ラトル指揮ベルリン・フィル日本公演2017に先立ち、東京公演と同じプログラムをデジタル・コンサートホールで鑑賞

2017年11月のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(サイモン・ラトル指揮)アジア・ツアーに先立って、ベルリン・フィルハーモニーで11月3日と4日の2日間、東京公演と同じプログラムが演奏された。シーズン・プログラム(PROGRAMME 2017/2018)には11月のコンサートは一つだけで少ないと思っていた。11月にアジア・ツアーが実施され、香港・中国・韓国・日本の公演があるのに気づいていなかった。
メールに香港公演のプログラムが入っていて、東京公演と同じ2種類のコンサートを視聴できることを知った。定期公演(3日)の視聴を先日済ませていて、今日は4日に行われたフィルハーモニーでの公演を視聴した。今日は3日の公演も再び視聴した。

【ラトルが《ペトルーシュカ》とラフマニノフ「第3番」を指揮】
演奏曲目/ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(1947年版)、チン・ウンスク(陳銀淑):コロス・コルドン(ベルリン・フィル委嘱作品)、ラフマニノフ:交響曲第3番。

「ペトルーシュカ」は当初、ピアノとオーケストラの協奏曲風の作品として構想され、ディアギレフの説得を受けてバレエ音楽として書かれ、1911年に初演された。1947年に楽器編成を縮小して改訂版が出された。ペテルブルグの謝肉祭に起こった人形ペトルーシュカの悲劇を題材にした音楽。ピアノの華々しい活躍があり、ロシア民謡、舞踏曲などの音楽が入った華麗な作品で、CDで聴いていただけでは分らない漠然とした音楽が,今回は生き生きとして伝わってきて非常に楽しめた。映像を見て、ストーリーの場面を把握しながらワクワクした気分で鑑賞した。ラトルも表情豊かな指揮ぶりで、木管、金管各奏者のソロも含めて楽器の特徴的な響きを心から楽しめた。ストラヴィンスキーの曲をこんなに楽しい気分で最初から最後まで聴けたのは今までにないことで、日を変えて2度聴いた。

Unsuk Chinは韓国の若い女性作曲家。曲のタイトルは“古代ギリシャの弦の踊り”の意味。天文学や宇宙論に興味があるというが、陳の演奏時間11分の曲は音響的にはストラヴィンスキーに近い性格の現代曲。韓国で彼女は大歓迎を受けるのは間違いなさそうである。

ラフマニノフの最後の交響曲「第3番」は米国に亡命中の1935・36年の完成で、第2番から30年近くが経っていた。ピアニストとして多忙で絶頂期を迎えていた時期に書かれた作品はラフマニノフ特有のロシア的抒情を湛えながらも、晩年に近い心境も吐露された曲のように思えた。第2番に比べて聴く機会が少ないが、非常に聴きごたえのある作品であった。
ヴァイオリン・ソロでコンマスの樫本が奏でる甘美な旋律、フルートのパユ(*来月5日にKitaraで久しぶりにリサイタルを開く)が歌う旋律も美しい。オーボエのマイヤー、ホルンのドールのソロなどの惚れ惚れする響きも心にしみた。ラフマニノフのオーケストレーションの素晴らしさを満喫した。

【チョ・ソンジンがラトル指揮でベルリン・フィルにデビュー】
演奏曲目/R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」、ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調、ブラームス:交響曲第4番。

シュトラウスはハンガリーの詩人レーナウの叙情詩に基づいて、この曲を書き、理想の女性を求めて女から女へと移り、最後には決闘で傷ついて人生を終える悲劇的な男の姿を描いた。何度も聴いている曲であるが、いつもと違って、より身近な曲として聴けて楽しかった。4日のコンマスはスタブラヴァ、各楽器のソロ担当は前日と違う奏者だった。西欧のオーケストラは東欧と比べて奏者の負担が少なくて済む陣容を整えているのを実感した。

ピアノ奏者に予定されていたラン・ランの代役で2015年ショパン国際ピアノコンクール優勝者Seong-Jin Choがベルリン・フィル初登場。今年の1月にKitaraで感動的なリサイタルで強烈な印象を残したチョ・ソンジンは当然ベルリン・フィルハーモニーのステージに上がっていると思っていたので少々意外であった。急遽の代役で、予定の曲目はChoが15歳から弾き続けているというラベルの協奏曲に変更された。
ラヴェルのスペイン趣味やアメリカのジャズから生まれた独自の幻想味あふれる曲の展開はラヴェルならではの独創的な試みがなされている。楽想が豊かで、色彩感のある表現も見事である。第2楽章は繊細さと華やかさを備えた緩徐楽章。終楽章は力強く煌びやかなフィナーレ。
何度か演奏会で聴いているが、やはり手の動きと顔の表情が明瞭に見れる映像付きで聴く音楽は違う。チョは、まだ23歳だが、貫禄十分で圧倒的な演奏で聴衆の盛大な拍手と歓声を贈られていた。
ベルリン・フィルの日本人第2ヴァイオリニストの伊藤マレーネからのインタヴューを受けて、本拠地をパリからベルリンに移した話も初めて耳にした。フランス音楽を勉強して、その成果をCDでリリースしてもいる。今回の韓国訪問は2度目の凱旋帰国になり熱狂的な歓迎を受けるようであるが、本人は冷静にいつもと変わらぬ演奏を続ける覚悟を語った。

