファリャはパリ留学期間中にドビュッシーと知り合って色々な影響を受けた。ファリャ唯一のオリジナル・ギター曲。ハバネラ風のリズムと調べ。
歌劇から情熱と哀愁を込めた舞曲の調べ。
3曲をまとめても10分程度。ミロシュはスペイン舞曲をさほど激しくなく、むしろ哀愁を込めて弾いた。

ホアキン・ロドリーゴ(1901-99)は20世紀スペインを代表した作曲家。「アランフェス協奏曲」が最も名高い作品。ギター独奏曲のひとつ「祈りと踊り」は1961年、ファリャの没後15周年を期して書かれたと言う。前半の祈祷でファリャの霊を呼び出し、後半の舞踏で共に踊ると言う作品。これは聴きごたえがあった。
この曲でミロシュの演奏に引き込まれた。

予定された曲目になくて付け加えられた小品2曲。「べサメ・ムーチョ」はラテンのラヴソングとして古くから有名。

カルロ・ドメニコーニ(1947- )は最も有名なギタリスト・作曲家として知られている人物。1985年に発表した現代のヒット曲。この幻想的な雰囲気に満ちた曲をミロシュは流石と思わせるテクニックで弾き切った。素晴らしい演奏でコンサートを締めくくった。
アンコール曲は無しだった。ホワイエではCDを購入してサイン会に並ぶ人々が列をなしていた。彼のイケメンぶりを見ようと待つ女性への笑顔のサービスも自然であった。








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Author:fsuterry
年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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