ブラームスの「第4番」は第1番と並ぶ人気の交響曲。「ドン・ファン」と「ブラームス第4番」は前回の日本公演と同一プログラムだそうである。ラトル最後のベルリン・フィル首席指揮者としての最後の来日公演を飾る記念すべきプログラムのようである。
2日間にわたるラトルの指揮ぶりは心なしかいつもより渾身の力のこもった指揮ぶりに思えた。23・24・25日の川崎・東京公演が成功裡に終わることを祈る!
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カティア・ブニアティシヴィリ ピアノ・リサイタル

世界の俊英ピアニストのひとり、ブニアティシヴィリはクレーメル・トリオのメンバーとして2011年4月6日、Kitaraでチャイコフスキーのピアノ三重奏曲などを演奏する予定になっていた。残念ながら、東日本大震災のためキャンセルになった。その時からピアニストの名を記憶していて、彼女が世界の注目を浴びる演奏家になっていく様子を見守っていた。1年前から札幌公演の情報を得て、今回のリサイタルを楽しみしていた。

札幌コンサートホール開館20周年 〈Kitaraワールドソリストシリーズ〉
Khatia Buniatishvili Piano Recital

2017年11月18日(土) 14:00開演  札幌コンサートホールKitara小ホール

ブニアティシヴィリは1987年グルジア(現在のジョージア)生まれ。12歳から本格的な演奏活動を始める。2003年ホロヴィッツ国際コンクールで特別賞、2008年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール第3位。同年カーネギーホールにデビュー。その後、プレトニョフ、アシュケナージ、パーヴォ・ヤルヴィ指揮の世界の一流オーケストラと共演するほかに、リサイタルや室内楽で活躍している。

〈Program〉
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 「熱情」 作品57
 リスト:「ドン・ジョバンニ」の回想
 チャイコフスキー(プレトニョフ編曲):組曲「くるみ割り人形」
 ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 作品52
 リスト:スペイン狂詩曲
 リスト(ホロヴィッツ編曲):ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調

ピアノという楽器の限界を駆使しながら情熱を荒々しく表現したベートーヴェンの最高傑作ともいえるピアノ・ソナタ。バックハウス、シュナーベル、グールド、ホロヴィッツ、ゲルバー、ハイドシェク、ポリーニ、ブーニン、トカレフ、ユンディと10枚を超えるCDが手元にあり、ライヴで聴いたピアニストは数えきれないほど。運命の動機が入り、緊迫感のある第1楽章、情感を湛えた第2楽章、情熱的な嵐が吹く第3楽章。ダイナミックでドラマティックな曲を久しぶりに聴いた。

モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」は序曲は聴く機会が多く、今月2日のグルベローヴァの演奏会で「ドンナ・アンナのアリア」も聴いたばかり(*スロヴァキア、チェコ、ドイツ、スイスなどgruberova.comから毎日私のブログにアクセスしてくるが、グルベローヴァ・ファンの多さに改めて驚く)。
ピアノ編曲版は初めて聴いた。オペラの第2幕、墓地で騎士長の石像がドン・ジョバンニに復讐をほのめかす場面から始まり、美しい二重唱「お手をどうぞ」による変奏などを聴きながら、オペラの場面を何となく思い浮かべた。さすが、リストの曲だと思わせる鍵盤の上を手が走り回る超絶技巧の演奏テクニックに目を奪われた。
演奏中に村上春樹の小説「騎士団長殺し」を思い浮かべる雑念もあった。とにかく面白かった。

プレトニョフ編曲の「くるみ割り人形」は10年前まで4年連続して来演していた若手のニコライ・トカレフのCDが手元にある。「行進曲」、「金平糖の踊り」、「タランテラ」、「間奏曲」、「トレパーク」、「中国の踊り」、「アンダンテ・マエストーソ」の7曲から成る組曲。管弦楽のバレエ音楽を見事にピアノ曲に編曲した作品で、馴染みのメロディに心も弾む。来年10月開館の札幌文化芸術劇場でバレエを観る機会がいつかあると期待も大きくなる。

ブニアティシビリはリストとショパンのアルバムをリリースしていて彼らの曲を得意にしているようである。リストとは全く趣の違ったショパンの曲。美しい主題が、次々と変容していくドラマティックで色彩感に富んだ曲。バラード4曲中で「第1番」が最も親しまれていると思うが、「第4番」はショパンの偉大な創造性が示された作品として音楽的に傑作とされているようである。

前半2曲の後に休憩を挟んで後半は4曲。後半はステージを下がらずに弾き続け、最後の2曲はピアニストが最も得意としているリストの作品。
「スペイン狂詩曲」はスティーヴン・ハフと反田恭平のCDがあるが、馴染みの曲にはなっていないので、今回のコンサートの前に聴いてみた。2年前にリリースしたKyohei Soritaの“Liszt”は発売早々に手に入れた。ニューヨーク・スタインウェイCD75(1912年製造)を使用しての演奏は素晴らしくて、何度か繰り返して聴いている。リストはスペイン旅行を行った1845年に「スペインの歌による演奏会用大幻想曲」を完成している。1863年頃、この作品の主題を用いて新たに書かれた曲が「スペイン狂詩曲」。前半ではフォリアと呼ばれる荘重なスペイン舞曲、中間部ではホタ・アラゴネーサ(スペインのアラゴン地方の民謡)が用いられ、最後はフォリアが華麗に再現される。リストの作品の中でも、ひときわ高度な演奏技術が要求されるという難曲をいとも簡単な様子で弾くブニアティシヴィリ。運指の動きがホール中央の座席から見え、ミスタッチがあるかもしれないような速度で何分も弾き続けるピアニスト。凄いと言うほかに言葉が見つからないほどのテクニック。

最後はホロヴィッツ編曲の「ハンガリー狂詩曲第2番」。この曲は演奏会で馴染みのメロディ。ランランとトカレフの弾くCDでもよく聴いた。全19曲のうちで、「第2番」は実に華やかで、聴いていて楽しい。コンサートの最後を飾った曲にブラヴォーの声があちこちから飛び交った。

1ヶ月前にチケット完売となり、演奏終了後の客席を埋めた聴衆盛大な拍手喝采に、ブニアティシヴィリも満足の様子で、次々とアンコール曲を披露して最終的には5曲にもなった。2階バルコニー席からスタンデイング・オヴェ―ションをしている若い客の姿も目に入った。
アンコール曲は①シューベルト(リスト編):セレナード ②リスト:メフィストワルツ第1番 ③ドビュッシー:月の光 ④ヘンデル:メヌエット ⑤ショパン:前奏曲 ホ短調 作品28-4。

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服部百音 ヴァイオリン・リサイタル

服部百音という天才的ヴァイオリニストの名は彼女がティーンエイジャーになる前から耳にしていた。現今では4・5歳からピアノやヴァイオリンを始める子は珍しくなく、環境に恵まれて本人の才能・努力があればティーン・エイジャーで世界に羽ばたく演奏家も現れる時代である。ただピアノとヴァイオリンでは大人と互角に競える年齢に違いがあるようである。例えば、日本音楽コンクールのピアノ部門の最年少優勝者は高校生であるが、ヴァイオリン部門は中学生が快挙を成し遂げている。
服部の名が“もね”と呼ぶのに気づいたのは半年前のことで、それまでは“ももね”と覚えていた。11歳で世界デビューしていたことも、昨日のYouTubeの映像で知った。
日本の若手のヴァイオリニストの活躍が頼もしいと思う昨今であるが、今回のリサイタルは発表時から楽しみにしていた。プログラミングが魅力的で、難曲と思われる曲がずらりと並んで、聴いたこともない曲も数曲演奏されるのが愉しみを倍加させた。

服部百音(Mone Hattori)は1999年生まれで、8歳よりザハール・ブロンに師事(*ブロンはレーピン、樫本、ヴェンゲーロフなど世界的ヴァイオリニストを綺羅星のごとく育て上げている指導者)。09年ヴィエニャフスキ国際コンクールのジュニア部門で史上最年少優勝。13年ノヴォシビルスク国際ヴァイオリンコンクールでグランプリに輝き、15年にはアシュケナージ指揮EUユース管と共演し、16年にはマリインスキー劇場でも演奏、国内リサイタル・ツアーも行った。

2017年11月14日(火) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara小ホール
〈Program〉
 エルンスト:《夏の名残りのばら》による変奏曲
 プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 作品80
 エルンスト:シューベルトの《魔王》による大奇想曲 作品26
 ショーソン:詩曲 作品25
 マスネ:タイスの瞑想曲
 ジンバリスト:R=コルサコフの《金鶏》の主題による演奏会用幻想曲
 ラヴェル:ツィガーヌ

エルンストとジンバリストはヴァオリニストとして知っていたが、作曲家としての作品を聴くのは初めてだと思う。
エルンストはヤナーチェクと同じチェコ・モラヴィア地方のブルノ出身。神童としてウィーンでヴァイオリンを学ぶ。アイルランドの詩人、ムーアの詩による「夏の名残りのばら」は日本では「庭の千草」として知られている。いろいろな変奏で繰り返し馴染みのメロディも出てくるが、ピツィカートを使いながら演奏するテクニックは最高に難度の高いものに見えた。
曲は「無伴奏ヴァイオリンのための重音奏法の6つの練習曲」の中の第6曲。超絶技巧を駆使した曲に聴衆が魅了され、ブラヴォーの声が沸き起こった。

プロコフィエフが書いたヴァイオリン・ソナタ「第1番」は1938年に着手されたが、第二次世界大戦の混乱もあって再着手が1946年で、同年に完成してオイストラフ&オボーリンのコンビで初演され、スターリン賞を受賞した。
シゲティが弾くCDを所有していて、以前の演奏会の前にも聴いたことがあるが、今回は真っ白な状態でコンサートに臨むことにした。プロコフィエフらしい現代音楽の味がした。ヴァイオリンの持つ幅広い表現力が発揮され、ピアノのドラマティックな伴奏も力強く、ピアニストの実力も試される曲のように感じた。4楽章構成で演奏時間は30分ほどの聴き応えのある曲。

エルンストはパガニーニの影響を受け、彼の作品を上回るような超絶技巧が必要なヴァイオリン曲を次々と書いたといわれる。ゲーテの詩によるシューベルトのドラマティックなストーリーに沿ってヴァイオリン独奏用の作品に仕上げた。

ショーソンの「詩曲」は元々はヴァイオリンとオーケストラのための作品であるが、ふつうはピアノ伴奏で演奏される。演奏会で取り上げられる機会も多い。ツルゲーネフの小説「愛の勝利の歌」に基づく作品で、文学的要素がある。美しい調べをヴァイオリンが歌いまくる詩情に満ちた曲。

「タイスの瞑想曲」は30年ほど前に出勤の行き帰りにカーステレオで毎日のように聴いていた曲。珠玉の名曲集の小品には必ず組み込まれる曲で最も親しまれているヴァイオリン曲のひとつ。
マスネの歌劇「タイス」に出てくる間奏曲だが、単独の名曲として知っているだけで、オペラは観たことがない。

ジンバリストはロシア生まれのヴィルトゥオーゾで、後年アメリカに移住。来日公演も度々重ねた。リムスキー=コルサコフのオペラ《金鶏》はタイトルも今まで知らなかった。「演奏会用幻想曲」はオペラ音楽の編曲作品。今回のプログラムの解説を読んで寓話の内容も初めて知った。
ヴァイオリンとピアノのための演奏会用幻想曲は冒頭のファンファーレの部分から始まって、オペラのストーリーを追う形で音楽が進んだ。10分程度の曲だが、難曲と思える演奏技術をスピード感をもって軽々と弾きこなす力は何とも凄い。

最後の「ツィガーヌ」はヴァイオリン独奏部による情熱的な長い導入部があって無伴奏ヴァイオリン曲のよう。ハンガリーのロマ(ジプシー)のヴァイオリニストの即興演奏を思わせる部分。超絶技巧を要する作品でヴァイオリニストの力量や個性が表れる作品。後半にピアノも入る幻想的なパートも印象的だった。

聴衆からため息が出るような感動的な演奏が繰り広げられた。ピアノ伴奏を務めた三又瑛子(みまた あきこ)も好演。
アンコール曲は「イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 第4楽章」。

今回のリサイタルはヴァイオリニストが演奏したい曲を自ら選曲して開催されたように思えるが、私個人としては素晴らしいプログラミングに感謝したい。これほどワクワク感と満足感を覚えたヴァイオリン・リサイタルも珍しい。
服部百音は11月の国内公演を1日にN響コンサートでスタートして、井上道義指揮でチャイコフスキーの協奏曲を演奏。その後、リサイタル・ツアーを名古屋、大阪、札幌、東京で開催。来年以降の来札を期待したい。

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ロシア国立交響楽団《シンフォニック・カペレ》~チャイコフスキー三大交響曲

ロシア国立交響楽団(The State Symphony Orchestra of Russia)は1936年創立のロシアを代表するオーケストラである。スヴェトラーノフが1965年~2000年まで音楽監督・首席指揮者として黄金時代を築いた。今回の来演するオーケストラの日本語名が同じであるが、英語名が“State Symphony Capella of Russia”.。
サンクトペテルブルク・フィルやマリインスキー劇場管、モスクワ・フィル、チャイコフスキー響(旧モスクワ放送響)は度々聴きに行っていた.。このオーケストラの公演情報が年明け早々にあった時にはやや躊躇していた。妻が主催者の特別先行販売の案内を受けてチケットをインターネットで申し込むということで、プログラムの「チャイコフスキー第4~6番一挙連続演奏」の魅力もあって付き合うことにした。チケットは異常に早く7ヶ月以上前に届いていた。

昨日のコンサートに出かける前に、ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管による“TCHAIKOVSKY SYMPHONIES NOS 4.5 &6”(パリのサル・プレイエルでのライヴ録音、2010年)のDVDを視聴した。何かほかの事をしながら聴く“ながら”CDより集中度が高くなる。ゲルギエフ&マリインスキー劇場管は2009年に2夜にわたってチャイコフスキー3大交響曲とピアノ協奏曲を演奏したことがあった。
今回のように一晩での連続演奏会は極めて珍しい。どのオーケストラでも実現できるわけではない。

2017年11月10日(金) 18:30開演  札幌コンサートホールKitara大ホール

指揮/ ヴァレリー・ポリャンスキー(Valery Polyansky)
管弦楽/ ロシア国立交響楽団《シンフォニック・カペレ》(State Symphony of Russia)

ポリャンスキーは1949年、モスクワ生まれのロシアの指揮者。モスクワ音楽院でオーケストラと合唱の指揮を学ぶ。大学院の時にロジェストヴェンスキーに師事し、77年からボリショイ劇場でロジェストヴェンスキーのアシスタントを務め、やがて同劇場の指揮者となる。国内外のオーケストラにも客演して、92年にはロシア国立シンフォニー・カペラ(前身はソヴィエト文化省響)首席指揮者に就任。2002年よりスウェーデン・エーテボリ音楽祭首席指揮者、モスクワ音楽院教授。

音楽之友社によると、このオーケストラは1982年にソヴィエト国立文化省交響楽団として発足した。ロジェストヴェンスキーが国内名門オーケストラの中から優れた奏者たちを集め、オーディションで選抜したモスクワ音楽院の若き音楽家たちを加えて、まさに夢のオーケストラを結成したという。モスクワを本拠地にして、演奏活動、録音活動ともに順調なスタートを開始したが、ソ連崩壊によって挫折した。「モスクワ・シンフォニック・カペレ」として活動を続けたが、指揮者のロジェストヴェンスキーが国外へ出てしまった(*ロジェストヴェンスキーは読売日響の名誉指揮者となっているが、同響での活躍も多く、96年に札幌公演も行った)。国の援助も途絶えて、91年頃は解散状態のようだったと言われるが、ゲルギエフを中心とする音楽家たちの努力でロシア政府を動かし、21世紀に入って、ロシア音楽の復興が図られたように思われる。、

2015年の来日公演でロシア国立交響楽団は「チャイコフスキー第4・5・6番連続演奏」を敢行して、全国10公演が大好評を博したという。人気のチャイコフスキーの3交響曲の演奏は魅力的なプログラムであることは間違いないが、一晩での3曲一挙公演は困難である。今回の3曲連続演奏会は貴重な機会となった。

〈Program〉
 チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
 チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
 チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」

チャイコフスキーはマンフレッド交響曲を含めると7曲の交響曲を残している。「第4番」は最も変化に富んだ劇的な作品。第3番までの民族的な表現法に加えて自伝的な標題音楽を重ね合わせることによって、独自の交響曲の様式を確立したように思う。この曲を書いた当時、チャイコフスキーは不幸な結婚に悩み、精神の激動の時期にあった。運命に対して絶望し、奮闘して勝利する様子が描かれている。
ホルンとファゴットが奏でる激しい序奏は「運命」のモチーフ。人間に襲い掛かる運命の動機はこの曲の悲劇性を強調する。曲が展開されると抒情性もくみ取れる。緩徐楽章の第2楽章では悲哀に満ちたオーボエの旋律が印象的だが、クラリネットやファゴットで奏される農民舞曲風の安らぎの調べも心に響く。第3楽章のスケルツォは弦楽器のピッチカートが曲に変化を与えた。憂鬱な気分を吹き飛ばすような荒々しい主題とロシア民謡の旋律による主題。交互に繰り返されて最後に祝祭的な気分のフィナーレ。

ステージ上で楽器の配置の段差が無くて、管楽器奏者の演奏状況が見れなかったのが残念! 座席が1階6列やや上手寄りで弦楽器群に比して管楽器奏者が全く視野に入らなかった(*自分で座席を選べなかった)。シンバルとトライアングルの奏者のみ立って演奏した時に目に入った。管楽器奏者が少なめと思ったが、音量は十分に出ていた。楽器の音色の区別は幸いできていた。
指揮台も無く、ステージ上の台の設置も無しというKitaraでは珍しいステージの状況で、その理由はハッキリとはしなかったが、音楽鑑賞には支障はなく、演奏効果を狙ったのかもしれないと思った。

1曲が45分程度の曲で休憩時間が2回あった(各20分)。2階RB、LBにかなりの空席が見えたが、P席は埋まり、3階席もほぼ埋まっているようで、チャイコフスキーの人気の高さが窺がえた。

チャイコフスキーの曲でも最も人気が高く演奏機会の多い「第5番」。彼は結婚生活の破綻によって、主に西ヨーロッパで生活を始め、第4番から10年あまりを経て第5番を一気に作曲した。「運命」の主題による循環形式を採用して、次々と魅力的なメロディを繰り出し、暗から明へと展開していくドラマティックな構成の曲作り。
第1楽章冒頭のクラリネットの重々しい旋律が運命の主題。4つの楽章に全て現れる。第2楽章はアンダンテ・カンタービレ。弦楽器による導入の後、ホルン独奏による翳りを帯びた鮮やかな旋律は何とも言えない美しさ。第3楽章が幻想的なワルツ。スケルツォでなく、ワルツはベルリオーズが「幻想交響曲」の第2楽章に用いているのを思い出す。第4楽章は輝かしい凱歌と言える終結部で、非常に力強くて雄渾なフィナーレ。

緊張も解けた聴衆からブラヴォーの声が飛び交った。休憩が入って、ホッと一息つくが、聴衆も集中力を保つのが大変だと思う。演奏者がチャイコフスキーの大曲、3曲を続けて演奏するのは体力、精神力も必要で大変なエネルギーを要する。今回の日本ツアー8公演中、東京、福島、札幌、新潟の4公演のようである。木管・金管群の活躍が光った。特に金管奏者の消耗が激しいと想像するが、大健闘である。

チャイコフスキー最後の作品となった「悲愴」に着手したのは亡くなる前年のこと。彼の交響曲の中で最も独創的な内容を持つ作品。ペシミズムが全編を覆っている。彼の最大の支援者であり、理解者でもあったメック夫人からの援助が突然に打ち切られた苦悩と孤独が大きな影を落としているようである。しかし、この曲は多くの人間が持ち合わせている感情を表したものかも知れない。初演が終わって9日後に、チャイコフスキーは亡くなった。
コントラバスとファゴットが暗くて、まるで呻くような旋律を奏でて曲は始まる。低音域の第1主題、チェロと第1ヴァイオリンの甘美だが、哀しみを秘めた第2主題の第1楽章。ロシア民謡が入って間奏曲のようであるが、不安げな暗い印象の第2楽章。第3楽章はスケルツォと行進曲を組み合わせたユニークな楽章、決して明るい気分ではなく、何となく落ち着かない雰囲気。第4楽章は、タイトル通りの重く打ちひしがれた終曲。交響曲の終楽章がこんな遅いテンポの曲も珍しいが、「悲愴」の象徴的な楽章でもある。

第3楽章は力強く閉じられるので、終曲と勘違いして拍手が起こりがちで、チョット心配したが、パラパラとわずかに起きた拍手には気づかなかった。全曲の終了時間は21時35分。永遠の静寂の中に音が消えていき、指揮者の手が下ろされた途端に万雷の拍手とブラヴォーとアンコールの声があちこちの客席から飛び交い、指揮者も何度もカーテンコールに応えた。3時間を要した力強い演奏に感動した聴衆の惜しみない拍手が指揮者とオーケストラ全員に贈られた。

チャイコフスキーの3大交響曲は何度聴いてもその曲の素晴らしさに感動する。帰りの地下鉄の電車の中で妻が旭川から出かけてきた小・中・高と一緒だった女性と出会って思わぬ再会を果していた。市内だけでなく、道内から聴きに来たチャイコフスキー・ファンも数多くいたようである。
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ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

ブロムシュテット指揮ゲヴァントハウス管のKitaraでの演奏は2002年、05年に続き3回目となった。90歳を迎えた偉大なる指揮者ブロムシュテットが今回Kitaraに三度出演する日を昨年から一日千秋の思いで心待ちにしていた。
昨年もバンベルク響を率いての来日公演でベートーヴェンの「運命」と「田園」を熱演する様子を〈クラシック音楽館〉で観ていた。89歳になっても進化を続け毅然とした音楽つくりで演奏に臨み、定番の音楽に新しい命が宿るようで新鮮な気持ちで聴いた。演奏中は勿論だが、インタビューでの話は温かい人柄で作曲家に寄り添っての解釈にも心を惹きつけられていた。私が最も大好きな指揮者である。

Herbert Blomstedtは1927年、スウェーデン人の両親のもとに生まれ、29年に家族と共にスウェーデンに移住。ストックホルム王立音楽院卒業後はザルツブルグに留学し、スイスやアメリカでも学ぶ。1954年にストックホルム・フィルを指揮してデビュー。同年ノールショピング響首席指揮者に就任。55年ザルツブルグ指揮コンクール優勝。その後、オスロ・フィル、デンマーク放送響、スウェーデン放送響の音楽監督を歴任。75~85年にはドレスデン・シュターツカペレ首席指揮者、85-95年サンフランシスコ響音楽監督、96-98年北ドイツ放送響首席指揮者、98-2005年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管カぺルマイスター。
ブロムシュテットは現在バンベルク響名誉指揮者、N響桂冠名誉指揮者。
ゲヴァントハウス管在任中に同楽団の演奏水準を一気に引き上げたという評価を得ている。N響にも数多く客演して、モーツァルトやベートーヴェンなどの名曲を通して日本人にも親しまれ、N響名誉指揮者の称号を得ていたが、さらに桂冠名誉指揮者となるほど日本の音楽界に貢献している。プロフィールから判断すると、北欧の音楽を聴く機会が今までにあっても良かった感じがする。
世界のメジャー・オーケストラに客演を重ねているが、今年の1月にもベルリン・フィル定期に客演して「ブラームス:交響曲第1番」を指揮して、インタヴューでブラームスの素晴らしさを熱く語る姿も元気そうで楽しかった。

レオ二ダス・カヴァコス(Leonidas Kavakos)は1967年アテネ生まれの世界的ヴァイオリニスト。85年シベリウス国際コンクール優勝。86年インディアナ国際では竹澤恭子に次いで第2位入賞。80年代後半から国際的な活動を始め、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の録音がグラモフォン賞に輝いて、世界の注目を一気に浴びたようである。ギリシャを拠点にしてベルリン・フィルやコンセルトヘボウ管らメジャー・オーケストラにも客演して世界的評価が確立し、2012-13シーズンはベルリン・フィルのアーティスト・イン・レジデンスを務めた。
PMF2016には芸術監督ゲルギエフの指名で急遽Kitaraに登場してブラームスのヴァイオリン協奏曲を弾いた。その様子はPMFオン・デマンドで鑑賞して、彼の情熱的で一味違う名曲の演奏に感動した。今回のKitaraの演奏会は話題の二人の登場で早くから期待を集めていた。

札幌コンサートホール開館20周年 〈Kitaraワールドオーケストラ&合唱シリーズ〉

2017年11月7日(火) 19:00開演  札幌コンサートホールKitara大ホール
〈ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 創立275周年記念ツアープログラム〉
  メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
  ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調 WAB,107 (ノーヴァク版)

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(Gewandhausorchester Leipzig)は1743年にライプツィヒの商人16人が出資してコンサート協会を設立。2018年に創立275周年を迎える世界最初の市民オーケストラ。1781年に500席収容の素晴らしい音響を持つゲヴァントハウス(織物会館)が完成し、オーケストラの本拠地となった(*現在の新ゲヴァントハウスは1981年完成で客席数1905)。1835年にメンデルスゾーンはゲヴァントハウス管の最初の常任指揮者となった。在任中にバッハの「マタイ受難曲」を蘇演して、バッハを復活させた貢献も大である(思い出したが、2008年にゲヴァントハウス管はマタイ受難曲の演奏でもKitaraに来演して聴いたことがある)。メンデルスゾーンは、1843年にはライプツィヒ音楽学校を設立した偉大な足跡も遺している。

このオーケストラが世界初演を行った曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲《皇帝》(1811年)、シューベルトの交響曲《ザ・グレイト》(1839年)、シューマンの交響曲《春》(1841年)、メンデルスゾーンの交響曲《スコットランド》(1842年)とヴァイオリン協奏曲ホ短調(1845年)、ブラームスのヴァイオリン協奏曲(1879年)、ブルックナーの交響曲第7番(1884年)などである。
今回の演奏曲は2曲ともゲヴァントハウス管の世界初演曲。

3大ヴァイオリン協奏曲または4大ヴァイオリン協奏曲のひとつ「メンコン」は最も人々に愛されている明るいメロディを持つヴァイオリン協奏曲。技巧的にも難しい曲と言われるが、現今では若い才能が弾きこなし、20歳前後のヴァイオリニストがコンサートで弾くことも多い。昨年1月にイザベル・ファウストが札響定期で若い演奏家とは一味違う演奏を披露した。今回も世界的ヴァイオリニストの演奏に興味を抱いて聴きに来た人が大部分だったと思う。
カヴァコスは50歳を迎えたばかりだが、最近では弾き振りも行っているというヴァイオリニスト。作曲には余り時間を掛けないメンデルスゾーンが6年もかけて完成させた協奏曲。当時のゲヴァントハウスのコンサートマスターに迎えたダヴィットが全面的に協力して作り上げたという曲。この協奏曲は全楽章が切れ目なく続けて演奏される。緊張が途切れない演奏が期待される観点も含め、新しい試みが入っている曲とされる。
優雅で気品に満ち、明快で抒情的な旋律を持つ美しいヴァイオリン曲を第1楽章でのカデンツァでは弱音もホールの3階まで美しく届いた。30分弱の曲を驚異的なテクニックを駆使しながらカヴァコスは最初から最後までホールを埋めた2千人の聴衆の心を掴んで魅了した。
盛大な拍手に応えて、アンコール曲は「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より “ガヴォット”」。

休憩時間中に久しぶりにワインでも飲もうかと思ったが、ホワイエには今までに見ないほどの長い列が続いていて諦めた。男子トイレも珍しいほどの混雑ぶりで、人がホワイエにはみ出して列をなしていた。日常のコンサートでは女性客の方が多いと感じているが、昨日は特に男性客が多いようであった。当日券も出たが、結果的に座席は完売して空席が見当たらなかった。

前半から楽器配置に特徴があった。後半に備えての楽器配置に思えた。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの対抗配置は珍しくないが、コントラバスが第1ヴァイオリン横、チェロがほぼ中央、ヴィオラが第2ヴァイオリンの横。木管がやや上手寄り。
ブルックナーはブロムシュテットが得意としていることを知らなかった。2002年の札幌公演で「ブルックナー:交響曲第5番」が演目になっているのを昨日になるまで気づいていなかった。15年前の演奏会で買い求めたぶ厚いブログラムを見て分かった。
ブルックナーが書いた0番を含む11曲の交響曲の中で「第4番」と「第7番」は親しめる曲になっている。クラシック音楽に通な人は比較的ブルックナーを好んでいるようであるが、私自身は苦手である。

昨日は午前中にカラヤン&ベルリンフィルのCD、午後はマゼール&ベルリンフィルのYouTube(*映像なしだが、高音質の録音をヘッドフォンで)、夜はブロムシュテット&ゲヴァントハウス管の生演奏で「第7番」を3時間以上も聴いたことになった。ライヴが1番良かったことは勿論である。
自らオルガニストだった経験を生かしたオルガンのスタイルが感じ取れる壮大な音楽つくり。弦のトレモロによる神秘的な導入と木管の歌謡旋律は民謡的で親しめる。第1楽章の終わりにはティンパニも入って壮大なクライマックス。第2楽章ではワーグナーチューバ4本も加わって重厚なオーケストレーションが展開され、観ていて興味深かった。ワーグナーの死に関連した葬送の音楽の悲しみの表現。ワーグナーチューバとホルン各4本が並んで、他の金管セクションの楽器位置と離れているのにも注目した。
第3楽章は田園風景を思わせる明るい自然描写。第4楽章は第1楽章と同じように3つの主題を中心としたソナタ形式でドラマティックに展開されて雄渾なクライマックスで終わる。
久しぶりに座った3階1列中央からステージ全体を見渡せて特に管楽器の演奏ぶりが見れて良かった。15年前はP席からブロムシュテットの顔の表情を十分に見れ、最近は映像で指揮者の顔は焼き付いているので、後姿だけだったが90歳の凛とした姿で指揮に当たっている様子は感動的であった。
演奏終了後にはブラヴォーの掛け声があちこちから掛かった。オーケストラに対しての拍手でもあったが、90歳の指揮者に対しての感謝と感動の拍手がいつまでも続いた。品の良い紳士のブロムシュテットは、オーケストラの演奏を称え、聴衆への謝意を表すのに楽団員の退席後もステージに出てきて別れの手を振った。

※コンサートガイドによると、今回の日本ツアーはこの後に横浜、東京での4公演がある。サントリーホールの料金が札幌の2倍になっているのに驚いた。主催者のKitara が料金を低めに抑えたのだと想像する。ブロムシュテットが無事に公演を終えて帰国されることを祈りたい。


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年間60回以上札幌コンサートホールKitaraに通うクラシック音楽ファン。クラシック全般に関心があるがオーケストラ・ピアノ曲が特に好きである。 

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